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作者の都合により、2月中の更新が難しくなります。
その時俺はヴェン爺の言葉を思い出した。
『ランカは緑髪で、目も緑ですよ。』
「もしかして、ヴェン爺の‥‥」
「あら、お父さんのこと知ってるの?」
『やっぱり!この人がヴェン爺の娘さんなんだ。』
「ねえねえ、僕。お腹すいてない?もうすぐお昼だから一緒に食べてかない?」
「‥‥うん。」
結局ルーデンスさんの家でお昼をご馳走になり、ルーデンスさんは午後から本屋の仕事に、(午前はお手伝いさんに任せていた。‥‥ありがとうごさいます。)ランカさんはもうすぐ一才の息子の世話をするらしく、俺達は素直に帰る事にした。
「明日も午前なら時間が空いているけど、どうする?」
「もちろん来ます。」
「そうか、じゃあまた明日。ばいばい。」
「‥‥ばいばい。」
「ほら、セレナ」
俺はセレナに手を伸ばした。
するとセレナは気恥ずかしそうに手を繋ぎ、そのまま教会に帰った。
後ろからの目線は言わずもながらだったが。
「ねえ、レイは魔法に興味があるの?」
「なんだ急に?」
「ねえってば。」
「はぁ、分かったからそんなに睨み付けるなてば。まあ、確かに魔法に興味はあるぞ。」
「‥‥‥いいなぁ‥‥‥」
突然セレナが泣き出してしまった。
「!セレナ!どうした!どこか痛いのか!」
「‥ううん‥‥そうじゃない‥‥」
「じゃどうしたんだ!」
「‥‥うう‥ひっく‥‥‥ううう‥‥」
このままでは話ができないので少し冷静になり、時間を開けて、セレナを素直に泣かせてあげた。
「‥‥ありがと」
「どういたしまして。それでなんで泣いたんだ?」
「それはね‥‥‥私が何にもできないから‥‥‥だよ‥‥‥」
「―」
「私はね‥女の子だからガビル見たいに剣をうまく触れないし、レイ見たいに魔法が上手くないから何だかとっても悲しくなっちゃったから‥‥‥それ―――」
「なんだそんなことか。」
「‥‥え?」
「俺は別にセレナに剣を持ってほしいとは思ってないし、戦うだけなら別の武器を使えばいいじゃん。それに魔法だって、俺が魔法を初めて見せた時から特訓してるから簡単なように見えてるだけだって。それにセレナがまだどの魔法を使えるか分からないじゃん。な?」
「‥‥‥ふふ、ありがと。レイ。」
「セレナは悲しんだ顔より笑顔の方が似合ってるぞ。」
「っ‥‥ありがと。」
何はともあれセレナが元気になってよかった。