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翌日、セレナを拐おうとしたやつとその親玉見たいなやつが死体として見つかったたらしい、村ではもっと上の人物が口封じのため殺したのではないかと噂されている。
それを聞いた時はめっっちゃ焦った。
殺しといたほうが今後誘拐されるような事が起こらないと思ったが、そう考えるとかえって危険になると思ったからだ。
まあ、その後誘拐されたと言う話しは聞かなかったか。
いつもどうり依頼を終え、一人でまだ行ったことないところの村を廻っていたら、本屋らしき所があった。
この世界の本屋や、雑貨屋などは一目ではわからず、昔の駄菓子屋のように民間兼用でやってる所が多い。
俺は気になったのでつい本屋に立ち寄った。
本屋には魔法書のようなものがあり、それを黙々と立ち読みしていると肩を叩かれた。
「僕は、その本読めるの?」
「‥‥何となく。」
「そっか、もしかしたら僕には魔法の才能があるかもね。」
そう話しかけてきたのは30代ほどの茶毛、茶目のおじさんだった。
「おじさんは、この店の人?」
「そうだよ、この店の店長をしてるんだよ。」
「ふんー。」
「ねえ、僕は魔法に興味ない?」
「ある。」
「もし良かったらおじさんが魔法、教えてあげよっか。」
「ほんと!?」
「もちろん。」
本屋改めて『本屋ルーデンス』で、俺は魔法を習うことになった。
店主の名前はルーデンスさん。
‥‥そのまんまだった。
そして早速次の日から魔法の練習をする事になり、まだ誘拐されたのを引きずってるセレナを連れてルーデンスさんのところを訪ねた。
「あ、来ましたねレイくん―――とそっちのエルフの子は?」
「えっと‥‥あの‥‥セレナ‥‥て言います。」
「よろしくねセレナちゃん。でもどうしたのぐあい悪そうだよ?」
「えっと‥‥‥大‥丈夫‥‥‥」
「そっか。じゃあ今日は魔法についてのお話だけにしようか。」
『話だけか、まあセレナを引きずってきたからしょうがないか。』
それでもこれから始まる魔法の話しに興味津々な俺であった。