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『‥‥‥まぶしい‥‥‥朝かぁ?』
目を閉じながら、まだおぼろげな意識を覚醒させつつさっきまでのことを思いだした。
『はぁ~、あのまま死ねば面倒なことにならないのに』
面倒なこと。それは、親を殺したことで残りの人生を棒にふることだった。人殺しが罪に問われることは分かっているが殺った本人も死ねばもともこもないない、と言う浅はかな理由で死のうとしたが、生き残ってしまった。
『もうどう‥‥でもいいや』
そして俺は、、、ふて寝をした。
次に意識が覚醒し目を開ける。
と、そこには焦げ茶色のありふれた木の幹とそこから伸びる緑の葉をつけたたくさんの枝、そして右側が暗く、左側が暗いオレンジ色をした夕暮れの、あと一時間ほどで夜が来そうな空が見えた。‥‥いや、見上げていた。
『!! ちょっとまて、何で俺が木を見上げているんだ?!家の庭になんか木、植えてないし。それに体動かないし!‥‥‥まさか!‥‥』
『異世界転生、、、か』
異世界転生した感想は自分が思っていた以上に淡白だった。まあ、ラノベなどで、はやってたし、死ぬときも1%ぐらいは、もしかしたらとも考えていた。が、実際なってみると『ああ、そうなんだ』と、言う感情にしかならなかった。それよりも、
『現状をどうするか、だ。赤ちゃんだから体が動けないし、めちゃくちゃお腹がすいてるし、たぶん、‥‥ふて寝をしたときにはこっちにいたと思うし、そっからだと半日以上は何にも‥‥‥やばいお腹すきすぎてなんか‥‥‥なんか涙が‥‥‥てっ何で俺泣きそうになってんだ!中身は高校生だろうが!こんなことで‥‥‥こんな‥‥‥‥‥こと‥‥‥で‥‥‥』
そしてついに
「ほんぎゃあ! ほんぎゃあ! ほんぎゃあ!」
泣き出してしまった‥‥。大人げないかも知れないが、精神が体に引っ張られたせいと、食事ができておらず精神的、身体的に弱っていたせいだ。‥‥‥と思いたい、、、