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「と、言うわけで俺は冒険者になったのさ。」
「ふん~」
「おいなんだ!そのつまらなさそうな態度は!」
「レイ~いる~?」
「セレナか。いるぞ。」
どうやら依頼から帰ってきたようだ。
「ねえ、レイ。その人誰?」
「この人はスティーブさんて言って、ギルさんと知り合い。」
「へえー、はじめまして、私はセレナっ言います。」
「おっ、おお。はじめまして俺はスティーブだ、よろしくセレナちゃん。」
「レイ、なんで薬草持ってんの?」
「うん?ああ、薬草採取やって来たから。」
「じゃ早く納品してお買い物いきましょ!」
「分かった。」
セレナと一緒に納品してる最中、スティーブさんとギルさんの内緒話が聞こえてきた。(決して興味があって風属性魔法で盗み聞きした訳じゃない。決して。)
「(ちょっとギルさん、なんでエルフ族の‥‥しかも子どもがギルドに居るんですか?村にもエルフ族の人がちらほらいたんで疑問なんですが。)」
「(ここいらにはエルフ族の村があるらしいからな、前の村長がうまくやったらしくてここを統治してる貴族公認で、エルフと仲良くやってんだよ。)」
「(そ、そんなことが。それでも疑問が。セレナちゃんて子供ですよね?)」
「(あれのどこをどう見たら15以上だと思う。)」
「(い、一応ですよ。それで、なんでエルフ族のそれも子供がギルドにいるんですか?)」
「(それ一番はじめの質問と一緒だろ?)」
「(いや、そう言う意味で‥‥)」
「(はぁ、分かぁったよ。セレナは俺の妻が拾った子だ。)」
「え!テレサさんが!」
「えっと、スチィーブさん?はテレサ様を知ってるの?」
「あ、ああ。知ってるぜ、スピサでお世話になったからな。それと俺の名前はスティーブだぞ。」
「へえー」
「‥‥セレナ買い物に行かなくていいのか?」
「あ!そうだった!じゃねスティーブさん!」
「おお、じゃあな。」
今日もいろんな事があった。
特にシスターセリナの父親がギルさんだったことが一番驚いた。世界は狭いんだなとしみじみ感じる5才であった。