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「‥‥九、‥‥十と。これでいいなか。」
俺は十個一束で薬草を二束取った。
薬草はそう数えて一束銅貨二枚で換金され、新米の冒険者にとってはとても美味しい依頼なのだ。
まあ、Eランクに常駐依頼としてあるが、在庫が少ないときにはFランクの依頼として出る。
「‥‥それにしても、暑いな~。」
今は7月中旬、四季も日本と同じみたいで、さらに日本よりも暑くなく寒くもない、俺にとってはありがたい気候だが暑いものは暑く、寒いものは寒い。
まあ、俺は暑ければ水属性魔法と風属性魔法で、寒ければ火属性魔法で、何とかしてるが。
『さてと、まだ時間があるしもう一束二束ぐらいで帰るか。‥‥また虫か。』
俺は常に気配察知を使っている
なぜなら虫が大の苦手だからだ。特に真夏の夜に出てくる蚊は睡眠の妨げになるので一番嫌いだ。
そもそも虫が何を考えているか想像できないので、虫が嫌いになった。
教会ではいつもはテレサ様が虫除けの魔法張っていたらしく、虫なんていなかったが、テレサ様が体調を崩してしまい教会に虫が入ってくるようになった。
なので、大の虫嫌いな俺は常に気配察知を発動させ、部屋を俺の魔力で満たし、それを隠蔽して蚊の気配を感じたら満たした魔力を蚊がいるところに集めて、蚊を圧殺した。
そうしてたら気配察知と魔力操作、隠蔽のレベルが上がり、新に並列思考、直感、危機察知、睡眠耐性のスキルがてに入った。
並列思考は蚊が二匹以上の時に、直感は蚊がどう動くか常に予想していたから、睡眠耐性は身体操作で眠ろうとしながらも気配察知を使うために起きる、と言う状態だったから、危機察知はそういった状況だったため脳が危機だと判断したからだと思う。
まあ、そんな事があったので薬草採取の時でも並列思考で気配察知をして魔力操作で虫を圧殺。(人が居るところでは火属性魔法で隠蔽しながら焼却。もし目の前の蚊が急に潰されたら変だと思うと思ったから。)
『と言っても、最近じゃ圧殺じゃなくて焼却した方がなにも残らないからいいと思っうな。それよりも俺の干渉魔法やっぱチートだな、俺の魔力がふれていれば、ふれたものに干渉して、本来自分自身にしか効果がないスキルを相手にも発動できるなんて。』
そうして俺は気配察知に引っ掛かった虫を圧殺した。虫のために魔法を使って焼け野原になったら何とも言えないし。
『さて、まだまだやるか。』
干渉魔法で薬草と雑草を区別しながら、俺は薬草採取をまた始めた。