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異世界転生した。  作者: R0R0
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「ここか……」


今俺たちは中ボスのいる塔の前にいる。


あの橋のせいか前者がおらず、「え?ここだよね?」「さあ?」てな感じで少し迷った。


なんせ扉がなく、塀で囲まれたところが中ボスの部屋らしいからだ。


「さて、中ボスは……ゴーレム……か?」


ゴーレム


石や岩に命が宿ったとされる魔物。

宿った物質によって脅威度が変わるが、何もしなければ人畜無害。むしろ命令などをして従わせることもできる。

土系魔法の『ゴーレム召喚』とは違い、一個体で生きていける。


「聞いたことはあるが、実際に見るのは初めてだな。……ん?」


ゴーレムが腕をこちらに向ける。そして、


ドッ


先にある俺の胴体ほどある岩を飛ばしてきたが、片手で受け止めた。


ゴーレム自体、俺の二倍程度の高さがあり、だいぶずっしりした形をしているが、身体強化すればどおってことない。


俺ならあいつを片手持ち上げるぐらい簡単にできそうだ。


「これ返すぞ。」


俺が岩を持ち上げると、ゴーレムは胸部分に腕を重ね、防御の体制をとった。


魔物のゴーレムを倒すには大きく分けて二つある。


一つは魔力を消費し尽くすこと。

ゴーレムは魔力によって動いており、体を破壊することで魔力が抜けていく。

 ただ、ゴーレムも死にたくないため、周りにあるものに魔力を流して体の一部にしていくため、消耗戦になるやり方。


もう一つは核を無くすこと。

ゴーレムが消費する魔力はこの核から流れているため、核を破壊するもしくは抜き取ることで倒せる。


また、核がある場所は魔力感知で確認できるため、消耗線をしながら(急所)を狙うのがセオリーだ。



ブゥッ――― ドガッァァ



先よりも数段速い投擲をし、直撃したゴーレムは砕け散った。だが、


『あれだけ破壊されても核が破壊されなきゃ修復するか……意外とタフだな。』


シュッ パキッッッ


残った核はセレナが撃ち抜いて、中ボスのゴーレム戦は幕を閉じた。


「あ、魔石落ちたよ。」

「そうか。ま、スライムみたいに核があったからな。」



魔石とは魔力がこもった石のようなものだ。


用途は魔道具という魔力によって動く道具の動力源ぐらいしかわからない。


ただ、魔力が必要なだけであって、人が直接魔力を流して使えば問題ない。そのため、売ればそこそこの値段がする、出ればラッキー的なもので、なぜ必要なのかはわからないものだ。


ちなみにスライムの核は手のひらサイズの球体のくせに、こもってる魔力が少ないらしく、薬草一束よりも安く買い叩かれる。しかも傷ついてたらもっと安くなる。



次の階層へ行くため、螺旋階段を上がっている最中、セレナから倒したゴーレムの、ダイヤ状の魔石を見せて貰った。


魔石は大抵この型をしている。ただ、放っている魔力は微弱なため、たどっても骨の後ろとかだと見つけにくい。



「やっぱ、ドロップするのはありがたいな。解体しなくてすむ。」

「そうね、駄々草のレイにあってる。」

「駄々草って……」

「あら、魔物を解体しないでそのままギルドで換金してるどこが駄々草じゃないのかしら?」

「……」


ゴブリンなどの、人にとって害でしかない魔物は討伐した証として、その体の一部を持っていけば換金できる。


だが、熊や猪の魔物は肉や皮の需要があり、そう言った魔物は死体丸々換金できる。


しかし、換金できるからと言ってギルドに死体ばかり集まると、解体に時間がかかりギルド全体の機能が止まりかねないので、解体されたものを換金した方が高値になる。


俺も初めは解体してたが、めんどくさくなって死体だけを出すようになった。


「というか、お前ら二人の方が俺以上に魔物を倒してるのに、よく解体する暇があるな。」

「そりゃあ、いつも料理してるもの。解体なんて下拵えに過ぎないわ。」

「動物の魔物なら私がよくわかるから。まあ、時々原型もとどめず倒しちゃったけど。」

「お、おう。」

「まあ、私たち二人だし、精霊にも手伝って貰ってたからしょうがないんじゃない?それに、レイって『解体』スキルもってないでしょ?」

「『解体』スキルか……」


どうも俺は、料理や解体といったスキルがなかなか取れない。


料理は味について色々文句を言われるが、両方ともそつなくこなせているとは思うが、


「まあ、二人がやってくれるからいいや。」

「「……」」

「すいません。できる限り手伝わさせていただきます。」

「うむ。」

「ふふ。」





「お、出口か。」


螺旋階段を上がると、先程ゴーレムを倒したところと似たような場所に出た。


ただ、あたりに瓦礫がなく大きなホールのようになっている。


『あたりに気配は無いし、魔力も感じられない。このホール全体がセーフゾーンと見ていいだろう。』



俺は適当に座り地図を広げる。


見る限り、さきの階層の崖どうしがくっついたような地形だ。


真っ直ぐ行けば次へ。さらに進むと隠し通路のある塔へ。左に行くとゲートがある塔へ。


右にも塔はあるようだが、特に意味はないらしい。


「よし、じゃあ行くか。といっても帰るだけだけどな。」

「その地図、ギルドに渡しに行かないとね。」

「そうだな。他の地図も……ん?」

「どうかしたの?」

「いや、初め見た時となんか違うような……」


俺はメモに移した地図と今持っている地図を見比べる。


そして、明らかに地図が変わっていることに気づいた。


「えぇ!?本当だ……」

「確か、アギトさん達からもらった地図って、魔法紙からできてるものよね。確かその時に、「写したところの、今の状況がわかる」て、言ってなかったかしら?」

「あぁ、そんなことも言ってたな。」

「じゃあ、レイの方はさっきまでで、今はこの地図のとおりになってるんじゃ無いかしら?」

「マジか……18階まではいいとして、19以降は相当大変そうだな。」

「アギトさん達、よく進めたわね。」

「うちにはセレナがいるし、追いつくかもな。」

「まあ……たしかに……」

「とりあえず、今のを写して帰るぞ。」



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