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異世界転生した。  作者: R0R0
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143

後ろを振り返ると見たことある赤髪のあいつがいた。


しかも、橋の上に。


「何やってんだ、早く戻ってこい!」

「うるせぇな。早い者勝ちだろ?なら、俺が先に行っても別にいいだろ。あっ、もしかしてこれにびびってんのか?バカだな。はは。」

「そう言うことじゃない!前にパーティがいるだろ!だから戻ってこいつってんだ!」

「は?ああ。あいつらが早くいなねぇからつまってたのか。よし、ここはいっちょ俺が手伝ってやるよ。」


トントントントン


赤髪がこちらへ走ってくる。


若干振動が来るぐらいで対して問題はないが、あいつ自身が何をしてくるかわからない。


早く渡りたいが二人のこともある。


そんなふうに考えていると、魔物が赤髪を襲い始めた。



「おう!?じゃまだ!は!」

「「わっ!!」」



赤髪は剣で応戦するが、太刀筋がめちゃくちゃでロープに当たり、橋を揺らしている。


『クソ。あのままじゃロープがもたねぇ……』

「『アイスランス』」


俺は、今赤髪が応戦している魔物に魔法を放った。


本来なら冒険者のルールに反するが、二人のためだ。つべこべ言ってられない。



「うわ!……」

「「あ」」



魔物を殺すために放ったため、突き刺さって殺すことに成功したまではよかった。


が、


魔物がそのまま赤髪に当たり、


「うわああああぁぁぁ―――」


落ちていった。


「ね、ねえ……」

「ああ。ちゃんと捕まってろよ。」


ギュ


「いや俺だけじゃなく―――」


ブワァ

ビシッ!


「く!」


二人が俺にだけ捕まったため、俺は橋から落ちないよう、片腕だけでなんとか踏ん張った。


「―――ぁぁぁあああ!」


どうやら赤髪は戻されたようだ。


そして下からの風が止んだが、こっからが大変になる。


下からの風でアーチ状になった橋が戻ろうとし暴れるのだ。


俺たちの前に行ったパーティ達も、はじめの突風で放り出されるか、暴れた橋に耐えられず落ちていくかした。


幸い、恵まれた体を持つ俺なら。一人や二人、片腕にぶら下がっていても問題ないし、身体強化すれば持ち上げられる。


体を打ちつけたりはするだろうが、回復があるし。特に問題はない。


魔物も風が吹いているうちは上に行ってるから襲われる心配もない。


『とっとと風止んでくんねぇなか。……ん?』


ズバ!


「な!」


下から剣が勢いよく上がってきて、ロープを切り裂いた。


俺が捕まっている方じゃなかったからよかったものの、危ないところだった。



だが不運というものはよく続くものだ



風が止み橋が元に戻ろうとした時、


ブチッ


俺が持っていた方のロープも切れた。


おそらく赤髪がつけた傷のせいだろう。ちょうどその位置が切れていた。


そして立て続けに足場を支えていたロープも俺たちの近くでちぎれ、橋が落ちた。



『なに?!クソ、せめて二人だけでも!』

「飛べ!」

「え?」

「「キャァァァ!!!」」


二人を投げ飛ばし、俺はロープを手放した。


ちょうど二人が岸に着くぐらいに、


ガッシャン!


橋が崖に当たり壊れた。


『さて、この後どうするか。俺だけならまだしも、他のやつじゃここは渡れないだろうな。ちょっと下に興味が、と、もうか。』


ブワァ!


「おお!これはこれで楽しいな。」


風に持ち上げられ橋の前に着地した。


「大丈夫かー!」


大声で反対にいる二人に聞く。


そこして


「大丈夫じゃなーーーいーーー!!!」

「え?」

「急に何すんのよーーー!!!もーーー!!!」


と怒ったセレナの声。


「大丈夫よーーー。後でちゃんと謝ってねーーー。」


とシエラの声。


二人とも無事なようだ。


あのことについてはちゃんと謝っておこう。



『さてと。ダンジョンってほんと不思議なことが起こるもんだな。』


確認をし終えたあと、壊れた橋を見る。


そこには千切れたロープがゆっくりと動き、千切れた部分が繋がろうとしていた。


『治る様子を見ると遅いと感じるが、普通に立てるよりはこっちの方が早いか。後から来たパーティもいるし、向こうに渡れるのは一時間以上はかかりそうだな。気長に待つか。』


「ちょっといいか?」

「ん?」

「頼みたいことがあるんだが……」

「頼みたいこと……ものによるな。」


そういい、すこしだけ二人の方を向く。



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