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異世界転生した。  作者: R0R0
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「ごめん!お菓子作りに夢中になっちゃって。」

「大丈夫。美味しいものも食べられたし。」


『それに、五階層までいくのにセレナの精霊の力は必須だ。頑張ってもらおう。ただ……あの短時間で本に書いてあるお菓子全部作ったのか?いくらなんでも凄すぎるだろ。』


お菓子の話は一旦置いておく。



俺たちはさっそくダンジョンに潜った。





「……ずいぶん呆気なかったわね。」

「まあ、セレナの精霊を使ってサクサク進んできたとはいえ、」

「ものの一時間足らずで五階層まで行けるとはな。」


セレナの精霊を使い、次の道がどこにあるかあらかじめ知っておいて、ただ歩いてきただけだった。


セレナが感知できる範囲外に道があったらどうしようと考えていたが、セレナが言うに案外狭いらしい。


試しに端へ行ってみたが、透明な壁が張ってあった。


俺でもびくともしない壁だったので先を急ぐことにした。


道中の魔物?そんなもん蹴散らしてきた。



「とにかく下に降りよう。ゲートがあるだろうし。」


五階層へ降りると


「ん?」

「あ!」


見知った顔が、セーフゾーンで休んでいた。


「昨日ぶりだな、アキラ。というか、よく半日でここまでこれたな。」

「地図を買ったので。それより、レイさん達はもっと先へ行っているものだと思ってましたよ。」

「まあ、色々あってだな。一時間前に入ったばっかだ。」

「い、一時間前!?やっぱりすごいですね。レイさん達は……」

「まあな。」


このまま、とっとと中ボスを倒したいところだが、


「どお、美味しいかしら?」

「とっても美味しいです!」

「……おいしい……です。」


「聖魔法、ちゃんとできてるかしら?」

「まだちょっとうまくいかなくて……シールドのまま当てちゃったり、消すのが早くてちょびっとしか回復できなかったりしてます。」

「初めはそんなものよ。」


セレナが魔法使いとエルフの子と、シエラが僧侶と花を咲かせている。


水を差すのも悪いし、お菓子を食べるぐらいは待つか。


いい加減魔法使いやら僧侶やらで呼ぶのも悪いから名前を聞いておこう。



「そろそろ行くか。」

「あ!なら、一緒に行きませんか?戦闘は僕たちがやるので。」

「別に構わないが……じゃ、よろしく。」


「セレナ、場所わかるか?」

「もちろん!」


「(あまり魔物と合わない道を進んだほうがいいかな?)」

「(いや、一直線で進もう。この先連戦を強いられることもあるだろうから。なるべく早くセーフゾーンを行きたい。)」

「(わかったわ。)」





「あの……地図使わなくて大丈夫なんですか?」

「そもそも俺たちは地図持ってないぞ。」

「ええ?!じゃあどうやってここまで。」

「セレナの精霊を頼って来た。」

「精霊……ですか。僕は見たことないですね。」

「大丈夫、俺もだ。小さい頃からセレナと一緒にいるが、一度も見たことない。『精霊眼』て特殊スキルが無いと見えないらしい。」

「特殊……スキルですか。僕は一つも持ってないです。」

「まあ、特殊スキルは持ってるだけ運がいいからな。だが、スキルの統合だったり、努力すれば特殊スキルを得られることもある。」

「え、本当ですか?!」

「さあ、図書館でそう読んだだけだ。中ボス倒した後見にいけばいい。」



意外なことに、本にスキルの統合のことが書かれていた。

本ではあくまで推測と書かれていたが、俺の『魔の支配』は魔力操作系の最上位のスキルと書かれ、今じゃ息していない『虚飾ノ影』は隠蔽系スキルの最上位のスキルとなっていた。


どちらも普通のスキルから特殊スキルへ変わったものだ。


剣とかの特殊スキルがあるかどうかわからないが……


数回魔物を倒し、中ボス前のセーフゾーンまで来た。



門の前には数人がいた。


今、門が閉まっているから開くのを待っているのだろう。


中ボスもボスも、一度倒すと次に現れるまで時間がかかる。


みな、リポップと呼んでいる。なんともゲームっぽい呼び名だ。


下へ行くほどリポップまでの時間がかかるが、ここじゃ数分で入れるようになるだろう。


次のリポップまで門の前で順番通りに待つのがルールだ。俺たちも後ろに並んで待つことにした。



「先に行きます?」

「いいのか?」

「レイさん達の方が早く終わりそうなので。」

「じゃ、遠慮なく。」


門をくぐると、自動で閉まり、Gの時と同じように、どこからともなくスライムが現れた。


水色でゲル状の体に、紫色の核がある、大きさ以外俺たちが知るスライムと変わらないやつだ。


核があるスライムは、それが無いと生きていけない。


だから、


「セレナ。」

「了解。」


セレナが核の周りゲルを吹き飛ばしながら核を撃ち抜いた。


「うーん。やっぱり難しいな。」

「どうした。ちゃんと核にあたってたじゃないか。」

「いやね。核に当たるのはいいんだけど、もっと周りに影響がないようにしたいのよ。仲間の近くにあんな矢当てたら危ないじゃない。」

「まあ……たしかに。」

「二人とも、早くここを出ましょう。そうしないと次が入れないわよ。」

「ああ、悪い悪い。」

「すぐ行くわ。」



倒したあとは安全ではあるが、すぐに出て行くのもルールの一つだ。



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