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翌日
「なあなあ、お前たち冒険者なんだろ!おれもつれてってくれ!」
「ずりーぞ!それおれが先に言ったことだ!」
「バーカ、おれが先だ!」
「おれだ!」
「おれだ!」
「……」
「ねえねえ、わたしに魔法おしえて!おねがい!」
「ごめんなさい。お姉ちゃんたち、これから用事があるから……」
「じゃあじゃあ、冒険したことおしえて!」
「あぅ。だから、この後用事が……ね?」
「ひぐっ…………なんで……なんでダメなの……」
「「……」」
俺たちは朝から子供達に囲まれてた。
長くても五年に一度冒険者が来るとはいえ、今いるのは十歳にも満たない子供達だ。
村から出たこともなければ一人でダンジョンに行けるはずもない。
来るのは行商人か、村を通過する馬車ぐらいだろう。
そんな中、村から出ていった冒険者でなく、なおかつ話しかけやすい俺たちが来たんだ。
もう俺達に興味津々だ。
だが2、3ヶ月もここにどど待っている訳にはいかなし、ましてや連れて行くのは無理だ。危険すぎる。
「こら、人を困らせないの。申し訳ないね。」
「いえいえ、全然……」
一時間近く粘られ、おばさんが子供達をなだめ、後ろ髪を引かれる思いをしながらダンジョンに向けて出発した。
「ねえ。あの達……昔の私達ににてるわね。」
「言うな、そんなこと。」
俺達もスティーブさんやギルさん達の影響、憧れて冒険者になった。
確かに、俺はこの世界を見てみたいとも思っているが、憧れたのも事実だ。
ほかの冒険者?
のほほ〜としてるのは冒険者じゃないぞ、いつの間にかDランクになっちゃった笑みたいなの
「2、3日ぐらいならいてもいいんじゃないかしら。」
「それぐらいなら、まあ。と言っても、俺達みたいに一日でできるもんじゃないぞ。初歩の初歩からやってかないと。武術なんて体力作りからだし。」
「それでも少しくらい触らせてあげようよ。」
「じいさん達が迷惑しなければいいがな……」
そうこうしてるうちにダンジョンについた。
「いらしましたか。今朝は村の子供達が……」
「あ、いえいえ、大丈夫です。」
「そうですか。では、名簿に名前をお願いします。」
「はい。」
「村の子達はいつもあんな感じで?」
「……はい。」
「あー…もし良ければだが、初歩的なこと、木剣とか触らせる程度なら子供達の相手をしても……」
「ありがとうございます。それなら子供達も喜ぶでしょう。無事に帰れることをお祈りしてます。」
「ああ。それじゃ、行ってきます。」
「どうかご無事で。」
ダンジョン
この世界にあり、魔物が巣くらう謎多き場所
別世界への門とも呼ばれる謎多き世界
だが、そこからもたらされる資源は膨大であり、一獲千金も夢ではない。
そして、今もまた、夢を現実にしようとダンジョンに入るもの、夢破れ死ぬもの、夢を膨らませる若いもの、夢を現実にしたもの……
夢だけではない、己を鍛えるため、己が生きてくため、未知の世界を見るため、楽しむため……
今や、この世界になくてはならないもの。
そして、また一人、二人、三人、だいそれたダンジョンではないが、未知の領域に足を踏み入れたものがいる。
「「「ふぅ」」」
黒い壁へそのまま進めば大丈夫だと言われたが、初めてな分、余程緊張していたのか、何事もなく入れただけで一安心してしまった。
「て、安心してる場合じゃない!まだダンジョンに入ったばっかりだよ!」
「そういうセレナだって一安心してたじゃない。」
「まあまあ、二人とも落ち着いて。」
ダンジョンの中は石造りの一本道、所々に苔むしていたり草が生えている。
進むしか―――
―――――
「ねえ。私嫌な予感がするの。」
「急にどうした?」
―――――
「あー、私も。」
「シエラまで?」
―――ブブ
「……やっぱ俺も嫌な予感がするわ。」
おそるおそる振り返る
そこには
蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊
蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊
蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊蚊