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異世界転生した。  作者: R0R0
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123

 ダイナ


 メイリーズの中心にあるダンジョンの名前であり、このダンジョンがあるからこそメイリーズが発展したといっても過言ではない。


 そして現在、その『ダイナ』に入れなくなっている。


「ど、どうしよう‥‥‥」

「一応聞いてみるか。」

「一応聞くって、さっき入れないって―――」

「一応は一応だ。それに『ダイナ』に入れないくてもって別のダンジョンもあるだろ?そこで多少ダンジョン慣れとくのもいいかもだし。」


 いまだ辺りは騒がしいが、何とかさっき怒鳴っていた職員の前に出た。


「ちょっといいか?」

「あ?またかよ……あのな、さっきも言っただろ?ダイナには入れないって。わかったらとっとと宿に帰んな。」

「……ダイナに入らないのはわかった。でも、ほかのダンジョンは入れるんじゃないか?俺達、ダンジョンに入ること自体初めてだから、どこか簡単な所ないか?」

「簡単っても、どこのダンジョンも危険なもんは危険だ。それにお前ら、ダンジョン初めてだっていだろ?ギルドとしても、何も知識がない冒険者をダンジョンにやって、死なせたくないねえんだ。いつもならダイナで訓練をしているが、今が今だ。」

「その訓練。別のダンジョンでできないのか?」

「出来ないこともないが、いろんなとこを転々とすることになる。ダイナ見てぇにいろんな環境が一つのダンジョン内にあることの方が異常だ。」

『いろんな環境?たとえば森林や山岳、海の場所もあるってことか?それならいつも森でしか狩りをしてない俺達が訓練を受ける理由もありそうだな。』


 と考えにふけっているいると、おい、と声をかけられた。


「お前らちょっとランク見せろ。」

「あ、ああ。」


 職員から見せろと言われたので素直に見せる。


「Bランクか……実は一個行ってほしいダンジョンがあるんだ。ここから片道2日にある非廉(ひれん)のダンジョンだ。」

「非廉のダンジョン?でもダンジョンなんてどこも危険だろ?なんで俺たちに。」

「このダンジョンははっきり言えば稼げない。だが、一定以上強ければある程度稼げる。質よりも量で稼ぐからだ。攻略するだけならDランクでもいけるほど簡単なとこだ。普通Dランクになればダイナでもっと稼げるが、これでも多少はいける。もちろんギルドからの依頼な分報酬もつけさせてもらう。どうだ?」

「Dランクで簡単か……」

「Bランクのあんたらなら、半日とかからずに突破できるとだろう。どうだ、行ってくれないか?」

「わかった。」



「言ってみるものね。ま、『ダイナ』に入れるようになるまでの間だけど。」

「Dランクで簡単……そう言われるとBランクなことに責任があるみたいだな。」

「それだけ私たちが強いことを示しているというわけね。」

「大いなる力には大いなる責任が伴う、だな。」

「なにそれ。」

「言葉のままよ。強ければそれだけ責任がある。獣人なら結構刺さる言葉ね、それは。」

「……」

「どうかしたの?」

「いや、獣人て上下関係厳しそうだなと……」

「あら?結構そうよ。」

「「……」」


 セレナと目を合わせうなずい。


 シエラには逆らわないでおこうと。


「???」





 ダイナに入れないって街に用はないのでとっとと非廉のダンジョンの近くのヘンシム村への馬車に乗り直行した。



 2日後



「のどかなところね。ヘンシム村は。」

「そうだな。イルーシオよりものどかだな。」

「それこの村を非難してない?」

「全然。」


 村は近くにダンジョンがあるにもかかわらず冒険者の姿が見えなかった。


 近くにの人にダンジョンはどこか、と聞くと森の方だと言われたので行ってみた。


 一応ダンジョンへの道は舗装、といっても雑草が生えてない土道だったが迷わず進んだ。



「なに、あれ。」


 セレナがそう指差すのは上に大きな木ぐ生えた土山に、ぽっかりと空いた穴だった。


 いや、穴と言うにはいささかおかしい。


 黒い何かが塞いでいるように見える。


 見た感じ平らな壁のようだ。


 道は穴まで続いている。


 警戒をすると近くに人の気配があり、用心深く近づいていった。



 さっきは木に隠れてわからなかったが、穴の近くに小屋があり、その中に人の気配がする。


「おーい。誰かいないか。」

「(いるのはわかってるのになんで誰かいるかなの。)」

「(すまん。癖で。)」

「あーい。」


 中からガラガラの声の返事がき、少ししておじさんがでできた。


「どちら様で?ああ、冒険者の方ですか。ここにはなにようで。」

「この村にある非廉のダンジョンに行きたいんだが、どこにあるか聞いても?」

「そうですか。非廉のダンジョンでしたら。あの穴です。」

「あれが?あの黒いのがか?」

「そうですとも。失礼ですが、ダンジョンは初めてで?」

「ああ、生まれて初めて見る。」

「では、ダンジョンの説明も?」

「多分してもらってないな。」

「そうですか。なら、立ち話もなんですし。上がって説明しましょう。ささ、どうぞ。」

「え、ああ。ありがとう……ございます。」


 冒険者同士タメ口で話し合うのは普通だ。


 その普通に慣れていたせいで敬語を使うのに違和感がある。


 もうちょっとフレンドリーに敬語を交えながら話す努力をした方がいいな。



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