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ケルラーレからダンジョンがあるメイリーズまで二週間。
だいぶ長い移動になるので途中にある、古代文明の遺跡があるオールドという街によってからメイリーズに行く馬車に乗った。
俺自身、この世界をいろいろと回りたいからそうしただけであって、ついたところで特になにも‥‥‥
「?」
「どうかしたか?」
「えっと、精霊がね。」
しばらく空中と話し終わったあと
「ええっと、多分だけど精霊の時空間魔法が使えるようになったっぽい。」
「ぽいってどういうことだよ‥‥‥」
「どういうことって言われても‥‥‥オールドは昔エルフの国があったらしくて‥‥‥え、ちがう?―――――あ、いろんな種族がたくさん集まった国だったらしくて、そういった私達でいう古い場所には時空間の精霊が集まりやすいみたい。」
「なるほど‥‥‥なのか?」
「さあ?」
「でも、これで私のと同じ時空間魔法に収納できるわね。」
「あーー、なんかそれは出来ないっぽい。ほら、精霊魔法は精霊の力を借りて使うから。」
「でも、その魔法なら私のよりもずっと強い魔法が使えるわね。」
「確かに言われてみれば。よし、いろいろ試してみよう。シエラ。」
「ええ。」
いろいろあったは、いろいろ。
俺もチートじみてるがそれ以上に二人が強すぎる。
これからダンジョンに行くから出来ることが多い方がいいのは確かだが、二人にとっては多すぎる気がする。
そんなこんなで二週間と四日かかったがやっとメイリーズについた。
入るのに列が並んでいたので外に出てメイリーズを見た。
メイリーズは王都と同じように街の周りが大きな壁で覆われていた。
「おお~、すごい。」
「とっても大きな壁ね。それに‥‥‥王都みたいに壁が魔力帯びていない?」
「あ、確かに。言われてみればそうね。あと、精霊も手伝ってるみたいよ。」
「ここも魔法で強化してあるのか。それも、よっぽど頑丈に。」
それから三時間後
「んん~やっとは入れた~。」
「ここまで来るの本当に長かったわね。」
「とっとと宿見つけてベッドで寝たいな。」
「‥‥‥イルーシオを出でもう半年ね。」
「長かったような、短かったような。」
「本当、いろいろあったな。」
「「「‥‥‥」」」
「‥‥‥ほら、しんみりしてる場合じゃない。早く宿を取って勘を取りもどさなねぇと。」
「なら、久しぶりに私とやってみる?」
「お手柔らかに頼む。」
「私も新しい魔法の特訓しなくちゃ!」
「ダンジョンに入る前にやることがたくさんあるな。」
宿を取ってギルドに向かうが、なにやら騒がしい。
「だから何度もいってるだろ!『ダイナ』は今周期的に入れなくなってるだけだ!一週間以内にはまた入れるようになる!」
「ねえ、『ダイナ』って‥‥‥」
「中心にあるダンジョンだな。俺たちの目的のダンジョンだ。」