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マックスとの練習もほどほどに、俺はセレナ達に転生者であることを話そうと思う。
種族が悪魔なのは俺もわからないが、それも一応話しておこう。
とにかく今は、セレナ達に中身おっさん(多少、精神が体に引っ張られてる)の俺を受け入れてくれると祈ろう。
「は、話ってなに?あと‥‥なんで正座してるの?」
今、俺は借りた部屋で正座をしながらセレナ達と向かい合っている
「実はセレナ達に隠してくことがあって。今話そうと思ったんだ。」
「え、う、うん。」
セレナ達と正座をして向かい合った。
「実は俺‥‥‥転生者なんだ。」
「「え‥‥‥ええ!?」」
「て、転生者って。物語の中だけだとおもってたわ。」
「こんな近くに物語の人がいるなんて。」
「えっと、転生者だってことは疑わないのか?」
「だってレイが嘘つく必要ないじゃん。」
この世界では物語で転生者が出てくるものがある。
例えば桃太郎は実は前世で魔王(鬼)に破れた勇者、てのが一番印象が強かった。(記憶はなくて剣術すごいってのだが)
もちろん俺が知ってる桃太郎の話もあった。
「ん?まって、転生者ってことは、‥‥‥」
「中身は33歳だな。」
「つまり‥‥‥48?」
「ん?!いや合計が33だ。前世は18で死んだ。」
「え、あ!ごめん‥‥‥なさい?」
「敬語はいい。いつも通りに接してくれ。それと‥‥‥こんな中身がおっさんな俺だけどこれからも付き合ってくれるか?」
現状付き合って貰ってるが、もし嫌ならここで別れる。
これからダンジョンがある、メイリーズに向かおうとしているのに別れるのはおかしなことだが、ダンジョンは今よりも危険な場所だ、そんな場所で秘密を抱えたままではやりにくい。
それに、俺自信秘密や嘘を隠し通すのはうまく無いからボロがでかねないしな。
「全然いいよ。ほら、私エルフで長寿な種族だから中身はそのうちそのうちおんなじようになってくし。」
「私もエルフや龍族とわいかないけど、人族よりも長生きだから。あまり関係ないわ。」
「‥‥‥セレナ、シエラ‥‥‥ありがとう。」
「あ、あともう一つ。実は俺の種族は半悪魔なんだ。」
「‥‥‥は?え、ちょっと待ってそっちの方が意味わかんないんだけど。」
「前にスキルを教えたとき干渉魔法ってのがあっただろ?それを自分に使ったら、ギルドで出てきたステータスと似たのが見れて、その俺が見た種族が悪魔と龍族のハーフだったんだ。」
「???」
「まあ、あんま深く考えなくていいよ。悪魔だから少し特殊なことができるだけだし。」
「そ、そうなんだ。あれ?それじゃあ私達のステータスもみれるんじゃ‥‥‥」
「それが‥‥‥前に一回試したんだが何故かできなかった。」
「ふーん。まあいいわ。」
正直もっと、こう‥‥‥関係がこじれたりすると思ってたが、セレナ達が受け入れてくれて本当よかった。
「あ、ついでに私の秘密も言っちゃおうかな。」
「え、シエラも秘密あるの!?」
「ええ、あるわよ。ふふ、実はね‥‥‥私、一国のお姫様なのよ。」
「‥‥‥またまた~。流石に信じないわよ。」
「あら、心外ね。レイが転生者って話よりも信じられると思うけど?」
「レイは、その‥‥‥いつも冷静で大人ぽかったから。あ、あと知らないこといっぱい知ってたから。」
「それなら、私はいつも最低限のマナーを守って生活してたわ。」
「確かにマナーは良かったけど‥‥‥」
「まあ、この話は置いておきましょ。(いつか分かるから)」
「うん~、そうね。ま、シエラがお姫様でも私は今まで通りに仲良くしたいわ。」
「俺も、姫様だろうと一緒にいたいな。」
「二人とも‥‥‥ふふ、ありがと。」
まあ、シエラが本当に一国のお姫様ってとは盗み聞きしたんだがな。
それに今も『擬似神眼』のお陰で、シエラが嘘をついてないと分かる。
「じゃあこれからの事だが、」
「「っ!」」
「どうかしたか?」
「ううん、何でもない。」
「話、続けて。」
「そうか?まあいい。大会終わったあとすぐにメイリーズに行く予定だったけど武器が壊れたから、数日はここにいようと思う。その間は自由行動でいいか?」
「(数日)‥‥‥わかったわ。」
「わ、わわわ私も!」
「?」
ここまでの話で引っ掛かること無いと思うが‥‥‥
とにかく、ここでとっとと予備の予備の武器を買ってメイリーズのダンジョンに行くか。
「あ!あ、でもいっか。ちょっと宿とってくる。」
「まって!」
今まで大会の病室で寝泊まりしていたため忘れていたが、現在宿は一室しか取っておらず、数日間はまた一緒の部屋になることになるので、新しく部屋を取ろうと思ったが、セレナに止められた。