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何がしたいのかよく分からない話です
「セレナちゃん、大丈夫?」
「‥‥‥」
シスターセリナが私に話しかけて来たが無視した。
「セレナちゃんは、四つ葉のクローバーて知ってる?」
「‥‥‥」
「セレナちゃん?」
「‥‥知らない」
「そっか、ごめんねセレナちゃん。」
「‥‥何でシスターが謝るの?」
「それはね、私がちゃんとセレナちゃんに教えてなかったから、レイちゃんが悲しい気持ちになっちゃったからよ。」
「?」
「ほら、ちゃんとこれを見て。」
そう言っていつの間にか顔を上げていた私にシスターセリナが見せたのは、レイが渡してきたプレゼントだった。
「畑に悪さする悪いやつ」
「そうね、でもちゃんとよく見て。葉っぱの数が違うでしょ。」
「んーー。本当だ!なんで?!」
「ふふ、それわね四つ葉のクローバーが幸運を呼ぶからよ。」
「なんで四つ葉だとこおうんを呼ぶの?」
「え、ええーと。それはほら、三枚より四枚のほうがたくさんだから、その分幸運も運んでくれるからよ。」
「へえー」
「それよりもね、セレナちゃん。この四つ葉のクローバーを持ってきたのはだぁれ?」
「それは‥‥‥レイから。」
四つ葉のクローバーのお話で感動していた気持ちが一気に冷めていった。
「四つ葉のクローバーはめったに見つからないの、それを見つけてくれたレイちゃんには?」
「‥‥‥」
「ほぉら、今は泣かないの!悪い事したら?」
「‥‥ちゃんと‥‥謝る」
「そうよ、ちゃんと謝りましょ?ね?」
「レ、レイ!」
「?‥‥セレナか」
たまたま近くの廊下にいたレイに、私は呼びかけます。
「あ、あのね、レイ。」
「あ~。ごめんセレナ。もっと別のプレゼントを渡せばよかった。‥‥‥本当ごめん。」
「ううんううんううん!いいの、別にいいの!これってね四つ葉のクローバーって言って幸運を運んでくれて、それでめったに見つからなくて、それでえっとあのそう、レイにはとっても感謝してるから、だから、だから、‥‥‥うーー、私の‥こと‥‥嫌いに‥‥‥ならない‥‥‥でぇ‥‥‥」
私は泣き出してしまいました。するとレイは私の頭を撫でながら、
「いいよ、別に。その代わり俺の誕生日にはクッキーがいいな。」
「‥‥うん。」
私はしばらくレイに頭を撫でてもらった。
それから2ヶ月後、レイの誕生月にちゃんとクッキーを渡した。とても喜んでもらえて嬉しかった。