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作者の都合(やりたい内容)のため、一部戦闘を飛ばしました。
ご了承ください
次の日
予選勝者は朝七時にコロシアムに集合するよう言われたので来た。
そこでトーナメントの発表を聞き、後は始まるまで自由にと指示を受けた。
トーナメントはやはりシードというのがあり、今年は四人の内三人Sランク冒険者が入っているようだが大会の前日に一人が急遽辞退したそうだ。
見どころとして、Sランクの二人は俺とは反対のトーナメント、会えるとしたら決勝だ。
「今日も見に来たのか?」
「もちろん!だってレイが戦ってるもの。」
「血生臭いのは嫌いじゃないのか?」
「‥‥‥それ‥‥嫌だけど‥‥でも、人が死ぬことは無いんでしょ?だったらたぶん‥‥‥大丈夫。」
「言っとくが本選は予選見たいに即負けじゃないぞ。降参するか死んだ判定にならないと勝負が付かないらしい。」
「‥‥‥レイ大丈夫なの?」
「死なないからいいだろ。」
「本当に?」
「痛いだろうが我慢する。それより試合を見よう。」
「う、うん。わかった。」
今俺は一試合めのSランク冒険者対Aブロック予選突破者の試合を見るため観戦席に来ている。
戦わないかもしれないが一応相手になりそうな奴のことを見ておく。
まもなくして一試合めが始まった。
―――
一試合めは呆気なく終わった。
まさかのパンチ一発で。
ただそれ以上に驚いたのがSランク冒険者とイルーシオの街で会っていたことだった。
始めた見たときはガッチガチのマッスルボディで凄いなーぐらいしかなかったが、実況の説明で「イルーシオの街にて亜龍を倒した英雄」なんて紹介され思い出した。
そして、なぜ魔法が禁止なのかだが……普通に書いてあった。
どうやらここの結界は物理特化の結界で、魔法には弱いらしい。
はるか昔に建てられたここは、己の技を惜しみなく披露するためのものだとか……
長々と試合を見ているとそろそろ時間だったので控えに行きウォーミングアップを済ませて試合に入っていった。
俺の一試合め
レイピア使いの女冒険者
結果
数十ヶ所の切り傷を負ったが最後に特攻を仕掛けて勝利
二試合め
タワーシールド使いの冒険者
結果
シールドの死角からの攻撃を何度も繰り返し、全身打撲に脱臼を負ったが勝利
Sランクでは無いとは言えシードを倒した。
そして
「さあぁ!誰がこの試合を予想した!Aブロックにてその魔槍を轟かせ見事勝ち抜いた、ライダー!その相手は、Dブロック予選で六対一に関わらず見事勝ち抜き、シールド選手までも倒した、レイ!どちらもダークホースと言っても過言ではない二人が一体どんな戦いを見せてくれるのか!もう、興奮が覚めやりません!それでは、はあぁぁじめぇぇぇぇ!」
「はあぁぁぁ!」
「!」
ガギン!
ズダダダダダ
ライダーはいきなり攻撃を仕掛け、さみだれづきを放ってきた。
俺はそれを避けたり剣でしのぐが
『やっぱ速すぎる!』
手数に押され下がっていく
『くそ、このままじゃ壁に詰められ終わる!‥‥‥手数でダメならヒット&アウェイでチマチマとするか!』
俺は身体強化を七割から九割に上げた
そしてライダーへ一撃を入れようと横にそれ、切り返そうとしたとき
「!」
バチン!
足元へ雷が落ちた
「うまく避けたな。だが、『飛雷・さみだれづき』!」
「くそが‥‥‥」
ライダーの俺に向かってつくたび、矛先から雷が向かってくる
しかも若干俺に引き寄せられて
そんな手数で負けている攻撃が向かってくるのを避けられるはず無く
バチン!
「く!」
「いまだ!」
バチバチバチバチ
「なぁ!‥‥‥‥‥‥」
しびれた瞬間ライダーは矛先から持続的な雷を俺に流しだした
「悪いが僕の勝利のために負けてもらうよ。」
「‥‥‥‥‥‥」
『考えろ、考えろ、考えろ、どうやったら打破できる。剣を突き立てて電気が流れやすい方に。』
ガギン!
「何、まだ動けるのか!それならもっと威力を!」
ジジジジジジジ!
『くそ!威力が強まって関係ない!『身体操作』じゃ手の繊細な動きは出来ないからこのままじゃ。考えろ、考えろ、考えろ、、、、!』
俺が考え付いたのは電気ナマズだった
『ああ、くそ!あれは電気を貯めてるんじゃなくて興奮してして出来てるだけであって‥‥‥絶縁体?いや発想を変えろ。体が電気を受け入れるように‥‥‥馬鹿げたことだかここは異世界、可能性があるかもしれない!』
俺は『再生』スキルで細胞を過剰に生産させ、雷に耐えられる細胞を模索した
「……よし。それじゃあ、トドメを刺そうか。」
その間ライダーがゆっくりと俺に近づいてくる
が、生物が何万年もの時間を要して進化したことを、今ここで出来るわけがなかった。
だが、過剰に再生させる際に消費しようとし、外に出た魔力に、雷が流れてた!
『はっ、この雷も所詮は魔法ででできてるって訳か。が、まだ体が痺れてる。もう少し、もう少しだけ時間が欲しい。』
と言う願いもむなしくライダーは俺の前へ来た
「たく、しぶてえんだよ!とっとと死にやがれ、『一閃突―――!』」
例え体が痺れていようとも、来るとわかっている一撃を避けて反撃ぐらいわできる
俺は左で攻撃を反らし、右でライダーの腹を裂いた
「グッ!」
『浅い―――!』
思考加速で遅くなった世界の中、ライダーが槍を引き、そして俺の顔面に向かって突きだそうとしているのがわかったが
『まだ体が痺れてる、避けきれない!』
俺は左の剣の側面でガードした
バチン!
バキン!ズボギ‥‥‥
ズザアァ
せめて威力を殺そうと体制を後ろに反らし受けた攻撃で下がったが
構えが悪かった
手と肘が支えとなってその間に一点の力が加わったため剣が折れ左腕を貫通した
「グッ‥‥痛てえ‥俺の、腕が‥‥‥」
すぐさま『再生』スキルが発動、さらに『再生』を強化して治していく
幸いか、腕が無くなった訳ではないので数十秒あれば治りそうだ
だがそんな時間を相手は待ってくれるはず無く
「くそがぁぁぁああ!」
ライダーはめちゃくちゃに俺に向かって雷とまといを使った飛ぶ突擊を撃ってきた
『まだ体が‥‥身体強化!』
体に負担がかかる限界まで強化をし、決闘場を動き回って避けようとした
が、ライダーの方が速く、俺に雷を喰らわした
左腕が治りきっていないので体の内側まで電気が流れ一瞬硬直、さらには再生能力著しく低下した
その間に雨のようにこれへ攻撃が浴びせられる
『耐えろ!耐えるんだ今は!始めのときよりも量は減ってる!』
服が破け身体中に切り傷、打撲が増えていく
そして、
『治った。だが剣が‥‥‥』
動きはよくなったが右だけでは無理だ
「『一閃付きぃ!!!』」
「!くっ‥‥‥」
突然ライダーが近づき攻撃が来た
脇腹への攻撃だが、何とかかすった程度ですんだ
その時視界に目を引くものがあった
血溜まりだ
それもさっきまでライダーのいたところ
『こいつ『再生』スキルを持ってないな。なら!』
後の戦いは俺から見ても見苦しいものだった。
決闘場を走り回りライダーが出血多量で場外へ行くのを待っていただけだ
観客からはブーイングをされたが勝つために仕方ないと割りきった。
これでついに決勝へ進めた。
すいません
実況を入れた話のストーリーを書くことが作者の実力では厳しいと判断しまして、実況は読み飛ばしてかまいません。
Sランク冒険者同士が戦うのは後輩冒険者達に上を目指してほしいと言う主催者側の思惑
そのためか、優勝賞品は目の見張るものではなく、参加賞として実用的なものが配られる設定
闘技大会のコロシアムとギルドの決闘場の違い
コロシアム
古代の技術により中で人が死んでも生き返るようになっている。
ケルラーレのコロシアムは未完成のものと言われ、別の場所で魔法OK大会がある。
決闘場
平たく言って冒険者が喧嘩する場所。
外で迷惑を起こさないよう、街のギルドでは大体ある。
コロシアムをイメージして作られたが治す効果は無く、強固なシールドで観戦者を守っている。