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三日間の内に剣の手入れ、旅の途中で食べる食料、そしていろいろな魔道具を買った。
剣の手入れは鍛治屋にたのみ、食料はセレナとシエラが用意してあり、魔道具は魔力を込めると光の玉が出てくる『トーチ』や、『簡易テント』を人数分、そして中身が腐りにくい『アイテムバック』等を買った。
アイテムバックは時空間魔法で作られた袋で中身の過ぎる時間が遅くものが腐りにくい。
時空間魔法を使えるシエラやセレナが持っているの『アイテムボックス』は時間が経過せず、シエラのは魔力を込めれば広がりセレナのは無限に入るらしい。
これは物に魔法を込めたため劣化版になってしまったらしい。
別に二人がいるから問題ないかもしれないが、もしものため、用意した。
「剣は二日後にできるし用意もしたし。あとは馬車に乗るだけたな。」
ギルドでは冒険者の移動のために馬車を手配してくれるサービスがある。
これを使えば本来よりも安く馬車に乗ることができるが、自動的に護衛の依頼をすることになる。
当日急に冒険者が乗った場合、一般人と同じ金額でもしもの時は護衛をしなくてはならなくなる。
馬車はあくまで人を運ぶためのもので、護衛依頼をしてお金が貰える行商人とは別だ。
「イーラさん。馬車の手配をお願いします。」
「もう王都を離れてくのね。て言っても王都にBやAランクの依頼なんてあんまりないからね。メイリーズの街まででいいわよね?」
「いろんな街を見ていきたいから、そんなルートを通る馬車はありますか。」
「いろんな街ね‥‥‥本当にいろいろあるから‥‥‥おすすめなのはロヤリマズの街、通称花の街。と、ケルラーレの街かしら?」
「ケルラーレの街は闘技大会あるから知ってが‥‥‥」
闘技大会は年に一度に開催される大会で他の強者とローリスクで戦えさらにはリターンが帰ってくる、力を示すのに持ってこいで強ければ強いほどリターンが増える。
まさに弱肉強食の大会。
この大会で優勝すれば一躍時の人になれる。
自分がどの程度なのか知れるいい機会だと考えている。
「まあ冒険者だからケルラーレの街は知ってたか。ロヤリマズの街ってのは通称が花の街と言われるほどとにかく綺麗な花が売られてるところよ。セレナちゃん達に送ってあげたら?」
「そうか‥‥‥じゃあそうするよ。馬車の方はお願いします。」
「はいは~い。」
三日後の早朝
「ロヤリマズの街へ乗ってくのはお前らか?」
「レイだ。よろしく。」
「セレナです。」
「シエラです。」
「合ってるな。俺はアルナだ、ロヤリマズの街まで快適な旅を提供するぜ。じゃっ早く乗りな。もうそろそろ出発する。」
アルナと名乗ったのはガチガチに鍛えた体をしている男だった。
馬車の中を覗くと男女四人半々だった。
女性の二人は仲良くおしゃべり、剣を持ってるから冒険者だろう。男性二人は寝てる。
『こっから三日間か。』
スピサの街まで行ったときのように飛べば早く行けるかもしれないが、魔力切れで頭痛やら目眩を起こすよりは馬車でゆったりしながら移動したほうがいいと俺は思う。
馬車乗ってセレナ達が先に乗っていた女性二人と仲良くなったころ。(仲良くなるの早くないか……)
「時間だ。出発するぞ。」
馬車がロヤリマズの街へ出発した。
最近リアルが忙しいので投稿時間の変動は許してください