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何とかカイザーに勝てた。ちなみにカイザーの敗因は俺の雷魔法によるからだ全体の痺れるで、動けなくなったからである。
そして今度はセレナとリーンさんの番になった。
と言うか俺が終わったあとに聞いた。
セレナとリーンさんの決闘は俺とカイザーのものよりも長く続いた。
と言うのも、二人とも後衛のスタイルなので弾幕ゲーだった。
結果は火系魔法しか使えなかったリーンさんの敗けだった。
全属性の精霊魔法が使えるセレナにはぶが悪かったのだ。
あと、リーンさんが『爆炎の魔女』なんて呼ばれている理由がわかった。
想像とはちょっとちがい、ファイヤボールが爆発して小さいファイヤボールにそしてまたそれも爆発してさらに小さいのに、と言うように範囲がどんどんと拡大していく形なのがリーンさんの戦闘スタイルだった。
ちなみに爆発の威力は遠隔で操作できるようで、一回目よりも二回目の爆発が強かったのがいくつかあった。
「うう~、だるいよ~」
「はいはい、よく頑張ったわね。『マナポーション』飲む?」
「うっ‥‥‥このだるさが消えるのなら。」
「はい。」
マナポーションとは名前の通り、飲むことで自分の魔力を回復するものだ。
よくまずいイメージがあるがこの世界では微かに草を磨り潰したような匂いがあり、味も苦い。
同じようにポーションと呼ばれるものもあり、こっちは飲んだり、かけたりすると切り傷等が治る品物で、マナポーションと同様に若干の匂いがあり、不味い。
あと体調も良くなるらしい。
どちらも高級品になると無味無臭になるらしい。
セレナはポーションの匂いが嫌いなので、鼻を摘まみながら飲みきった。
「うん~、やっぱり匂いが‥‥‥それにちょっとしか楽にならない‥‥‥」
と、ここで俺はあることをひらめく。
それは俺の魔力をセレナにあげることだ。
普通なら出来ないだろうが干渉魔法を使える俺ならできるかも知れないと思ったからだ。
今の俺の魔力残量は四割強、特殊スキル『魔の支配』をゲットしてから魔力回復が1.2倍(当社比)になったので余裕がある。
「セレナ、ちょっとリラックスしろ。」
「うん?うん、わかった。」
俺はセレナの肩に触れ『干渉魔法』を発動する。
『やっぱりステータスを見ようとすると弾かれるな。』
昔、ちょくちょくセレナのステータスを見ようとセレナに『干渉魔法』を使っているが、見れた試しがない。
『まあ今回は魔力を送るだけだからいいか。』
俺は少しずつセレナに魔力を流した。
「んっ」
「大丈夫か?」
「うん大丈夫。続けて。‥‥‥レイは凄いね。」
「たまたまうまく行っただけだ。」
「うん!もうだるくない!」
「それは良かった。」
セレナには俺基準で一割程度魔力を渡した。
「よお!やあー、お前らがこんな強いとは思わなかったぜ。」
「カイザーか。大丈夫か?本当にシエラに治してもらわなくて。」
カイザーは俺との決闘後、シエラからの申し出を断って休憩室で休んでいたのだ。
「大丈夫だって。なんせ俺には『再生』って、スキルがあるからな!」
「‥‥‥カイザーは人族じゃないのか。」
「なわけないだろ。」
「じゃあ何で『再生』スキルなんで持ってんだ?」
「何でって、そりゃダンジョンでゲットしたからだぞ。」
「ダンジョンでスキルを?」
「お前らメイリーズのダンジョンに行くって言うのに、ダンジョンについて全然知らないな。」
「‥‥‥」
「よし、ここは俺がダンジョンについて教えてやら!」
ダンジョンとは
‥‥‥別世界である!
「以上!」
「なんもわかんねーよ。」
「いやー、説明しようと考えたんだが、思い付かなくてだな‥‥‥」
「はぁ。リーンさんお願いします。」
「お願いしますって言われても‥‥‥私も詳しくないけどいいかしら?」
「それでもカイザーよりはいいと思うのでお願いします。」