95
俺は手始めに斬擊を飛ばした
カイザーはそれを大剣で吹き飛ばした
「なんだどうした、こんなもんか?そんなやる気がないなら俺がやる気を出させてやる、よ!」
カイザーが大剣でなぎ払うと、カイザーの足元かららへんから水が涌き出て、大きな波ができた
ゆうに俺の身長を越す広範囲の魔法だ
俺は両手の剣に魔力を持たせて波に突っ込みながら波の上側に向かってVの字に振り上げた
振り上げたときの斬擊が波に当たるとそこの部分だけがこおり、俺は凍った部分を飛び越えた
そして波の後ろ側を凍らせながら滑り降りてカイザーに一撃加えようとしたが、着地地点の波が俺を避けるように左右に別れた
『チッ、俺を閉じ込める気か!』
俺は瞬時に後ろに風属性魔法をはなって体制を崩しながらカイザーの上を通過した時
「はっ!」
カイザーから水刃が飛んできた
背面からの攻撃だが『超感覚』『魔の支配』により早めに気がついたので、何とか斜め後ろ方向への風でそれをよけた
決闘場は戦場と観戦席があり、戦場からの攻撃は結界によって防がれ観戦席には被害がいかない仕様になっており、威力の大きい魔法でも壊れないほど強固なんだとか。
なのでカイザーの攻撃は結界に当たり消えた。
「強いとは感じていたが、今のを避けるとはな。どうした、実力隠すのはやめたのか?」
「やる前に言っただろ、本気でやるって。」
『まあ、『悪魔覚醒』は使わないつもりだがな。』
「ふ、まだまだいくぞ!『激流一閃!』」
カイザーがそういうと共にカイザーの大剣が激流をまとい、カイザーがそれを横ないぎにして放ってきた。
俺はそれを風を使いながらジャンプして避けると、次に縦のものが飛んできた
今度は横なぎのものよりも幅が大きたったが、体制が崩れてなかったので風で自分の体を左斜め下に飛ばし、着地と同時に風を使いながらカイザーへと向かった
そして双剣に風をまとわせ構えているカイザーに
一撃を入れ、カイザーの後ろで止まった
まとわせた風はあったものに付き、風の刃がそれを切り刻むようにイメージしておいた
これで重装備のカイザーでも顔に切り傷でも出来ているだろうと思い後ろを振り替えると、カイザーは激流を身にまとっていた
「『激流の鎧』激流って言ってんだ、ただの攻撃じゃ弾かれちまうぜ。さあ、どう突破する?」
『激流だろうと電気は通すだろ。と言うか俺の戦闘スタイルはアサシンをイメージいてるんだが。』
「今は正面突破する。」
「こい!」
俺は限界の一歩手前まで身体強化をしてカイザーに突っ込み、構えているカイザーの大剣と俺の剣が触れるか触れないか程の位置で一瞬止まり、雷魔法のデカイやつを一発お見舞いした
「ぐは!‥‥‥」
これだけに終わらずカイザーの真上へ飛び、右手に雷魔法と光属性魔法の複合魔法の白い雷、左手に雷魔法と闇属性魔法の複合魔法の黒い雷を作り、それをカイザーに向かって放った
「!」
ドゴゴオォォン!!!
当たりに砂ぼこりが立ち込める
俺は砂ぼこりがない場所へ降り立ち警戒をする
なぜなら、俺が魔法を放つときカイザーと目があったからだ
少しして砂ぼこりが晴れ、
「ふぅ~、流石に今のは危なかったぜ。」
と、泥を纏うカイザーが表れた
「凄いな、今のを耐えるなんて。」
「当たり前だ。だてにAランク冒険者やってないからな。それに凄いのはお前の方だ、あの一瞬に技名言わずに三種類の複合魔法を使うなんてな。」
技名とは俺の『濃霧』や『マリオネット』、さっきカイザーが放った『激流一閃』など、自分で決めたセリフを言うことでイメージをショートカットして魔法を出す、もの(?)だ。
『あの泥の鎧、氷して一気にぶっ壊すか。』
俺は双剣に冷気を持たしてカイザーに斬りかかった
しばしの打ち合いそして
ザッ
カイザーの左脇下に一撃、深いのを入れた
入った部分の周りが凍るが
『な!抜けない!』
そしてカイザーはこの一瞬を逃さず大剣を掲げ振り下ろそうとした
『チッ』
俺は両腕に限界まで身体強化して、右手は今から来るカイザーの攻撃をそらせとうと、左手はそのままなぎ払うように動かした
ズドォォン
「あぶねえ、倒れるとこだった。よく避けたな、今の。」
「‥‥‥」
俺はカイザーの泥の鎧を一部をさらに凍らせ引き剥がしながら何とか避けれた
『普通の剣じゃ泥の鎧に持ってかれるのか。なら、』
俺は双剣の魔法を消し(同時に凍っていた泥も消えた)収納魔法に収納して、手元に氷魔法で今作った氷の双剣をかまえた
そして、またカイザーに斬りかかった
今度の剣は耐久が低い分軽く、魔法で作っているので泥に取り込まれても別のやつを作れば問題ない
ザザザザザザッ
カイザーは守りに徹しているが俺の攻撃によって徐々に泥の鎧が凍っていっている
俺が畳み掛けるよう踏み込んだとき
ズッ
「な!」
踏み込んだ右足が周りごと少し沈んだ
これにより俺は体制を崩し
「はっ!」
カイザーから横なぎが飛んできた
俺は瞬時に剣をはなし両手に氷をまとわせ
バギーン!
「グワッ!」
カードしたが吹っ飛ばされ、何とか着地した
「やあー、ちょっと寒いな、これ。」
と言いつつ俺が凍らした部分が下へと落ち、新しい泥が鎧となっていく
『斬擊で凍らした分中まで凍らなかったか。しかも、その氷のせいでさらに硬い鎧になっちまうな。』
「そんな寒いんなら暖めてやる、よ!」
右手に火属性魔法と光属性魔法の輝く火を、左手に火属性魔法と闇属性魔法の黒い火を作り、カイザーに向かって火炎放射のように放った
「おいおいマジかよ、『ストーンウォール』!」
カイザーがそう唱えると射線上に土壁が出来上がり防がれた
「ふん。」
俺は見えていないがカイザーいた辺りにに竜巻をおこし火柱を起こした
十秒ほどして魔法を止めると、カイザーがいた場所には何もなかった
『今のところカイザーが使っていたのは水と土、隠蔽系は看破できる。考えられるのは―――土の中か。』
俺が地面に向かって干渉魔法を放つと土の魔力の中に二つの大きい魔力の塊があった
『ここの土は魔力を持ってんのか、すげえ分かりずらいな。それに二つの魔力の塊。どっちかが本物でもうひとつは偽物か。俺の眼は見えてないと効果が無いから、こういうときはめんどくさいな。』
実際にバイオレットさんの別荘にお邪魔したとき、擬似神眼に統合されている『龍眼』や『魂を見つめる瞳』は見ていないと分からないから、壁の向こうで隠蔽系スキルが高い奴が聞いていても分からなかった。
ただ、俺の感覚系スキルが相手の隠蔽系スキルより高ければ流石に気づくが‥‥‥。
何時までも突っ立ってる訳にはいかないので一応、警戒体制をとっていると、塊が動きだし、ひとつは俺の真下に、もうひとつはちょっと離れた所に移動した
この間に俺は地面からカイザーを引きずり出すために、『偽りの君』を使いながら両腕に魔力を集めた
すると
バッ!
「!」
離れたところから一直線に剣が飛び出してきたので、避けると
ボコ!
足元から手が飛び出してきた
ので、力一杯、
ドゴオォォォォン!!!
地面を殴った
俺がやったのは簡単で、限界まで身体強化をして余った魔力を拳の先に集め殴ると同時に魔力を放出する。今回は込めた魔力が異常だったので爆発したみたいなったが、たったこれだけのことである。
シンプルだからこそえげつない攻撃になった。
「ぷはぁ!」
カイザーが剣を投げた位置の地面から出てきた
俺は間髪入れずに左手に剣を取り出し、風をまとわせ
「チッ『ストーンウォール』!」
放った
ズガガ!
『カイザーに防がれたか。次からこれ系のやつは『風刃』てつけるか。それよりも次の攻撃だ。』
俺は右手にも剣を取り出し、左の剣に魔力と『偽りの君』で作った殺意を乗せ、右の剣を少し早く投げろようにした
今、カイザーが出した『ストーンウォール』で互いが死角になっている
だが、俺には気づかれても反撃されず一発入れられる手がある
そして、カイザーが右の剣に気づいたあと、左の剣に気づいただろう瞬間、
俺は限界まで身体強化し、さらに体全体に雷魔法と光属性魔法をまとい、右の剣には向かった
今の俺が出せる今考えた最速の攻撃だ
「―――!――」
ズダァン!!
ザザザドン!
ガギィィン
「グハァ!」
俺は自分の速さに追い付けず壁に激突した
『カイザーの鎧を俺なりにアレンジしたが、雷魔法のスキルレベルが低いせいか身体中が痺れるし、痛いな。痛覚耐性があると言っても痛いものは痛いからな。』
体を気づかいながら近くに落ちている剣を拾いカイザーと対面する
が、カイザーは俺が攻撃した部分を押さえながら端の壁に座っていた
「痛ってぇ〜、はは、俺の敗けだ。体から痺れちまった。」
「はぁ~~」
俺は疲れて座った
「何とか、勝てたか。」
戦闘シーン……めっちゃ細かいですね
戦闘シーンが短い相手は察してください