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ギルドにて
「おめでとうございます。はい、これがBランク冒険者のギルドカードです。」
銅色のギルドカードを貰うと肩を捕まれ、振り替えると
「これでランクがどうのなんて言い訳できなくなったな!」
と、満面の笑みのカイザー。
逃げ場は無くなった。
まあ、一昨日本気でやるって言ってたから好都合だ。
「ちょうどよかった、俺もカイザーと本気でやりたいと思ったところだ。」
「おお、やっと乗ってくれたか!さあ、さっさと決闘場いくぞ!あとは頼んだリーン!」
「はいはい、任されたわ。」
俺はカイザーと共にギルドの決闘場に行った。
決闘場とはイルーシオのギルドには無かったもので、屋外にあり練習場よりも壊れにくいもので作られている、コロシアム上の場所。高位の冒険者が本気でやるにはこっちが使われる。(いつもは行っている練習場は屋内で、雨の日何かは練習している冒険者がよくいる。)
***
「イーラさん、決闘場の使用許可を。」
「は~い、今書いてます。‥‥‥あまり派手にしないで下さいね、結構維持費かかるので。」
「言っておくわ。‥‥‥聞かないだろうけど。」
「あ、そうだわ。カイザーが決闘するし、ついでにあなたたちも私と決闘しない?」
「え、私たちですか?」
「そうよ。他に誰がいるのよ。」
「でも、あなたたちってことは二対一でってことですか?」
「う~ん。二対一ってのはさすがにきついかしら。どっちか聖魔法なんて使えたりしない?」
「あ、私使えます。」
「本当!なら先にセレナちゃんからね。何かあったときはシエラちゃんに治して貰えばいいから。じゃあそういうことで。」
「本当、めちゃくちゃにしないでくださいね……はぁ。」
***
「さ、どっからでもこい!」
準備を済ませ、その他もろもろはリーンさんがして。今、俺はカイザーと決闘をしている。
決闘と聞くと命や報酬を奪い合うことを思うが、もちろん互いの実力を知るためにやる意味合いも持っている。
だから今回の決闘は失うことは何ないので、
「本気で行くぞ。」