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すいません
「さ、入ってくれ。」
「失礼します。」
俺は始めに案内された部屋とは別の部屋にバイオレットさんと入った。
「まあまず、腰かけてくれ。」
俺は無言で言われた通り椅子に座った。
「これからいくつか君に質問をする。答えたくなければ答えなくて構わないよ。」
「‥‥‥」
何故だろう、空気が変わった。
まるで問い詰められているような……
「まずは君の種族について聞こう。」
俺は並列思考と思考加速を使い、答えを考えた。
『どう答えるのが正解か?少なくともシスタービオラの父親に人族って嘘言うのは違うか。正直に悪魔だと言うべきか?いや、それも違うな。ギルドのやつに龍族と出てきたから、ここは龍族と言うべきだな。ただ、』
始めに案内された部屋に入ったとき、俺と似た感じを感じた。それともう一人の気配も感じた。
後者は超感覚で分かったが、前者の似た感じはモヤッとしていた。
そして今、この部屋でもそのモヤッとした感じがあった。
「俺の種族は――――」
と、ここまでいいかけ俺は再度考え直した。
『ちょっと待て俺。まだ考えることがある。龍族と言っても俺の場合は少ししか血が流れてないのにギルドのステータスには『龍族』とだけ出ている。もしかしたら悪魔と言う種族が測れず、結果的に『龍族』とだけ表示されただけなのか?確かに俺の『悪魔』(半悪魔だが)はどう考えてもイレギュラーだ。もしかりに測れなかったとすると、俺は純血の『龍族』になるかもしれない。いや待て、なぜ俺はさっきから似た感じのものを龍族だから決めつけているんだ?俺がいる以上悪魔の可能性だってあるのに‥‥‥しょうがない、ここは半龍族と言っておくか。』
「ん゛ん゛、俺の種族は半龍族です。」
「ふん、やはり龍族の血を引いているのか。実は昼食前に話をしていた部屋に私に何かあったとき、私を守るよう部下を忍ばせておいたんだ。その中に君と同じ半龍族の者がいてね。君の種族について聞いたんだ。出てきたまえ!」
威圧感が消えたバイオレットさんがそう言うと、バイオレットさんの後ろに黒目、黒髪の翼を生やした、俺と似た感じがする人が表れた。
その間、俺は超感覚を使っていたが、気づいたときには立つ一瞬前だった。
「この者がさっき言った半龍族のイルマだ。イルマ、挨拶を。」
「失礼ですが、領主様。挨拶をする前に一言、謝罪をよろしいですか?」
「よろしい。」
「はっ、ありがとうございます。改めまして、レイ様。先程の会話を盗み聞くような真似をして大変申し訳ございませんでした。」
そう言うと、イルマと呼ばれた人は深く頭を下げた。
「い、いいですよ別に。他にも一人同じような事をしていた人もいましたい。」
と、俺が謝罪を受け入れると、また空気が変わった。
それを感じた俺は、
『‥‥‥あ、やべ!』
はりつめた空気が戻り、気が緩んでいたのでつい余計な話をしてしまった。
「ほーお。どうやら私は君を侮っていたようだ。索敵能力があり、それでいて隠蔽スキルも申し分ない。なかなかの人材だ。どうかな、レイくん。私につかえてみないか?」
「‥‥‥」
「もちろん、ただでとは言わないよ。君は優秀だ。今後手を借りることもあるだろう。」
「‥‥‥具体的には?」
「具体的に‥‥‥か。そうだな、第一王子の降格、かな?」
この間、俺は全力で超感覚を使いってたが、バイオレットさんと半龍族のイルマさん以外全く感じられなかった。
「‥‥‥その第一王子が王になろうが俺にとってはどっちでもいい。が、貴方達と敵対するのは避けたい。第二王子には興味あるがな。」
「興味があるとは、私を手助けしてくれる。と言う解釈でいいかな?」
「今はまだどちらでもない。ただ情報提供はできる。」
俺はカールズが『ケイン』と偽って好意を寄せているリコと言う少女に会っていた事を話した。
「なるほど、なかなか興味深い話だ。ありがとう。まあ今回はこの辺りで話を終わるとしよう。」
バイオレットさんの圧が消えた。
「優秀な者はいつも引く手あまただからね。まあ頑張りたまえ。」
『暗にまだ諦めてないってか?貴族は面倒だな。』
「一応頑張ります。」
俺は部屋を出た。
半龍族 イルマ
黒目黒髪
マンジュリカ家につかえている。
翼があるのは龍族の血が混じっているから
翼は収納可能、
龍族、半龍族の正確な見た目の違いはない
そのため龍族なのに翼がなかったり、半龍族なのに翼があったりしている。確率では龍族が翼を持っていることが多く、半龍族は翼を持ってないことが多い