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異世界転生した。  作者: R0R0
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 次の日、ギルドに顔を出すと、



「あ、レイくん。レイくん宛に指名依頼が来てるわよ。」

「俺宛に?」

「はい、これ。」



 イーラさんから渡されたのは、ボードにはってあるような依頼と同じような紙だった。


 内容は



「警護依頼。日にちは‥‥‥明後日で朝から夕方まで。報酬は金貨五枚!?‥‥‥破格な依頼だな。」

「そうね、貴族って色々あるけど、警護依頼ならそれくらいね。」

「ふーん。まあいいか。その指名依頼、受けるよ。」

「一応断ることも出来るけど‥‥‥」

「問題ない。」

「そう、分かったわ。」

「じゃあセレナ、当日朝早く起こしてくれ。」

「私任せ!?」



 その後、なんやかんやあって見事に叩き起こされて、当日。



「‥‥‥本当にここなのか?」

「イーラさんからもらった地図だとここね。‥‥‥それにしても、」

「「「でかい(な)(ね)(わね)」」」



 今俺達は貴族街のでかい豪邸の塀の門の前にいる。


 理由は指名の護衛依頼を受けたからだ。



『こんな豪邸で警護依頼、しかも周りが塀で囲われて、塀と豪邸に門番と‥‥‥依頼内容は数日とあったが、これからどこかに行くのか?でも、そもそもCランクパーティーを指名する時点で相当きな臭いな。』



 と、豪邸の前で考えていたら俺らが来たと伝えにいった門番が戻ってきた。


 ちなみにもう一人の門番がいて、さっきの会話も丸聞こえだろう。



「主人に確認がとれた。入っていいぞ。」



 そして俺達は門番に案内され豪邸の中へ行き、メイドに案内役が変わり、扉の前まで来た。



「中でご主人様がお待ちです。どうぞ。」

『従者が開けるんじゃ無いんだな。まあ、いいか。』



 俺が扉を開けると、正面のソファーに目、髪の毛共に黒紫色のダンディーな男性が座っていた。



「やあ、よく来てくれたね。まあまず座ってくれたまえよ。」



 俺達はいそいそと中に入り、進められたソファーに腰かけた。



「私が今回君達に警護依頼を指名した、マンジュリカ公爵家当主バイオレット・マンジュリカだ。バイオレットと呼んでくれたまえ。」

「「‥‥‥は?」こ、公爵家!?」

「ハハ。まあ、そう驚かないでくれたまえ。かくいう私も君達が貴族の格を知っていることに驚いているのだがね。」



 と、ここでウインクした。



「と、依頼の詳しい内容を話すまえにもう一つ話をしよう。いいかな?」

「え、あ、ど、どうぞ。」

「ハハ、そうかしこまらなくていいよ、セレナくん。レイくんのように堂々としていて問題ない。ああ、あと無理して敬語を使わなくて構わないからね。」

「あ、ありがとうございます。」

「よろしい。どうかな、一つの私の昔話をしようか。実は私には娘が一人いてね、自慢では無いがこの国の第一王子と婚約していたんだよ。娘も構わないと言うから渋々、()()承諾したんだ。学園を卒業したら結果をする予定だった。」

「あ、あの~、学園って何ですか?」

「ああ、君達が貴族の格を知ってるから知っているものだと、これは失念したな。」

「い、いえ!そんな謝られても‥‥‥」

「ハハ、そう畏まらないでくれ。学園と言うのはね、貴族や庶民が一緒になって勉学に励む場所のことだよ。確か君達は協会の孤児だったよね。」

「あ、はい。」

「なら、勉強の時間が有ったんじゃないかな?」

「はい、ありましたけど‥‥‥」

「学園はそれと似たようなことをやる場所だよ。ただし、内容は難しいがね。」

「あ~、なるほど。ありがとうございます。」

「別に構わないよ。ええっと、卒業したら結婚するまで話したね。と言っても、娘は卒業式当日に断罪されたがね。」

「「「!?」」」

「何とか極刑はまぬがれたんだが、地方へ見習いシスターとして実質追放された。」



 と、ここまで来てやっとバイオレットさんの娘が誰なのかわかった。わかったが‥‥‥



『名前が思い出せん!!!いや、分かるよ、黒紫色のロングヘアーの俺らが出る一年くらい前に来た人だけども、名前が、名前が出てこない!』



「いや~、断罪されたと聞いたときは、王子の首を跳ねようと思ったよ。あっちらから婚約の話を持ちかけたと言うのに別の女を、それも男爵家の奴を好きになったから婚約解消を求めてきたからね。どうやったらあの王から頭の中お花畑の王子が生まれるのやら。しかも、男爵家の奴の話を聞けば、別の男もたぶらかしているらしいではないか‥‥‥」

「ヒッ!」

「!‥‥」



 バイオレットさんから殺気がしみだしてきて、最後の言葉で一気に殺気が増した。


 セレナは俺にしがみつき、シエラは尻尾を逆立てて俺の方へ寄ってきた。



『バイオレットさんは娘思いなんだな。‥‥‥殺気立つぐらいに‥‥‥』

「おっと、すまなかった。娘のこととなるとつい。ともかく、私の娘は見習いシスターとなって、君達の故郷イルーシオの街に行ったんだ。」

「は、はあ‥‥‥あ!もしかいてシスタービオラのこと?」



 と、セレナが言うと、バイオレットさんは静かにうなずいた。



バイオレット・マンジュリカ

公爵家の当主

シスタービオラもといビオラーナ・マンジュリカの父親

ビオラは一人娘であり、かなり溺愛している

現在、血縁関係がある次期当主を育成中、そのため次に出てくる時は元当主になる予定

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