〜そんな才能あらへんで〜
そうだ、作家になろう。そんな風に考えはじめたのはいつの頃だろうか。
思い返せば小学生の頃、まだ13歳のハローワークを読む前の頃だろう。小学4年生の夏、あるいは秋、もしくは冬、なんにせよ小学4年生の国語の授業で描いた物語が私の原点だ。きっと。それは教科書に示された宝島の地図を元に話を作れ、といった授業であった。当時の私は当時の友人を物語に登場させ、今思い返せば噴飯ものの冒険譚を自由に描いた。無論読者のことも商業性なども全く意識はしていない。ただただありもしない空想を描き、その過程がたまらなく楽しかった。この体験が私を作家になりたいと思わせた原点であろう。見返すと焼いて捨てたくなるようなポエムを量産していたのもこの時期だ。
小学生時代、特に後半に関しては国語の点数が良かったこと、作文が褒められていたこともあり、私は作家になって食っていきたいと思うようになっていた。過去の自分を殺せるものなら殺したいランキング2位の頃である。好きなことして生きていく、という昨今のYouTuberに近しい精神が醸成されていた。というか小説書いて1発あてて、ぐうたら自由な時間を過ごしたいという怠惰な自分が醸成されていた。無論そんな生活を送るためには売れ過ぎず売れなさ過ぎずという絶妙な立ち位置を確立する必要があり、かえって実現が難しいことは想像に難くないが、元来楽天的なアホである私はそんなことを夢見ていた。