出会いと苦難3
彼女を怒らせないよう大人しく立っていた。
「我に仕えし者よ、今ここにいる者に一時的力を与えよ。カウィメレ」
また意味不明な事を言い出した。
再びあの赤い魔法陣が彼女の足元に現れ、足元から頭へゆっくりと上がっていった。まるで彼女をスキャンするように。赤い魔法陣は俺の頭の上へと移動した。今度は俺の番らしく、頭から足元へとゆっくりと降りていった。足元まで降りると魔法陣は弾け消えた。その瞬間、視界がはっきりした。まるで今いる場所が太陽に照らさせているように。
俺はびっくりして固まっていた。
「もしもーし!起きてますかー?寝てますかー?気絶してますかー?もしかして、もしかして、死んじゃったとか?」
やけに楽しそうに聞いてくる。
「こんなの見せられたら固まるわ!」
「私って凄いでしょ?でしょ?でしょ?」
褒めてもらうことを楽しみにしている子どもと同じ顔をしている。
俺が何も言わず動かないでいると、つまらなそうに口を尖らせた。
そして、また無理やり俺の腕を掴み歩き出した。
歩き出してすぐにまたウェスタンドアが浮いていた。今度はドアの奥は白かった。
彼女は躊躇せず入る。
(きっと今度も大丈夫だ、大丈夫なはず)
俺も願いながら彼女に付いていく。
今度は8畳程の白い部屋。1人分の服が浮いていた。彼女と同じような独特な服が。
「さっさとこれ着て。着たら1回上出よか。ちゃんと後ろ向いたるから。さっさとしぃや」
学ランのような服。ようなではなく、学ランだ。それと大きめの黒のローブ。
なぜこんな服なのか疑問しかなかった。




