5話やっぱり異世界でスライムが最弱だった件について
遅くなってすいません。書きましたが多少変な部分があると思います。問題等がございましたら、感想などください。
ようやく太陽が昇りはじめた。晴れた一日になる、そういう気配があった。
「ふぁーよく寝た」
目を覚ますと目の前には美少女がいた。
うわ、びっくりした。そうか昨日この少女と一緒に行動してたんだっけな。
「おはようございます」
ティアは朝から神々しい笑顔を見せてきた。
「お、おはよう」
樹は三次元では女性とほとんど関わらなかったため、こういことは新鮮でもあるが少し気恥ずかしい••••••ここも三次元か!
樹は昨日取った果実をティアと分け食べる。
「やっぱりこれうまいな」
フルーティーな酸味がやさしく体にしみこむ。昨日食べた時より美味しく感じる。体が疲れていたのだろう。
「美味しいです」
相変わらずティアはニコニコしながら食べる。見てるだけで幸せな気分だ。
ご飯を食べながら話すなんて久しぶりだな。そんなことを考え果実をかじる。樹の家では父親は海外で仕事をしていて、母親は朝早くにでかけ帰っているのは0時くらいだ。なので当然ご飯は一緒に食べれない。
母さん何してるかな?・・・・
樹はほどの雰囲気とは正反対の顔をしていた。それを察したのか、ティアは明るい声で言う。
「早くしないと日が暮れるまでに町に着けませんよ!」
「それは大変だな早く行くか!」
大変なのはティアの方だ。年上なんだから頑張らないとこんなことで落ち込んでたら埒が明かない。樹は顔を叩くと準備を始める。
「町に向かう準備はできたか?」
「はい。もちろんです」
その場から立ち上がるとティアのほうを向ける。
「いくぞ」
素っ気無い感じで言ったけど本当はめっちゃ興奮してるな・・俺。
「なあティア大体ここから町までどんぐらいだ?」
樹は手元にある地図を広げて聞くとティアはどれどれ?とでも言いたそうな顔で覗き込んでくる。
ティアはうーんのうなり声を出すと口を開く。
「そうですね。私も行った事はないんですけど,この地図を見る限りたぶん片道三時間ぐらいですね」
「そんなもんか・・はぁ」
樹は脱力した。昨日ひどい目にあって疲れているのだ。当然だろう。
思ったより長いな。車とか移動手段発展してないのかな。
森の道はでこぼこしていて進みにくい。異世界といえばゴブリンなどの弱小モンスターから強いモンスターがいるはずだが、この世界で見たのはスライムと魔物だ。少し心配になりティアに聞く。
「もしかしてこの世界のモンスターってスライムだけだったり・・・・・」
「そんなわけないじゃないですか。弱小で知られるスライム、ゴブリン、バッドじゃないですか」
ん?バッドってなんだ?あと、スライムはこの世界でも弱小らしい。
「最後のバッドってなんなんだ?」
「しらないんですか?翼がここに生えていて。こんなのですよ。」
ジャスチャーをしてくれて少しは理解できた。要するにコウモリみたいないいものらしい。
「昨日あったときから思っていたのですが、樹さんってこの世界の知らな過ぎではないですか?まるで今まで他の世界で生きていたかのような、」
樹は確信をつかれてドキッとした。
別に隠すことでもないし言うか。
「実は俺・・・・・お前が言う通り異世界から来たんだ。正確に言うと前の体でこの世界に来て死んでこの体に転生した。という感じだな」
「召喚というのはなんですか?」
「あれだよ。そのーうーんなんていうんだろうな。でもこの世界に召喚魔法とかあるだろ?」
「はい?なんですかそれは?これでも私大半の魔法を扱えますけどそんな魔法聞いたこともありませんよ。」
「えっ・・どういうことだ?」
魔法じゃないなら何なのだろう。今度人がたくさんいる場所で聞いてみるか。
「私に聞かれても知りませんよ」
ティアは少し起こり気味に頬を膨らませる。
「でっ!異世界から来たことはわかりました。ですがこの世界で一回死んだとはどういうことですか?」
「異世界からきたことを信じてくれるのか?」
「ここで信じないと話が進みませんし、樹さんが嘘をつくとも思えませんし」
「そっか。言葉の通りだよ。俺は死んだ。」
「だったら何でここにいるんですか?」
「そうだな。神様って信じるか?」
「何ですか急に、他の世界からこちらに来たということでしょうけど、死んだとはどういうことなんですか?樹さんはここにいますし」
「まぁ何というか神様に作られた人形に俺の魂が入ったっていう感じかな」
「ということは樹さんは神様にあったと?」
「うん」
「神様ってどんな人だったんですか?」
「うーんとな、すごく可愛かったぞ」
「女の人だったということなんですね!」
「それと異世界というのは存在するのですね!!!」
ティアはその場で跳ねる。
「それでそれで?どんな風になってんですか?」
「どんな風にと言われてもな・・・この世界は魔法を使えるが俺の世界では魔法は使えない」
「魔法が使えなんて考えられないです」
「俺としても魔法を使える世界が本当にあるなんてびっくりだよ」
「俺の世界ではエルフは長寿ってなってるけど本当にそうなのか?」
「そんなことありませんよ。エルフも人間と同じ位の寿命ですよ。
「そうなのか。ここが一番大事なところなんだが・・・・・・」
樹はとても真剣な顔をしている。ティアはこれからどんな大事なことを相談されるのだろと額に汗を浮かべていた。
「エルフってやっぱり•••••美人多いの?」
芯のこもってない声がティアから溢れる。
「え?」
「いや、だから美人多いのか?」
「な、何言ってるんですか!!」
間髪入れずにポチャポチャという音が聞こえてきた。
まさか•••••••。
目の前に現れたのはスライムだった。最弱と先ほど言っていたがサイズがとても大きいし再生するし倒せる要素が見当たらない。
「なぁ、スライムってどうやって倒すんだ?」
「スライムの体をよく見てください。中心に核があります。その核を壊すとスライムは倒せます」
「なるほどな。通りで倒せない訳だ」
剣を抜き構える。体の内側からメラメラと力が湧いてくる。
「今度こそ我の生贄になってもらおうかスライム!!ここがお前の墓場だ!!」
樹はキャラチェンジするとスライムに向かって走り始める。
あともう少しで刃が核を捉えられそうな距離でスライムが点滅し始める。
何かくる!
樹は一旦距離を取り態勢を立て直す、スライムの点滅は激しくなり次の瞬間何かが来ると感じた樹はティアを抱え木の後ろに隠れる。
当たりは明るくなると同時に聞き慣れた高音が聞こえた。
ブーーーーーー!!!!
恐る恐る木の陰から顔を出す。高さ50センチほどの青いう◯ちがそこにあった。湯気がもやもやと出ていることからさっき出されたものだと考えるべきだ。
俺はいったん頭の中を整理する。先ほどまでははそこにはなかった。あれはどこから来たのだろう。そしてあのスライムの発色と何が関係あるのか••••••答えは簡単だった。
この世界のスライムは排泄物を出すとき発色するらしい!!!!
俺は頭を抱える。何でう◯ちを出すときに発色しないといけないんだよ。そして点滅を警戒していた俺に謝れ。
樹の胸の中にいるティアはこちらを見て、プププと口に手を添えながら笑っている。
もう許さん。木の陰から出て再びスライムを切りつけに行く。今度はサイレンが鳴り始める。
ウォーンウォーンウォーン。
次は何だよ。またなんかしょうもないことだろう。間合いに入るとスライムの下部から湯気からで始める。
まさか•••次の瞬間ジエットのごとく生暖かいものがすごい量出てくる。
「うわ、何だよこれ。」
樹の服はその液体で塗れていた。自分の服からの異臭に気づく、もう勘弁してくれよ、
う◯ちの次はお◯っこかよ••••樹は涙目になりながらスライムの核を切ると力なくその場にへたれこむ。
「あの樹さん。臭いので川に行ってください」
「うん」
歩くこと数分樹はティアに川まで連れて行ってもらった。
「着いたか」
「では服などを洗ってください」
「お、おう。別にいいけどさ覗くなよ?」
ライトノベルなどでは普通女の子が言うセリフなのだが、何故か俺が言っていた。
「覗きませんよ!」
俺は服を脱ぎ川に映った体を改めて見るとあることに気づいた。
あれ?でかくね?男のシンボルが•••この世界の人ってやっぱり立派なのかな?
そんな疑問が頭に過ぎる。その事について真剣に考えていると、
「早くしないと日が暮れるまでに町に行けませんよ」と、脅し始める。
野宿なんてもうこりごりだ。早くしよ。
川の水で服を綺麗に洗い。最大の難所が見えた。
着るものないじゃん。着替えないし。どうしようか?
「なぁ、ティア服乾かしたいんだけどいい案あるか?」
「ないことはないんですが••••」
ティアは苦そうな顔をしながら言う。
「何々?」
「風魔法で乾かす。ので服を貸してもらいますか?」
ティアは顔を伏せもじもじと手を差しのばしてきた。
樹はティアに目を瞑れといいティアのところに服を持っていく。
「まだ、目を開けるなよ?」
「は、はい!」
ティアはすごい硬い返事をする。
「もう大丈夫だ。乾かしてくれ」
樹は今裸だ。日本では到底できない行動だが外で全裸になる事に清々しいさを感じるのだった。
これ、いいかもしれない。
樹は木の後ろに隠れてティアが服を乾燥させるのを待っていた。
「ウィンド」
細い声と風の音が聞こえてくる。数分後乾燥が終わったのか風の音が止まる。樹はティアに声をかける。
「もう終わったのか?」
「あ、はい。終わりましたよ」
「すまないが服をこちらの木の近くに投げてくれないか?」
「わかりました。ほいっ!!」
可愛い掛け声とともに樹の服を投げる。
「ありがと」
樹はそう言うと服を拾い服を着る。
「よし!町へ行くぞ!」
「はい!」
日が落ち当たりはすっかり暗くなってきた。
「やっとついた」
「着きましたね!」
「町に来たはいいけどさ宿を探さないとなぁ」
「そうですね」
「お金もないしやすい宿に泊まるしかないな」
町の中を歩いているといかにも安そうな宿が見えてきた。
「ここが安そうだな。ティアここにするぞ」
「はい。あと、お願いなんですけどお金がないので今回の分払ってもらえますか?今度返すので!」
「あーそのことかでもそのぐらいいいよ。これから一緒に行動して行くんだしさ」
「ふふふ、そうですね」
ティアは頬を赤く染めながら何とも嬉しそうにこちらを見てきた。
その店へ足を踏み入れると中は思ったより綺麗ではあった。
(意外と綺麗だった。値段高くないといいな。)
フロント?らしき場所に女性が立っていた。そこに近くにより声をかける。
「すいません。二人で一泊何セルですか?」
「一泊二食付きで、2500セルです」
(安いのかな?よくわからないけど泊まるか。)
「そうですか。今日はここに泊まらせてもらいます」
「2500セルになります」
樹は銀貨2枚と銅貨5枚を出す。
「ちょうどお預かりしました。ではお部屋に案内いたします」
「ティア行くぞ」
「はい!」
ティアは何やらこの宿に入ってから妙にテンションが高い。
ティアは樹に駆け寄り樹に言う。
「こういう風に外で泊まるのは初めてで緊張します!」
なるほど。
「俺も初めての時は緊張したな」
最近の疲れが出てきたのか脚が重い。ドスドスと足音を立てながら女について行くとその女は止まった。
「着きました。今夜お泊まりいただくのはこの部屋になります」
女がパッとドアを開くとそこの部屋には特に目立った家具はなくあるのは肌触りの悪そうな布が2枚床に畳まれて置いてあった。
「ではごゆっくり」
その場に取り残された。樹とティアはただその場に立っていた。
先に口を開いたのはティアだった。
「まぁ、安いですししょうがないですよね!」
「まぁそれもそうか」
樹は畳まれた。布を床に敷くとその場に座った。
「ティアも布敷いて座れよ」
ティアは布を敷くとその場に座り樹の方に体を向ける。
「町に着いたのはいいんだが、ずっと泊まっていたら、お金がなくなるから仕事とかをしたいんだが、なんかいい仕事とか知らないか?」
「この町にあるかはわかりませんが。だいたいの人はギルドでクエストを発注してモンスターを倒したりして生計を立てて生活しているそうですよ」
「なるほど。じゃあそのギルドに行けばいいということか」
「そうなりますね」
「俺はこの世界のこととかよく知らないから良かったらクエストとか一緒に受けてくれたりするか?」
「はい!もちろんですよ」
「樹さん言ったじゃないですか。これから一緒に行動すると」
「恩にきる。ありがとう」
「いえいえ」
「明日もよろしくな!」
「はい!」