閑話:その頃の俺達…
竜也視点です!
ーーーーモチ子と喧嘩して1週間…今日は始業式の日だ。…俺はモチ子とどう仲直りしようかと考えながら一人で登校していた。
「…はぁ」
(モチ子と結局夏休みに仲直りできなかった…)
「おはよう、竜也」
そんな事を考えていた竜也の前方から綺羅が現れ、俺に話かける。
「綺羅…お前、夏休み中モチ子に会ったか?」
「…一様?」
「怒ってたか?!」
「別に怒ってはいなかったよ?」
「ほんとかー?!それじゃあ!早く学校に行って謝らねーと!あいつ、登校するのは一番だからよ!」
俺はそれを聞いて安心すると綺羅の話など聞かず、学校に向けて走りだした。
「ちょ、!竜也!!…モチ子は…って行っちゃったよ…」
綺羅はそう言うと俺の後を追いかけて、学校へと向かった。
ーーーーー俺達が学校まで行き、教室に入るがモチ子の姿がない…
「珍しいなぁ!モチ子が来てないなんて」
「だから!…」
「竜也く~ん!綺羅く~ん!おはようございますわ!」
「げっ、風見」
「あら?あの太っちょモチ子さんは今日はお休みかしら」
ーーーー俺と綺羅に話しかけて来たのは、金色の髪を頭の両脇でくるくるとツインテールの少女。
彼女は風見 頼子この地域から昔からある風見家と言う名家の一つで、元は十門家と言う貴族の一族で四代前に分家として家を構えたらしい。
「お前!モチ子は俺と綺羅の大切な幼馴染みだ!そんなこと言うんじゃねー!」
「あら、私は事実を言ったまでですわ」
「何をー!」
「こーら!風見!筒賀!ホームルーム始めるから席につきなさい!」
そこに、女性の担任が入って来て俺と頼子の言い争いはそこで終了し席についた。
「それじゃあ、ホームルームを始める前に!一つ皆にお知らせします。…持越 心さんが転校する事になりました」
「えっ」
担任の言葉に教室にざわめきが走った、…男子は良くモチ子と遊んでいたため、何でだ!と素直にショックを受けていたが…女子の大半は少し青ざめて何も言えずに押し黙っていた…。
「持越さんのお家の都合だそうですが…皆にお別れの挨拶もせずに転校してしまって申し訳ないと言っていました…って!?筒賀!どこにいくの!」
「竜也!」
ーーーーー俺は、担任の言葉を聞かずに教室から走り出していた…
(うそだ!うそだ!…モチ子!)
俺は学校から出るとモチ子が住んでいたマンションへと向かった。
ーーーーー…俺はマンションに着くと、急いでインターホンを鳴らす!
(頼む!居てくれ!)
俺の願いが聞いたのか、扉はゆっくりと開かれ…出てきたのは、綺麗なメイド服を着た女性だった。
「はい?どちら様でしょうか?」
「えっ?、あの…」
「誰か来たの?あれ?竜也くん」そこに現れたのは、モチ子の兄の光だった。
「光さん!引っ越しってどう言うことです!モチ子は!モチ子はまだ居るんでしょう?!」
「…残念だけど、モチ子はもう居ないんだ…僕と直兄さんは今の学校を卒業するまでこっち暮らしだけど…」
「そんな…」
「僕達の父親が見つかってね…東京で一緒に暮らす事になったんだ」
「…俺…モチ子が転校するなんて聞いて居なかったんです…今日、学校に行ったら…転校したって聞いて…」
「ごめんね、僕達も連絡は学校にしかしてなかったんだ…」
「そう…ですか…」
「竜也!!」
その時、俺と光の前に現れたのは走って来たせいか息を切らした綺羅だった。
「…綺羅、お前…知ってたんだろう!モチ子が転校したこと!なんで黙ってたんだよ!」
俺は綺羅に歩み寄ると、胸ぐらを掴み怒りを露にした…
「ちょ!竜也くん!」
「僕は何度も言おうとしたよ!…でも、会うたびに暗い顔をする竜也にどう言えば分からなかったんだよ!」
「だからって!俺はモチ子に一言も謝ってないんだぞ!?俺は……モチ子と喧嘩したまま…もう、会えないんだよ…」
「…竜也…」
「…竜也くん」
俺は綺羅の胸ぐらを掴むのを止め、その場にへたり込む様に泣き崩れた。
「…竜也、聞いて…僕達はまだモチ子と関係が途切れたわけじゃないんだよ」
「…どう言う意味だよ?」
「実はね、モチ子のお父さん…春さんって人なんだけど…モチ子の通う東峰学園って所なんだけど」
「東峰学園?」
「東峰学園は有名な子息や令嬢、お金持ちが通う学校らしい」
「モチ子の親父さんは金持ちなのか?」
「多分ね。…それで、東峰学園は高校からは全寮制で一般入試も受け付けてるんだよ」
「!それ本当かよ!」
「うん!しかも、春さんからは遊びに来たときにでも僕と竜也の返事を聞かせてほしいって言ってたから冬休みにでもモチ子に会えるかもしれないよ!」
「…モチ子に会える…」
「僕の答えは決まってるけど…竜也はどうする?」
「…決まってんだろう、俺はモチ子に謝ってまた一緒に居たい!ただそれだけだ!」
「決まりだね」
「その話!聞かせてもらいましたわ!」俺達が声のする方を向くとそこには息を切らした風見 頼子だった。
「風見?!なんで、お前が?!」
「私も!その入試の話に参加しますわ!」
「なんでお前なんか!お前!モチ子のこと苛めてたじゃないか!」
「苛め?なんの話ですの?」
「風見さん、女子の大半と一緒にモチ子に酷い事してたんじゃ?」
綺羅の言葉に頼子ははぁー!?っと言う顔を浮かばせ…。
「私が何故!り、…モチ子さんを苛めなくてはならないの!あの可愛くて、性格が良く!たくましく!凛々しく!勉強や運動もできるモチ子さんに誰が苛めなど!するわけがありませんわ!…確かにモチ子さんは少しポチャリとしてますけれど、それはモチ子さんの愛らしさを引き立てる要因の一つとして、!?、わ私は…その……」
「「「………」」」
頼子はマシンガントークを途中で切り上げると、顔を真っ赤にさせ押し黙り指をモジモジとさせながら下を向いてしまった…
俺と綺羅は学校生活での頼子とモチ子の様子を思い出す…
モチ子が筆入れを隠されて授業がうけられなかった時、隣の席の頼子が…
「モチ子さん、筆入れも持っていないのですの?私の要らなくなった鉛筆と使い古した消ゴムをあげますわ!」っと何故か予備の筆入れをそのままあげたり…
体調が悪くて体育が受けられなくて、女子に仮病だと疑われた時…
「誰だって体調が悪い時はありますわ!今日はそう言う日なのでしょう」と女子に言い聞かせたり…
給食の時、女子の一人がモチ子を転ばせて給食を台無しにして何も食べる物が無かった時…
「私、こんな不味い給食なんて食べたくありませんから買いに行ってきますから、誰かにあげて下さいな」とモチ子の所に給食を置いて行ったり…
…俺と綺羅は思え返すほど、頼子がモチ子に対してフォローしている様子しか出てこない…
「「なんか勘違いしててごめん…そして、モチ子を陰ながら支えてくれてありがとう!」」
「わ、私は…別に…」
俺と綺羅は頼子に対して今までの勘違いのお詫びとモチ子を陰ながら支えてくれた頼子に感謝の言葉を送った。
「でも、なんでモチ子と友達にならなかったんだ?あいつ、喜んで友達になっただろうに」
俺の言葉に頼子は更に、顔を真っ赤にさせ…小さな声で…。
「…恥ずかしくて、…友達になってなんて…言えなかったのですわ…」
「「……へそ曲がり…」」
「だ!誰がへそ曲がりですの!」
「いや、竜也。へそ曲がりは言い過ぎだったよ」
「そうですわ!」
「こう言うのはツンデレって言うんだよ」
「もっと嫌ですわ?!」
「お!こう言うのをツンデレって言うのか覚えておくぜ!」
「覚えておかなくて宜しいですわ!」
「あのさ、皆。話を戻してくれると助かるんだけど?」
三人が言い争いをしていると、笑顔で見ていた光が苦笑いで話を戻すように促す。
「「「ごめんなさい(ですわ)…」」」
「別に大丈夫。話が逸れちゃったからね…それで、風見さん?だっけ?…三人は本当に覚悟は決まってるの?…嫌な事だってあるかもしれないよ?」
「僕はモチ子と一緒にまた、遊んだり学校に通いたいから大丈夫です」
「俺も!モチ子が居ない生活なんて考えられないからな!勿論、大丈夫だ!」
「私は転校するまでモチ子さんとお友達になれませんでしたわ…だから、私は可愛いモチ子さんと一緒に居たい!その願いが叶うのだったら大丈夫ですわ!」
「わかった。僕と直る兄さんも冬休みになったら東京に行くから一緒に行こう。僕も一緒に親御さんの所に行って説得してあげるよ」
「「「ありがとうございます(ですわ)!」」」
ーーーーこうして、俺と綺羅…何故か頼子までもが東京行きが決定したのだった。
最近RPGのゲームにハマりすぎて小説が書けないついこの頃…