夢の中の私はリリアン!
…その頃モチ子は、…現在車の中でお叱りを受けていました…
「もう、モチ子ったら!いきなり迷子になってくるはないでしょう?私達3時間以上も探したんだから」
「…はい、ごめんなさい…」
「まぁまぁ、見つかったし怪我もなかったんだから、ね?」
「親父ー、あまいよー…モチ子は以外とお転婆っ子だからなー。言うことなんてあんまりきかないんだぜー?」
「そうだよ。モチ子、今回ばかりは反省しな?」
「全く!モチ子!お前は店で春さんが言ってた事!忘れたとは言わせないぞ!」
「いやぁ、本当に…今回でその言葉をはっきりと理解しました!」
「絶対に分かってないだろう!」
そんな会話を繰り返しているうちに…なんだか深い森の中へ入ってきてしまっていた…
「春さん…お家はまだですか?」
「一様、ここも屋敷内なんだけどね?」
「「「「えっ?!」」」」
「この森一帯がですか?」
「いや、山2つだよ」
「「「「マジですか!」」」」
「あ、因に君達で言う…祖父母と曾祖父母もご健在だよ」
「「「「…もう何がなんだか…」」」」
「まぁ、祖父母は第2別邸、曾祖父母は第4別邸にお住まいだから…後日、皆で挨拶に行こうね」
「「「「はい…」」」」
「私も会うのは久しぶりね。…最後に会ったのはモチ子がお腹の中に居たときかしら?」
「そうだね、皆。アリナや子供たちに会いたがっていたよ」
「それじゃあ、久しぶりにアップルパイでも焼かなくちゃね。皆さんお好きだったから」
笑顔で話す両親達にモチ子達兄妹は何も言うことができなかった
…すると、いつの間にか前方に巨大な壁が出現する…
「大きな壁…」
「侵入者を防ぐためだよ、…ここを過ぎれば屋敷は目の前だ」
春さんの言葉道り、大きな壁を越えると…巨大な噴水を設けた巨大な洋館が姿を現す。
「「「「でっか…」」」」
車を降りたモチ子達はその洋館や手入れが行きとどいた噴水を前に呆然と立ち尽くしていた。
…モチ子達が中に入ると、沢山の執事さんとメイドさんが出迎える。
「「「「「お帰りなさいませ」」」」」
「それじゃあ、メイド達が皆の部屋まで案内するから…夕食は1時間後だよ。それまで休んでね」
春さんがそう言うと、一人のメイドがモチ子の元までやってくる。
「心様。私がお部屋に案内いたします…こちらです」
モチ子は歩きだしたメイドさんについて行き…エレベーターに乗り込む。
(エレベーターって…一般家庭にないものが…)
…モチ子が着いた階は4階…そのまま、左の方を歩きだし…綺麗な木製の扉の前まで来た…どうやら、ここがモチ子の部屋のようだ。
「心様。こちらが御部屋になります」
メイドさんが開け放った扉の向こうには…
「綺麗…」
部屋は全体の天井にレースカーテンがされ、ベットは木製の天井に綺麗な星が散りばめられ、美しさを表現していた…。
「心様の御部屋にはシャワールーム・御トイレ・書斎…あと、テレビやアニメ動画・映画などが見られるシアタールームも完備されています。」
「これって…リホーム?」
「はい、春様が皆様の趣味や生活基準を考えて半年前から準備しておりました」
「凄いですね…」
「それでは、心様。私は退出させていただきます、お食事の時間になりましたら伺いますので、失礼します」
メイドさんはそう言うと、部屋から退室していった…
「はぁ…今日はなんかつかれた…」
(なんだか…眠くなってきたかも…)
モチ子はベッドにダイブする様に横になると、ゆっくりと目を瞑り眠ってしまった。
「心様。お食事の用意ができたので、お迎えにあがりました。…心様?…入ります」メイドさんはそう言うと、モチ子の部屋をゆっくりとあける。
「あら、眠ってしまったんですね」
メイドさんが開けたドアの向こうには、大きなベッドに少し丸まって掛け布団もかけずに寝てるモチ子の姿だった。
「風邪をぶり返してしまいますよ」
メイドさんはモチ子を持ち上げると布団を被せ、優しく微笑みながら
「御休みなさいませ、心様」
メイトさんは電気を消すとモチ子の部屋を後にした。
ーーーーー私は…夢を見た…
いや、…夢と言うよりは…自分の記憶の一部の様な感覚を感じる…
しかし、夢で出てくる私は…今より大人びて…綺麗なドレスを着て…お城の中庭で花を詰んでいた
『綺麗な冠をお父様にあげよう!』私?はそう言うと詰み終った花をその場に座り、編み始めた。
…綺麗に花を編み、完成したその時…
『リリアン』
『姫様』
私?が声に振り向くと、黒髪をオールバックにした黒紫色のマントを着た30後半の男性と赤髪に黒い鎧、そして右の腰には剣を身につけた30前半の男性が、私?を見つめなが微笑んでいた。
…後ろにも数人居るようだが…ボヤけて顔などの認識が出来ない…
『お父様!リハエル卿!それに、守護の方達まで!』
…私?が言うとその数人が何か言葉を発したり、私の肩など触るが…何も認識出来ない…
私?は出来上がった冠を黒髪の男性…お父様の頭に置く。
『リリアン、綺麗な冠をありがとう。』
『はい!』
『お似合いですよ、ベル陛下』
『リハエル、私やリリアンの前では陛下と敬語は無しだ』
『そうですよ、リハエル卿…ここならば、大臣達も来ませんし!ね!』
『…それじゃあ、バカベル』
『誰が!バカベルだ!』
『お父様!リハエル卿を殴ろうとしないで下さい!』
…なんだか、楽しい人達だ…と私が思っていると…
…あの、楽しそうな映像が暗転し、…世界が歪んでいく…
私?が…気づいたときには…胸を剣で貫かれていた所だった
『がっ…?!』
《撃ち取ったぞ!邪悪姫!》
…私?は貫かれた所から血がドクドクと流れて行くのが分かり、…死ぬと言う事を感じていた…
『リリアン!』
『姫様!!』
『『『『~ーーーーー!』』』』
私?が名前を呼ばれてその方向を見ると、お父様とリハエル卿などがボロボロで倒れており、私?を必死に助けようと立ち上がろうとしていた。
『お父…様…、私は…もう、助かり、ません…』
『諦めるな!!』
『お父、様っ、いきて、……こ、れ』
私?は最後の力を振り絞ると…右手に綺麗な赤色の光の玉が勢い良く飛び、お父様の胸に入り込む。
『リ、リアン?!…』
《それは?!禁忌の魔法?!》
『…私の、命の8割をこめ、ましたぁ…私の能力、魔力とっ、命を、…民達の未来を、築く為に、…お、ねがいぃ…とうさま、……』
…私?は意識がなくなり、瞳に光が消え…私?はどうやら死んでしまったらしい……
『リリアン!!…己れ!勇者ぁぁあ!!!』
『姫様ぁああ!!殺す!殺してやる!!人間どもぉおおおお!!!』
ーーーーー…
「はぁ!……今の…夢?」
モチ子はその時目覚め、胸をホッと撫で下ろす…だが、
「……あれは、一体?」
モチ子は先ほどの夢を振り替える…
(…夢?…でも、…なんだろう……そう!現実感がありすぎる!…でも、私あんなに大きくないし…しかも…リリアンって…外人さんの名前だし…)
「んー…」
モチ子は考えてみたものの…明確な答えが出ないまま………めんどくさくなり、ベットに入って眠りについてしまった…。