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「えっと、モチ子初めてだったよね?」
「う、うん…」
「えっと、こちらが私の父であり、祖父の"帝 峰近"前帝一族当主だよ」
「初めまして、心。私の事は、峰爺と呼んでくれ。直達も昔は、私をそう呼んで居たからね。」
「えっと、はい…」
青のストライプのスーツを着た男性、峰近もとい、峰爺がモチ子挨拶する。
「そして、こちらが母で祖母の"帝 里美"」
「初めまして、私の事は、、里美なら何でも良いわ」
紫色のワンピースを着た女性が、考えながら発言してにっこりと笑ったが…
((((あ、おばあちゃん呼び、嫌なのね))))とその場に居る全員が思ってしまったのだった……。
「…そしてこちらが、私の祖父で曾祖父の"帝 公臣"」
「うむ、よろしく頼むのぉ。ワシの事は公爺と呼んでおくれ」
「よろしく、です」
着物の男性、公臣こと。公爺が笑顔で挨拶する……そして、モチ子は嫌な予感がした……いやいや、そんな筈はないと……。
「そして、こちらが私の祖母、曽祖母であり帝一族24代目当主の"帝 雪"です」
「心、初めまして。私の事は、気兼ねなく雪お婆ちゃんと呼んでね」
緑色の着物を着た女性……雪、もとい雪お婆ちゃんが笑顔で挨拶してくるが……。
ーーーモチ子は、プルプルと震えて返答がない、、…見かねた雪お婆ちゃんが。
「どうしたの?」
っと声を掛けた瞬間ーーーーモチ子は暴走した。
「って!!こんな若くて綺麗な人が!!公臣さんの奥さんなわけあるかい!!え?なんなのー!?若すぎるでしょうがぁぁぁぁあ!!」
その大声は、また病院全体に響き…。
「良い加減にしなさい!!病院だって言ったでしょうー!!」またまた、看護師長が現れて叱られてしまい、、全員で「すっすみません、でした」と謝ると、看護師長は怒りながらも帰って行った……。
「モチ子、少し落ち着いたかな?」
「はい、落ち着きました…ごめんなさい」
「もう!モチ子ったら」
春さんとアリナはモチ子にそう言うと、雪お婆ちゃんが……。
「まぁ、仕方がないと思うし…心。私のこの見た目はね"祈祷の巫女"だからよ」
「"祈祷の巫女"?」
モチ子にとって、初めて聞いた単語である…。
「モチ子、"祈祷の巫女"は前世が"神や天使"だった人が付けられる総称だよ」
「つまり、雪お婆ちゃんは、」
「そう、前世は天界で暮らしてた"神"よ」
「うぇ?!」
「うふふ、驚いた?」
「うん!驚いた!…?でも、それと見た目が若いのは関係あるのー?」
「あ、それはね。魂自体に神だった頃の名残で少量、神の力があるせいか"祈祷の巫女"はある程度の年齢になったら歳は取らないし、150歳位いきるのよ?」
「へぇーー、そんなに長生きなんだぁ」
「そうね、でも私も今年で105歳だから、長くてもあと、40年位しかないのよ。まだまだ、公臣と出かけたい所もあるし」
「ワシはまだまだ、元気じゃからいつまでも付き合うぞ」
「ふぇーー、元気ー」
「それで、父上。何故ここに来たのですか?」
春さんは、峰爺に対してここに来た目的を聞き出そうとしていた。
「ん?あ、そうだった。母上。」
「そうだった!、はい、出てきて大丈夫よ」
峰爺は雪お婆ちゃんの言うと、雪お婆ちゃんは持っていた、がま口のポーチを開けて言う……そこから、赤い球体がモチ子に向かって物凄い速さで来たのだ。それは…。
〈モチ子ちゃーーん?心配したんだよー?〉
「紅!?」
そう、ポーチから出てきたのは、紅だったのだ!紅はモチ子の腕に触り、、。
〈モチ子ちゃんが、帰ってこなくて?心配になって屋敷を見つからない様に、ウロウロしてたら、、雪様に見つかっちゃって?食べ物分けてもらったの?〉
「そうだったの?!、雪お婆ちゃん!紅を助けてくれて、ありがとう!」
「いいのよ、まさか心が世界聖霊と"契約"しているとは知らなかったよ」
「え?、"契約"って、、何のこと?」
雪お婆ちゃんの"契約"と言う言葉にモチ子は?マークを…そして、モチ子の腕にしがみついている、、紅は、額から大量の汗を掻き、、青白くなって行く……。
そして、、雪お婆ちゃんは、私の言葉を聞いた瞬間、……笑顔でニコッと笑っているが……その後ろからドス黒い何かが出てきている…。
それを見た、、後ろにいる約5名は、、青い顔をして…その場で固まってしまっていた。
「くぅれぇなぁいぃ?どう言うことかしらぁ?私言ったわよねぇ?世界聖霊の"契約"は?かなりの魔力がいるから"本人の魔力量"とぉ"効力の説明"とぉ"承諾"で初めて、"契約"に望みなさいと?産まれて直ぐの研修でぇ?教えたよねぇ?」
〈えっと?、その、これには、その?〉
「まさかぁ?忘れてたぁ?なんてぇ?いわないわよねぇ?」
〈いや?あの、えっと、その、〉
……中々、口を割らない紅に、、雪お婆ちゃんは何かを悟ったのか……後ろで、固まっていた春さん達に、。
「ちょっと、そこの5人は席を外して」
「いや、でも母上、」
「峰近ぁ?貴方また私に、"あれ"されたい?」
その瞬間、峰爺は残りの4人の服の襟を掴むと……。
「母上!!それでは!!失礼しますぅぅうううう!!」
峰爺はそれを言うと……4人を連れて、全速力で病室を後にして、消えて行ったのだった……。
(えっ、私はえっ、めっちゃ怖!てか、雪お婆ちゃんの言ってた、"あれ"ってのが、気になる!?)
…一体、峰爺と雪お婆ちゃんに何が有ったのか、気になるモチ子だったが…今は紅と雪お婆ちゃんの会話に集中する。
「さて、紅?ここには私と心の2人だけ、…白状しな」
〈うぅ、…実は、転生神様からの命令で?…〉
(えっ?転さん?!)
「はぁ?何でアイツがそんなこと?」
〈わ、私もよく分からない…ただ、"あの子と契約して、彼女を守って。必ず厳守!"としか?…ただ、転生神様の命令だったので?何か、重要な事かと思って…〉
「…何でそんな事を………?!まさか!」
そう、雪お婆ちゃんは言うと、モチ子に近づき……ガバッと前髪を上げて、モチ子を見つめる…。
(ひぇぇええ?!怖い!目が怖いぃぃ!てか!キャラが変わってるよぉーーわー!)
「、!、…やっぱりか…」
……雪お婆ちゃんは、そう言うとモチ子の前髪から手を引き、、逆に自分自身の髪の毛を掻き上げる。
「あぁぁぁ、あの馬鹿が……アイツ」
雪お婆ちゃんは、ニヤリと笑うと、、紅を片手で拾い上げ、、私のベットへとドカッっと座る。
「なぁ、心?アイツの所に行けるんだろう?」
「えっ?!何で知って、」
「何でって、そりゃあアイツの"お気に入り"だからさ、何かしらの交流手段を用意してると思ってなぁ」
「あの、雪お婆ちゃん?転さんに何する気?」
「、…なぁーに、ちょっと叱ってやらないとなぁ、あの馬鹿に。それだけだ」
「……うん、わかった!…確か、名前を呼べば中間世界に行けるって言ってた!」
「よし、なら心の魂に私もくっついて行く……呼んで良いぞ」
「うん、」
【転生神】
モチ子は心の中で、それを強く唱えると……次の瞬間、モチ子はあまりの眠たさに、視界が暗転し、、再び眠りについた…雪お婆ちゃんと紅と一緒に………。




