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モチ子が目覚めてから、……それは大変だった。




春さん、時風、太助さん、与助さん、堅山のおじちゃん、メイドさん達と執事さん達、モンファさん、そして…執事さんの肩を借り、松葉でリハエルも来たのだ。




「姫様、私の力不足で、誠に申し訳ございません…」



「リハエル!謝らないで!私はこの通り!ぴんぴんしてるから!それより、リハエルの方が重症なんだから」



「私は大丈夫です、魔力を循環させる事で10日でここまで良くなったんですよ」


「ん?…それで?!」



「リハエルくんは、病院に運び込まれた時は肋骨2本ヒビ、3本骨折でそのうちの2本で内臓損傷、左腕は粉砕骨折、右肩は完全脱臼、頭蓋骨骨折、はっきり言って瀕死の重症だったんだよ」




「そうだったの?!…リハエル、私を守ってくれてありがとう!」



「姫様、…貴女が無事なら、私は幸せです」



リハエルは顔を赤らめながら、モチ子に言う。モチ子もなんだか、照れてしまい…



「えへへ、…そうだ!時風!」


「ん?なんだ?」



「時風も!助けてくれて、ありがとう!」



「当たり前であろう、前世の娘であり、私の大切な友なのだからな」



「うん、…本当にありがとう!…でも、何で俺って言ってたの?時風っていつも、私って言ってたじゃん?」



「そ、それはだな、…」


「姫様、ベル陛下は小さい子供の頃は、"俺"だったのですよ」



「ちょ、こらリハエル!ばらすな!」


「良いではありませんか、陛下の小さい頃など覚えているなんて、私位しかもう居ませんよ」



ふふふっとリハエルは笑い、時風は恥ずかしそうにムーっとした顔を見せる。



(時風、ちょっと可愛いかも)モチ子もは思うが敢えて口にしない…時風がこれ以上、拗ねたらちょっと悲しいからだ。





「とりあえず、心様のご様子もわかりましたし、時風様。そろそろお暇致しましょう」


太助の言葉に、時風が「そうだな」と相槌をうち。


「それでは、私達はこれで失礼します。春様、アリナ様、お邪魔して申し訳ない」


「いえ、時風様。モチ子の為にありがとうございました」


春さんは、時風にお礼を言うと時風、太助さん、与助さん達は帰って行った。





「それでは、我々メイドと執事も屋敷に戻らせて頂きます」


「あぁ、屋敷の事は頼んだよ」


「承知しました」とメイドさん、執事さん達も部屋を退室する。




「んじゃあ、モチ子!私も戻るネ!退院したら修行するネ!」


「うん!モンファも!わざわざ来てくれてありがとう!」


「当然ネ!」


そして、モンファも屋敷へと帰って行った。




「姫様、私も自分の病室に戻ります。隣の部屋なので、何かあれば声を掛けて下さい」


「もー!重症者に頼む事は今は無いよ!ゆっくり休んで!」


「分かりました」リハエルはそう言うと、執事の人に連れられて、病室へと帰って行った。







…残ったのは、アリナ、春さん、堅山のおじちゃんだった。



「春さん、堅山のおじちゃん、…聞きたい事があるの」



「……モチ子、"志籐"が何者か知りたいんだね」



モチ子は春さんの言葉に対して、静かに頷いた…。



「…すまない、、この事については、まだ話せない」



「どうして!?」


「……それは、、」





春さんはそこで押し黙ってしまった…一体、"志籐"は何者なのか、何故知っているのか、、何故隠すのか。




「…許してやってくれねぇか、モチ子」


「…堅山のおじちゃん」



「俺は、春の事は高校から知ってる…それに俺は奴らを取り締まる側…事情も知ってる。…この事は、"帝一族の汚点"であり、"世間に公表厳禁"の重要項目だからだ」



「?!、それって、…お母さんと春さんが何かしたの、、世間に言えない様な何か、」



「まぁ、褒められた事じゃねぇのは確かだ、、だが、俺も含め、この事はいつか絶対に話す。…だから、俺たちを…信じて待っててくれねぇか?」



その言葉を聞き、モチ子は3人をゆっくりと見つめる…モチ子は確信した、3人共、嘘をついていないと。



「……いつか、絶対に話してくれるんだよね?」


「あぁ、勿論。…これは、直や巧、光にも話さなくちゃ行けない事、だからね」



「…分かったよ、私は信じて待つ!」



「ありがとう、モチ子」



モチ子は3人に笑顔で答えると、3人は全員、ほっとした笑顔になっていた。



…そんな時、「コンコン」っと小さく病室の扉をノックする音が聞こえる。


「誰かしら?」


「どうぞ」


春さんがそう返答すると、扉はゆっくりと開かれ……、そこに居たのは4人の男女だった。




1人目は、まだ40代後半の見た目に、焦げ茶色の髪に、オレンジ色の瞳をした、青のストライプのスーツを着た男性。



2人目は、30代後半の見た目に、紫色の落ち着いたワンピース。黒髪に黒目の女性。



3人目は、初老だが背筋が真っ直ぐで、立ち姿が美しい、、焦げ茶色の髪に紅色の瞳をした、紺色の着物を着た男性。



4人目は、…まだ30代前半、肌は雪の様に白く、綺麗な金髪はしっかりと後ろで纏めあげられ、瞳は…透き通ったエメラルドブルー、緑色の着物を着た女性。





(一体、この人達は、?)


モチ子が疑問に思っていると、春さんから衝撃の名前が飛び出た。





「父上、母上。お祖父様、お祖母様。」








「……はい?、、えぇぇええーー?!」


モチ子の声は、病院全体に響き渡り、、そこに看護師長さんが来て…


「静かに!!ここは病院です!!」と注意され、、。


そこに居た全員が、しょんぼり…してしまったのだった。


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