警察って雰囲気が怖い…
ーーーーー時風と皇帝陛下が来てから約1ヶ月半後…。
あれから、時風は1週間に一回のペースでモチ子と遊んだりリハエルの居場所や守護者四人の捜索を町で行ったり、一緒にモンファの武術稽古をしたりと中々に忙しい毎日を送っていたある日…。
「んーーーーー…」
<モチ子ちゃん?勉強?>
「うん!だけど、全然分からない!」
…モチ子は家庭教師から出された課題の算数をやっているのだが…どうも算数の公式や数の計算が苦手なのだ…
それに比べて他の教科の記憶力は良い…特に社会と理科は得意らしく、現在中学1年生の問題を軽々出来るのだが…
<んー?私は人間の勉強は分からないし…>
「そう言えば…"レクターバル"世界では算数の勉強なんてしなかったような…」
<"レクターバル"世界は科学より魔法文明が発達してるからね?私は100年前まであっちにいたけど…移動なんて歩きか魔物を飼育して乗ってたし?>
「魔物なんているんだ?!」
<うん、馬に似た魔物がいたよ?…名前はわすれちゃったけど…でも、地球世界の馬より2倍以上大きいんだよ?>
「へー!でも、2倍以上はちょっと怖いかな!」
<地球世界の人が見たらびっくり?ものだよね>
コンコン…
扉をノックする音が聞こえると、紅は慣れた手つきでベットの下へ隠れる。
「どうぞ!」
「失礼するね」
「あれ?春さん?珍しいね!私の部屋に来るなんて!」
そう、モチ子の部屋に入って来たのは…春さんだった…いつもは用事が有るときは、メイドさんや執事さんの誰かが私を呼びに来て、食堂や応接室で話すのだが…
「うん、実はモチ子に相談があってね」
「私に?春さんが?」
「まぁ、お願いみたいなものだけどね」
「??」
「とりあえず、私と一緒に出かけよう。車の中で話しはするよ…あ、あとお出かけ用の服装でアリナが来るから」
「えーー、この服装じゃダメ?!」
…モチ子の今の格好は、黒色のジーンズに白いの英語が書かれたTシャツに可愛い熊が描かれたパーカーを羽織っていた。
「私はダメとは言わないが…アリナがな…」
「…だよね!」
「とりあえず、出発は1時間後ね?それじゃあ後で」
…そう、春は言うとモチ子の部屋から出ていってしまった。
「あーー!オシャレってめんどくさいーーーー!!」
モチ子はそう言うと、部屋の勉強机に顔をベタンッと勢いよく突っ伏す。
<モチ子ちゃん?そんなに面倒?>
「そうだよ!服選びにお化粧…ヘアリング、…めんどくさいーーー!!」
<まぁ?どうせ将来大人になったらやるんだから?今のうちに慣れとけば?>
「うぅ…、女子って辛い…」
…そんな、モチ子と紅が話して…五分後、アリナが数人のメイドさんを連れてモチ子の部屋へ訪れ…それから慌ただしくモチ子は準備に邁進した…。
ーーーーー1時間後…。
「…うん、モチ子もやっぱりしっかりとお洒落をすると可愛いわね」
「…お母さん…やっぱり、ジーパンが…」
「モチ子さん何か言いましたか?」
「何も言ってませーん!!」
…モチ子の現在の服装は少しハイネック気味の白色花の柄レース(裾はロング)の上に灰色でウエストにベルトを巻いた膝した位のワンピース…黒色のタイツを履き、足元は茶色のストラップがある2センチ程のヒールを履いている…
髪の毛は綺麗に編み込みされ、頭の少し下位で纏められている。
「さて、それじゃあ。お母さんは用事があるから」
「お母さんは一緒に行かないの?」
「うん、ちょっと用事でね…でも、春から事情は聞いてるから…それじゃあ、行ってらっしゃい」
お母さんはそう言うと、部屋から出ていき…メイドさんの独りがモチ子を玄関まで誘導する。
「心様、外は少し冷えますので」
メイドさんはモチ子に薄手の黒色のジャケットを着せる。
「ありがとう!」
「いいですか、心様?今回は公共の場に行くのです…春様の言うことはしっかりと聞いてくださいね?」
「うん!」
「あ、モチ子。準備は出来たかい?」
「うん!春さん行こう!」
「それじゃあ、行って来るね」
「「「行ってらっしゃいませ」」」
…春さんとモチ子が玄関の外に行くと…そこには綺麗な…見たこともない車が停まっており…春さんは執事さんが開けてくれた運転席に乗り込む。
「え?!春さん免許あるの?!」
モチ子は執事さんが開けてくれた助手席に乗り込むと驚きの表情を浮かべながら春さんに言う。
「うん、一様休みの日にはドライブしてるんだよ」
「そうなんだ!…所でこの車は?」
「一様外車でね、ロ●ルス・ロ●スのフ●ン●ムって言うんだよ」
「すごい横文字!」
「外車は横文字だらけだよ?」
「うぅー…横文字嫌い!」
「あははっ、それじゃあ出発するね」
春さんはそう言うと、車を発車させて山道を下り始める。
「それで?春さん?私にお願いって?」
「…実はね、3日前にニュースで子供の虐待が原因で子供が母親を殺した事件が有ったのは覚えてるかい?」
「うん!あれ、お母さんが自分の子供を包丁で殺そうと思っだけど、逆に子供が正当防衛で殺しちゃったやつだよね?」
「うん、実は…警察に保護された子供が、どうも"レクターバル"世界の記憶を持った"申し子"らしいんだ」
「"申し子"?!」
「うん、…モチ子も"レクターバル"世界の記憶を持っているんだろう?」
モチ子はその言葉を春さんの言葉から聞き、びっくりする!
「な、何で知ってるの?!」
「実はね、私の為に働く"影"と言う存在が居てね…私に報告してくれてるんだ」
「…それじゃあ、紅のことも?」
「うん、知ってるよ…モチ子には隠してて、ごめんね」
「…ううん、私…紅の存在が家族にバレたら…絶対に、捨ててこいとか言われるかなって思ってたから…」
「私はそんな事は言わないよ、むしろ世界聖霊は世界に必要な存在だ…今度、私やアリナ達に紹介してくれると嬉しいな?」
「うん!紅もきっと喜ぶよ!」
「ありがとう、…さて。話を戻すよ?…その子供が"レクターバル"世界の記憶を持ってあいてね…警察が誰か名前の知ってるの人はいないかって聞いたら…その子"リリアン"と"ベル"って言ったんだ」
「!!もしかして?!リハエル?!」
「可能性としてはあり得なくもない…まぁ、児童相談所と孤児院は"レクターバル"世界の記憶を持ってた子は預かるこは出来ないって言われたらしい…だから、モチ子と時風くんが探しているリハエルだった場合、うちで預かろうと思ってね」
「春さん!いいの?…モンファの時だって…許してくれた事には凄く嬉しかったけど…」
「問題はないよ?家族は多い方が楽しいからね」
「…本当に!ありがとう、春さん!」
「…とりあえず、警察に行ってリハエルだか確かめないとね」
「そうだね!」
モチ子と春さんはその事件の子供が保護されている警察署へと向かった…。
ーーーーーーモチ子と春さんが警察署に着くと…一人のスーツを着た…少し老けている男性が下りてきた春さんに話しかける。
「春!遅いじゃねぇか!」
「済まないね、堅山」
「まぁ、サボれて俺は万々歳って所だがな」
「相変わらず、不真面目だね」
「あのー?」
モチ子の声に男性が気づくと…モチ子に優しい笑顔を向ける。
「お、お前が春の娘だな?俺は春と高校の時からの友人、堅山 武志だ。よろしくな」
「うん!よろしくね!堅山のおじちゃん!」
モチ子のその言葉に…堅山のおじちゃんと春さんが数秒間止まる…。
「お、おじ…ちゃん?」
「…ぶっはっははは!!」
「春!てめぇ!何でわらぃやがる!」
「だってー!確かに、私と同い年で来年40歳だから!もう中年!あっはははっ!」
「黙れ!お前みたいにこちとら公務員なんだよ!ストレスだ!老けたのはストレスだぁー!!」
…それから、数分…春さんの爆笑は治まらず…最終的にはキレた堅山のおじちゃんが腕に腕ひしぎ十字固めを決めて、春さんの笑いを治めていた…。
(…二人とも…目立ってるよー)
モチ子の心の声は届かず…、モチ子はリハエルであろう子供がいる警察署を眺めながら…ただ、溜め息をついていた…。




