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「え?皇帝陛下?!」




ーーーーーモチ子のすっとんきょな声が聞こえて来たのは、皆で食事をとる食堂からだった…




「うん、今日は皇帝陛下と皇太子が帝一族の家に伺う予定なんだ…悪いけど、今日は稽古の替わりに皇帝陛下と皇太子に挨拶してもらえないかい?それと皇太子はモチ子と同い年だから、せめて遊んでくれると嬉いんだけど」




「モチ子!大事なお客様ネ!稽古は明日みっちりすれば良いネ!」



「んー、モンファがそう言うなら!」



「それじゃあ、綺麗な姿でお出迎えしましょう。後でモチ子の服を選びにお部屋にいくわね」




アリナは嬉しそうに言う…モチ子はどうもお洒落と言うものには疎い…その為、お嬢様として生活を始めたモチ子ではあったが…いつもジーパンに黒や灰色のTシャツと言う格好で自宅を彷徨いている…





綺麗な洋館には似ても似つかない…それに比べアリナは綺麗なノースリーブのシックの青色のタイトワンピースを着こなし、手には細い腕時計にピアスは真珠をあしらっている…




「アリナが張りきるなら、大丈夫だね。…流石にいつものモチ子じゃ、皇帝陛下達には会わせられないからね」



「任せてね、私も元は持越家のお嬢様だったから」




「期待してるよ。」




「んー、何だか大変な事になりそう!」



「ま、なりそうじゃなくて"なる"んだがな」



「巧兄ちゃん居たんだ!」



「居るわ!ボケモチ子!」



「もー、巧ったら口が悪いのは誰に似たのかしら?」



「…多分、ぶちギレた時のアリナじゃないかな?」



「…春何か言った?」



「何も言ってないです!」



「「…(この夫婦の上下関係が分かった気がする)…」」


…モチ子と巧はアリナの恐ろしさを久しぶりに体験し、絶対にぶちギレさせないようにしようと心に誓うのであった…








ーーーーーーーー1時間後…






「んー…やっぱり、これが一番しっくりくるわ!」





「流石、アリナ様ですわ」




「あのお転婆心様がこんなにもお変わりになるだなんて」




「惚れ惚れしてしまいそうですわ…」




「お転婆って…」





モチ子はノースリーブの淡い水色の青色の花柄の表面からレースをあしらった花柄のワンピースに耳にはピンクダイヤモンドのイヤリング、靴は少し厚底の黒のパンプス…髪の毛は緩くパーマをかけ、頭の少し上の方でポニーテールをしている。




そして衣装室のカーテンを開けたら…メイドさん達がサラッと酷いことを言う…





(私…泣いていいかな…)




「それじゃあ、モチ子?木に上って遊んだりしちゃダメよ?」




「わかってる!」




「よし!それじゃあお客様が来るまでは大人しくしててね?」




そうアリナは言うと…メイドさんと一緒にモチ子の部屋を後にした





「はぁーー疲れたーー」






<大変だね?>





「んー、せっかくモンファと武術の稽古しようと思ったのに!……そう言えば、紅!あの男の子も私のことリリアンって言ってたような気がしない?」





<男の子?>





「ほら!私が紅の事助けた時!」




<ごめんね?あの時、結構弱ってたから覚えてないんだよね>





「そっか…なんか皇太子が男の子って聞いたら…あの時、踏んづけちゃった男の子がリリアンって言ってた気がするんだよね!」




<その子の連絡先は?>




「聞かなかったんだよ!…何か今度会いに行くって言ってたよ?…それに貴族みたいだったから調べるあてがあったのかなぁって」




<んー?それならまた、会えるんじゃない?>




「帝一族って知られたらいけないかなって思っちゃって…旧姓教えちゃったんだけど?」




<あー、それじゃあ調べようがないよ?帝一族位だったら情報操作がしっかりしてそうだし?>




「そっか…、でも!貴族同士だから機会があったら何処かで会えそうだから!大丈夫!」




<そうだね>





「…前世の私の事知ってるかも知れないし…ちょっと、気になってるんだよね」




<モチ子ちゃんは衝動的に走りやすいよね?>




「そうかな?」





<助けてくれた時も、迷子になってでも助けてくれたんでしょう?>





「うん!なんか、ほっとけなかった?かな!」





<…それを衝動的って言うんだよ?>





「んー、…よくわからない!」





<…まぁ、私はモチ子ちゃんはそのままで良いと思うよ?>





「うん!そうする!」



コンコン…





その時、部屋をノックする音が聞こえ紅はベッドの下に隠れる。





「どうぞ!」




「失礼します心様。皇帝陛下と皇太子様がいらっしゃいましたのでお迎えに上がりました」




「うん!」






モチ子はベッドから立つとメイドさんと一緒に一階の応接室に向かう…




応接室の前まで行くと…そこには、青色のスーツを着た巧が居た。





「おー!巧兄ちゃんスーツ似合うね!」





「一様な、モチ子は…馬子にも衣装ってやつだな」




「孫?私は妹だよ!」




「違うわ!ボケモチ子!」




「こら、二人とも?廊下で騒がないの」





その時、応接室の中からアリナが出てきてモチ子と巧に少し頬を膨らませながら現れる。





「「ごめんなさい」」





「とりあえず、皇帝陛下と皇太子様に挨拶しなさい」






アリナが再び、応接室に入ると巧とモチ子はそれに続き応接室へと入る。



応接室に入ると…スラッとしたグレー色の髪の毛をしたキリッとした眼をした男性が煌びやかな王族の衣装でそこに立っていた…皇太子は男性の影に隠れて見えない…





「初めましてか?巧君とは小さい頃に会ったが覚えていないだろう?」





「はい、私は帝一族、帝 春の次男 巧です。本日は遥々お越し頂きありがとうございます」





「こちらこそ、丁寧な言葉をありがとう…君が長女の心ちゃんだね。赤ん坊の時に一度会ったが、大きくなったね」





「…こんにちわ、心です!皆からはモチ子って呼ばれてます!」





「モチ子ちゃんか、良い愛称をもらったね。…あぁ、私の1人息子を紹介しよう。私の息子の時風だ、それとこちらは、時風のお付きの太助と与助だ」





皇帝陛下がその場を少しずれると……そこには、私があの迷子事件で遭遇した男の子と…優しくしてくれた太助と与助がそこに居た?!




太助と与助は私の姿を見た瞬間、気付いた様子で口をあんぐりと開けていたが…時風はモチ子を見る前にお辞儀をして挨拶を始める…。






「お初にお目にかかります、私は現皇帝陛下の息子、皇 時風と言います。どうか、お見知りおき…を…?!持越 心さん?!」





…そこでやっと、時風はモチ子の姿を見て驚きのあまり、モチ子が教えた名前を叫ぶ。




「あの時の男の子!」





「「「「えっ?知り合い??」」」」





モチ子と皇太子の時風の反応に皇帝陛下、春さん、アリナ、巧が声を揃えて二人を交互に見つめる…










ーーーーーそれから、モチ子と時風はこの前の…迷子事件で出会った事を話したのだ…




「もう、モチ子?木に登ったら危ないでしょう?」




「アリナ、叱る所が違うと思うよ」




「全く、何故お前はいつも人を巻き込むんだか…」




「はっはは!時風を尻に敷くとは、モチ子ちゃんは元気に育ったな」




「…面目ないです」




「…あの父上、私はモチ子さんと遊んでいれば?」




「おぉ、そうだったな。…済まないがモチ子ちゃん、私達大人で話したい事がある…その

間時風と一緒に遊んでいてくれないか?」




「はい!分かりました!」




「ありがとう、太助と与助も時風に付いて行ってくれ。…私の方は大丈夫だから」




「「かしこまりました」」




「私も部屋に?」



「…いや、巧はここに残りなさい…話したい事があるから」



巧の言葉に、春さんが居るように言うと…巧は分かりましたと言った。




「それじゃあ、私と時風は失礼します!」




「うん、ゆっくり遊んでおいで」




「はーい!時風様、行きましょう」




「あぁ」




モチ子と時風は太助と与助を連れて廊下に出ると…扉が閉まった瞬間ら、時風から…




「…何故、帝一族だと言わなかったんだ?」



「だって、帝一族だなんて言ってもビックリするかと思って!」




「……とりあえず、ゆっくりと話せる場所に行きたい」




「それじゃあ、私の部屋にしよう!」



「いいのか?寝床だろう?」




「ん?一般家庭だったら普通だよ!」



「一般?…もしかして国民は寝床に人を呼ぶのか?!」



「友達とかだったら?」



「寝床に爆弾や盗聴を仕掛けられたらどうする!危ないではないか?!」



「……時風、頭大丈夫?」




「私は頭が可笑しいのか?!」




「心様?時風様は皇帝一族です、客人は応接室か親しい人ならファミリールームにしかお通ししないのですよ」




その時太助が、モチ子にも分かりやすい様に説明をはさんでくれた…しかし…モチ子は…






「あぁ、だからか!私てっきり、頭が少し壊れちゃった人かと思ったよ!」




「「「何故そうなる?!」」」




「とりあえず、私の部屋に行こう!」




時風、太助、与助はモチ子に突っ込むが、モチ子は気にせず…モチ子は3人を連れて…自室へと戻る為に応接室から歩きだした…

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