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帰り道の握手

井上 登生。彼を好きになったのは中学一年の入学式の日。

まだ恋を知らない13歳の女の子のお話。


《第一話》

私は林田美樹。私のクラスにはとても背の高い男の子がいて、顔も良くて頭も良くて。

でも、性格が悪くて....。

井上と出会ったのは体育館。バレー部に体験入部に来た日。この学校では男女共々人数が少なく合同で練習をしていた。

入学当日でいきなり体験入部に来たのは私と井上くらいで、一緒に先輩から教えてもらってた。

「うん。二人とも結構上手だし、ちょっと二人でパスしててくれるかな?」

「「はい。」」

............。

私たちは無言でオーバーパスをしていた。

逆にドキッとした。

真剣な眼差しに、オーバーするときに髪がゆれて汗でキラキラしているーーー。

「あっ...」

彼に見とれてしまい、オーバーが乱れた。そしたら、彼の口が開いた。

「下手くそ。集中しろ。」

顔に合わないような口の悪さだった。そう、顔は良くても性格は最悪だった。

「ごめん。」

あぁ、見とれた私がバカだった...。その後は黙々とひたすらパスをしたーーー......

「じゃあ、今日はおしまいっ。僕らはまだ練習するけどあんまり暗くなると入学一日目だし心配されるかもしれないから。もう暗いし二人で帰ってね。じゃあ、お疲れさまっ!!」

「ありがとうございましたー。」「失礼しましますっ!!」

二人きりで帰りたくないなぁ...。

「はぁ..。」

「何ため息ついてんだ。さっさと帰るぞ。」

「え??あっ、はい。」

ちょうど七時前くらい。曇ってるからか、外は思ったより暗かった。

.......................。時間だけが過ぎていく。

あぁ...何を話したら良いんだろう...。

「おい。」

「えっ、なに?」

ビックリした。まさか、そっちから話しかけるとは思わなかった...。

「お前、名前なんて言うんだ??」

えっ....?同じクラスなのに?

「林田美樹。同じクラスですけどっ!!」

「知ってる...」

はぁ!?まじなんなの!?!?本当に最悪!!!

「顔に出てますよー!!」

「あっ...」

井上が笑った。

「お前、面白いな。」

顔を覗き込んできた。

「なっなによっ...。」

私は横を向いた。不覚にもドキドキする。顔が近すぎる。

「ふーん。林田か...。俺は井上登生。よろしくな。」

井上が手を出してきた。

私も手を出した。そしたら.....。

「よろしくっ!!」

笑って私の手を握った。

井上の手は暖かくて少し私より大きかった。

そして、井上の笑顔がとても可愛かった。なんでだろう。ドキドキする。

「ニヤリっ」

「えっ....??」

手に物凄い痛みが走った。私は井上の性格を忘れていた。

私は今日意地悪な井上に恋をした。しかも初恋です。


この作品は私の体験したお話です。

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