よれよれです、へろへろです
足を投げ出して、ベッドに転がって、あるいはトレーニングマシンを使いながら、彼らはモニターを見ていた。
彼らはグラディエーター、肉体戦闘に特化された存在である。
医療ポッドに入れば、極端に言えばヘルメットに守られた部分だけほり込めば、体は再生される。
だからいいじゃないか・・・
痛みは、薬をつかえば、完全に消すことができる。
だからいいじゃないか・・・
多少のことで傷つかないような肉体を持った化け物である。
だからいいじゃないか・・・
安全率99%の防具はある。
でもそれを使用すると動作が極わずかに阻害される。
痛みをあらかじめ感じなくすることはできる。
でもそれを使用すると自分の体、ゲームで言えばHPがどれだけ減っているかが分からなくなる。
だから、一流と呼ばれるものたちは、見せ掛けだけの行動を阻害しないことが優先の防具をつける。
肉体がどれだけ改造されていようと、彼らは人間である。中には壊れているのも混じってはいるが。
彼らは,遊び気分で体験とやらに来た者に 槍を投じる。
”絶対安全ならば、いいじゃないか。”
じつは多くのものが、自分の胸に突き刺さる槍を見て精神が壊れてしまうのである。
”記憶を操作すればいいじゃないか。”
”元に戻るからいいじゃないか”
これが彼らの言い分であり、コロシアムはかれらの王国である。
過激な発言を繰り返していた国防大臣が体験後、更迭されたのは、関係者だけにとって有名な話である。
全国軍が、中継を見ていたからだ。
今、彼らは、ひとりの女の子が投じられた槍に対して仲間を突き飛ばそうとするのを見た。
今、彼らは、もう一人の女の子が突き飛ばされながらも、自ら仲間をとらえた槍の射線に体を入れるのを見た。
そして何より、二人とも自力で立ち上がるのを見た。
・・・・・・・
舞とふたり、よれよれになって、控え室への廊下を歩いています。
絶対、シンが見ている。そうでなければ、私は動けなかったと思います
・・・・・・・
こわかったよ~。へろへろです~ぅ
雪と個室のドアが並んでいる広間に入るとごっつい人たちがいっぱいいました。
真ん中にいたおかっぱ頭の巨漢が進み出て・・
少しグロが入りかけましたがぶっ散らばってないですよね。
異世界で生き残りハッピーエンドを迎えようとするのにはそのための必然性がなければならないと思うのです。
話がどんどん伸びていきます。まだキャラメイクにも達していません。
雪は異世界には付いていけない予定でした。
それが、抵抗してくれるのです。
感想ありがとうございました。矛盾点等指摘していただけるとうれしいです。
初作ですので右往左往しておりますがよろしくお願いいたします。
次回、お昼をはさんで午後の部にやっと入ります。
槍を投げたのは、炎の鬼王で弟子になったあいつです。