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第21話・練習

 ずいぶん更新を休んでしまった……。

皆さん申し訳ありませんでしたm(__)m

 四時間目のLHL(ロングホームルーム)はすでに10分程たった。時間が経つにつれ痺れを切らしたやつらが段々ザワついてくる。

何もできず教壇の椅子に座り肘をつく俺と違い、春崎は目をドアに集中して、奴らが来るのを待っていた。


――本当に奴らが来るのだろうか。

俺は疑心になって思った。


 別に春崎を疑うわけではないが、あの日比谷が約束守ってここに来るなんて信じられない話だ。それも数週間前に自分がいじめの標的にしていた人間の話なんて聞くわけがない。約束なんてしてもそれをはたして守るか?


 来るわけがない。そう誰もが思っていた。それでもあいつはドアをじっと見る。


“ガララっ"


 春崎の願いが通じたのか、奴らはやってきた。

当然みんな動揺を隠さなかったが、春崎はホッとした表情をこぼしていた。




「さて、じゃあみんな揃ったところでLHRを始めます。まず今日の課題は、一週間後のクラスマッチで行う大縄跳びの並び順を決めることです。もう他のクラスは決まって練習も始まってるのでさっさと決めてしまいましょう、どの順番にしたいですか?」


「やっぱり背が高い人は中央に集めた方がいいと思うな」

「あと、あんまり体力ない子も中央の方がいいわね。ところで並び方は男女混合? それとも別?」


「今年は二列ならどんな並びでもいいらしい」


「ふーん、今年は縛り薄いね。去年は男女別でしかも背の順だったし」


「他には何かないか」


「二列なら背が同じくらいのやつと組ませないとな」

「ジャンプ力が高いやつなら端の方に置こうぜ」

「体力ない子は回し手にするのもいいわね」

「いや、実際回しても相当体力いるんじゃね?」

「うーん、じゃあ逆に体力高いのがやるか。全体見えるようになるべく背が高いやつ」


 そうして、話はとんとん拍子に進んでいった。いざ始まればこれだけ早く進むのに、困ったものだ。



     ★



 今は昼休み、僕たち二年三組は大縄用のロープを持って体育館へと向かっていた。並び順がすぐに決まったおかげで、今日の内から始めることができた。


「さあ始めましょう! ただでさえ他のクラスに遅れを取ってるんだからこの時間を有効に使いましょう」


 青嶋先生の掛け声で練習が始まった


「ねえ、他のクラスはどのくらい跳べてるの?」


「確か今一番多く跳んでるは一組の36回だと思うわ」


「多いな、勝つにはこれ以上跳ばなきゃいけないのか……」


「それじゃ行くぞー1、2、3!」


 回し手の人の合図に合わせ、僕らは一斉に跳び始めた。

……が、しかし三回くらいで誰かが縄に引っ掛かった。


「あ、ごめんあたしだ」


 あー栄倉さんか。栄倉さんの行為にどこからかドンマイという声が聞こえた。

そして二回目が始まったが、今度は一回で終わってしまった。


「麻衣花ー」


「ってあたしじゃないよっ」


「わりぃおれだ」


 彼がいうと今度は打って変って避難轟々だった。……なんだろうこの温度差?」


「よーし三回目!」


 ……おっ、今度は調子いいぞ。いけるかもしれない。

……18、19、20、よし20回まで行った! 22,23,24……あっ。


「おいおい春埼〜、せっかくいいとこいってたのに止めんなよ〜」


「……ごめんなさい、ほんと申し訳ない」

 うぅ……みんなからの視線がすごく突き刺さる。


 さっきまでに引っ掛かった人達の気持ちが痛い程わかった。



 それからまた数回やったけれど、なかなか3度目の記録を上回らない。


あ、あと僕が引っ掛かったのはそこだけでそれ以降は一度もミスってない、本当に。


「あ゛ー疲れた〜、お腹空いた―」


 栄倉さんはすでにへばっていた。ちなみにみんなまだ昼食は摂ってない。


「なーそろそろ十分だろー止めようぜ〜」


 そのままつられと他のみんなもへばっていく。


「はぁ、確かにもうつらいな、よし、次ので今日は終わりにしよう」


『おぉ〜〜〜!!!』


 その言葉を聞いた途端にみんな元気になった。……よっぽど疲れてたんだな、かという僕ももうヤバいけど。


「はいじゃあラストー、1、2、3!」



 それから次の日からも練習は続いて行った。

そして、クラスマッチの日までの時間は刻一刻と迫っていった――


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