設定資料③ エリオ・ヴェッセンの謎
エリオ・ヴェッセン。名前を消され、研究を切り取られ、存在ごとなかったことにされた研究者。彼が残した『大陸植生史概論』と森の奥のノートが、ハンナを真実へと導きました。
エリオと調査団
『大陸植生史概論』の第七章には、「複数の調査団が巨樹の幹中心部から採取したサンプル」という記述があります。エリオは孤独な天才研究者ではなく、調査団の一員でした。
この調査団は、かつて「鍵」である人間が組織したものです。意識体の支配から外れ、巨樹に疑問を持つことができるのは「鍵」だけです。その「鍵」がリーダーとなり、森に入ることができる血筋の人間たちを集めて調査団を作った。エリオを含むメンバーたちは、自分たちの存在の意味と、この世界の謎を解き明かすために、森の奥へ向かいました。
ただし、血筋だからといって巨樹の謎や自分たちの出自を最初から知っていたわけではありません。彼らもまた、「鍵」に導かれながら、手探りで真実に近づこうとしていたのです。
ハンナの父親
ハンナは父親の顔を知りません。母親は「お父さん譲りよ」と言うだけで、多くを語りません。
ハンナの父親に何があったのか。これは物語の中では明かされていませんが、可能性は二つあると考えています。
一つは、ハンナと同じく「鍵」として遺跡に呼ばれ、森の奥へ消えていったという可能性。「鍵」に選ばれた人間が遺跡に呼ばれ、消えていくのは、代々繰り返されてきたことです。
もう一つは、エリオと同じく血筋の調査団の一員だったという可能性。真実に近づきすぎて、エリオと同じ運命を辿ったのかもしれません。
いずれにしても、ハンナの父親は巨樹の謎に関わり、そしていなくなった。ハンナの薄い髪の色と青灰色の瞳は、父親から受け継いだものであり、それはこの世界の秘密と繋がる血の証でもあったのです。




