序;すべての始まり
零「この小説は煌と名乗る一種の馬鹿の下らん戯言だ」
大吾郎「まぁ、しろーとの書いた落書きだと思ってええんとちゃうか?」
ヒロ「そういう訳でこれから宜しくお願いします」
瀑布川「どうでもいいけどあんた達三人に連絡。
6/2日加筆修正しました。っと。いいわね?」
「さて、この状況が何なのかを考えてみよう」
少年の声が虚空に溶ける。
少々高めで澄んだ声だ。
ぐぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
そこに無粋な咆哮が響き入る。
「タカ君はなぜそんなに冷静なのですか?」
少年によく似た少女の声が質問をはさむ。
「だってさ、『アレ』」
タカが指し示す方向にも一人の少年の姿が。
「なんで!?なんで!?なんでみんな消えちゃうの!!!」
「…そういうことですか」
取り乱す少年…まぁ少年でいいか。
が見ているものは竜のようでいて龍のようでいて
それでいてとても禍々しい気配を放つ不気味な怪物と、
主を失った服たち。
着るべき主を失った服は見方によってはその主の墓標にも見て取れた。
「あいつは確か聖浄の釼から監視役としてきたやつの筈なんだが、
見ての通り外れかかっている。拙いな」
「ですが今はそんなことを考えている場合ではありませんよ。ほら」
二人が会話している間に、少年が消えた。
忽然と。
あたかも存在しなかったかのように。
消えた。
「……拙いな。」
「ところでノゾミ。その口調何とかならないのか?」
「なりません」
「ならないのか」
「はい」
「………」
「………」
「さて、ここでもう一度。どうしてこうなった?」
Side out
「タカ君、タカ君。起きてください」
少女が少年を揺り起こす。
「ん?う~ん。ノゾミ、どうしたんだ?」
「どうしたんだじゃありませんよ。もう会議は終わりました」
たしかに普段生徒たちがいるはずの教室には二人以外誰もいない。
だが、ノゾミの顔は僅かに笑みを浮かべていた。
「そうか。で、今日の任務はどうなったんだ」
「このあとすぐに街へでて、『寓話』の殲滅です」
ノゾミは顔を引き締めて説明に移る。
「寓話?ついこの間出たばかりで、
次の出現はまだ1ヶ月ぐらい後じゃないのか?」
「それが何かおかしいんですよ。
そもそも寓話とは伝承・都市伝説の類が顕在化したもので、
街中の人が認知するのには時間がかかるはずなんです。
ですが今回はだれもそれを知らないにもかかわらず
顕在化しているんです。」
少し顔をしかめながら説明すると、タカは
「確かに変だな。だれかしら噂の元がありそれが広まることで
出現するのに噂そのものがない?…まぁいいだろ。
それを考えるのはReiやAkiraの仕事だ」
軽く自分に確認するかのようにつぶやくと徐に立ち上がった。
「では行きましょう。今回はおそらく『神隠し』の類だと思いますから
DAIGOが先に向かっています」
「そうだな!じゃぁ出発だ!」
Side out
「というわけでここに至るんだ」
回想終了。
「なにがという訳なのですか?
というよりもここはまだ情報が足りませんよ?
と言っておきます」
「すれすれな発言は駄目だぞ、ノゾミ」
いろいろと危ないからな。
「さて、そろそろ真面目にやって頂きたいのですが」
でないと結界が破れてしまいます。
そう我が妹であり姉であるところのノゾミは続ける。
「たしかに、真面目にやらないとな」
回想に入ったあたりで張った簡易結界に
あの怪物が体当たりする音がさっきから響いているのは
わかっていた。
………ただ考えないようにしていただけで。