表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/231

凄い悲鳴

「近付いてくるわけじゃなく、離れてないか?」


 ゴブリンの姿は明確になるのではなく、暗闇の中に消えていく。それは距離が離れているからだろう。


 だが、襲い掛からない理由が分からない。俺一人しかおらず、一対一の形だ。コアキーパーから逃げるのとは全然違う。


 違和感はそれだけじゃない。


 ゴブリンが離れる際、後ろを向く事はせず、俺の方を向いたままだった。


 こんな狭く、暗い道を後ろ歩きで進むなんて、ゴブリンもそこまで馬鹿ではないはず。


「……ゴブリンじゃないのか?」


 俺は二つの考えが思い浮かんだ。


 一つは一度考えた寄生型の異形。ゴブリンの体を乗っ取り、動きがおかしくなっている。


 二つ目。ゴブリンの死体を別の異形が運んでいる。俺とゴブリンの目が合ったのは、その異形の高さもゴブリンに加わったからだ。


「運んでいるのを確認するなら、下を明るくするべきだな」


 足元を照らせば、死体を運ぶ異形がいるのかを確認出来る。


 勿論、前で引っ張っている可能性もある。ゴブリンが壁になって、俺の姿を隠している事もありえるからだ。


「どうする。奴の後ろをついていくか。近道を抜けた時にでも【黒猫】を呼んだ方がいいのかもしれない」


 今なお、ゴブリンは俺から離れていく。攻撃を仕掛けるつもりはないらしい。


 俺も足早になれば、一定の距離を保つ事が可能だ。近寄り過ぎると、相手も流石に気付くだろう。


 正体を知りたい気持ちはあるが、【黒猫】達と合流時の方が安全だ。


「ぎゃあああ!!」


 そう思ったのも束の間。【廃坑】内に悲鳴が響き渡る。


 それは男じゃなく、女性の悲鳴だ。救助者が異形に見つかったわけじゃない。


【黒猫】かネスティスのどちらかの悲鳴。


 多分だが、【黒猫】だ。あんな悲鳴をネスティスが出すイメージがない。


 その悲鳴に驚いたのか。もしくは、そこに向かうつもりなのか。謎のゴブリンの移動速度が上がった。


 それと同時にゴブリンの顔や手、体が動き始めただけでなく、叫びでの【威嚇】を発生された。


 俺は不意を突かれ、動きを鈍らされた。相手が速度を上げただけじゃなく、【威嚇】されたとなると、追いつく事は無理だ。


 予想外なのは、ゴブリンが動いた事だ。しかも、【威嚇】を使用したのに、俺へ攻撃する事なく、逃げる事を優先した。


【黒猫】とネスティスがいる場所に向かうためなのか。聞こえたのは女性の叫び声であって、異形が仲間を呼び寄せる声は聞こえてないはずだが。


 ここはあの謎ゴブリンを行かせないためにも、手元にある小型ランタンを投げて、こちらに意識を向けさせるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ