五番
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「はぁ……異界や異形の進化は面白いけど、自分の身に降りかかるのは面倒だな。コアを破壊するだけで、BOSSを回避する方法を取りたいけど……確実に追い掛けて来るし」
俺は【殺戮】の作った近道に入り、【黒猫】とネスティスとは別行動に。不謹慎な事を言ってるが、異界オタクとしては、はしゃぎたい気持ちもある。それ以上に面倒臭いという気持ちが……一人になったから言える事だ。
分岐点から近道まで、ほんの数分。【ライト】のお陰で簡単に見つけられた。ランタンの明かりだけだと発見し辛い場所だ。
近道の幅は細見の俺でギリギリ。【黒猫】やネスティスも入れるが、コング兄弟達は厳しい。無理に入れば、敵に襲われたら何も出来ずに倒されてしまうだろう。
「ここに無さそうだが、アレが相手だとヤバい。出来れば、アッチであって欲しいんだが」
【黒猫】達と別行動を取る前に情報を一つは入手している。天井の高さの変化があったが、下にヒントが残されていた。
地面が濡れていた。しかも、少しヌメヌメしていて、思わず転けそうになってしまった。そうなったのは俺だけだが。
異形、コアキーパーが移動時に付着されたのだろう。そのヌメヌメはコアまで続いてる感じがあったが、近道までは流石に及んでいなかったようだ。
「天井にはなかったし、垂れ落ちる事もなかったから大丈夫だと思いたい」
天井を崩したのがアレなら、ヌメヌメが上にもありそうなものだが、それはなかった。横の壁にも形跡はなし。
曲がり角にはあるかもしれないが、そこは【黒猫】とネスティスに調べて貰うしかない。
「【黒猫】がゴブリンの死体でも発見出来たら、違うと確定するところだけど……」
俺は使い捨ての小型ランタンで近道を照らしながら、進む。銀の箱のに「五番」と指示すると、手元に出現。
【廃坑】のランタンの明かりみたいに永続ではなく、一時間が限界。自身で消す事も可能だが、そこで終わりになってしまう。
近道にランタンがあるわけがなく、暗闇状態が続く。いや、両奥に微かな明かりがある。通常の道にあるランタンだ。先を教えるだけではあるが……
「そろそろ一度目の合流地点だな。救助者の姿はなしか」
近道と回り道での最初の合流地点。そこまでの距離ではないが、新たな情報は欲しいところだ。
【黒猫】とネスティスよりも先に合流地点に着きそうだ。
あっちも調べながら進んでいるのだから、無理はないだろう。【黒猫】の【ライト】による明かりが届いていない。
彼女もアレが相手では、今のメンバーだと手を焼くは分かっているからだ。少しでも可能性を消したい気持ちだろう。
スライムがコアキーパーという可能性を。




