別行動
「途中までよ。【ライト】を使用すれば、【気配遮断】に影響するから。【剣刃】で先制を狙うなら、そちらの方が必要よね」
「その判断は【黒猫】に任せる。【ライト】を使用中でも、【気配感知】は出来るはずだ」
暗闇の場で明かりが強くなれば、誰かの仕業と思うのは当然。その警戒心が【気配遮断】の効果は薄くする。
【気配感知】の距離と【ライト】で届く明かりの広さは、【黒猫】にしか分からない。
【ライト】の光に異形が呼び寄せられる事もある。異形の数もそうだが、大きさも判別が付かない。
コアがある場所は広いが、そこまでの道は段々と狭まってくる。集団戦には向かなく、敵を呼び寄せたくはないだろう。
「人使いが荒いわね……当然でしょ。他にあるとか言わないでしょうね」
「大丈夫……と言いたいところだが、【殺戮】が作った道も見つけたい。俺もMAPを見ながら確認してみる」
分岐点の先。コアのある場所までの近道を【殺戮】が作っているのが、映像に残されている。それは一人が通れる程の幅しかないわけだが。
「コング兄弟達は通らない……通れないでしょ。狭くて、逃げ場が無くなるわ。それは貴方も分かってたでしょ」
「隠れる事は出来るだろ? ゴブリン達はその近道に気付いてない。隠し通路みたいに見にくくなっているんだろうな。そうでなかったら、ゴブリン達も使っているはずだ」
ゴブリン達があの勢いで逃げていたのなら、【殺戮】が作った道は使えない。使っていたとしたら、あの勢いだと体に損傷があってもおかしくはない。
「なるほどね。見る価値はあるわ。生存者がいたら、情報を得られるわけだし」
コング兄弟達が進む時には近道を使わなかったとしても、逃げる時、ドンドンが依頼者を逃がすためには使わせるはずだ。
その近道で救助を待っている可能性はある。
「見つけた場合、俺がその近道を確認に行く。二人は普通に進んでくれると助かる。両方調べておくべきだからな」
「私じゃなくて、貴方が行くわけ? 単独で戦闘になったら、どうしようもないでしょ」
単独行動する事に関しては、盗賊である【黒猫】の方が良い。
「ネスティスの安全を考慮すると、【黒猫】が残った方がいい。俺も一人になった時用の道具は持ってきてる。【殺戮】の映像を思い出してみると、途中途中で合流は出来るはずだ」
【殺戮】は真っ直ぐの道を作っただけで、渦のような道だと、途中で繋がる事になる。
ネスティスと【黒猫】の移動速度を考えると、俺が近道を進むのとで、丁度良い感じに合流する事になると思う。
「救助者の食料や傷薬も俺が持っているからな。その時は【黒猫】のMPも温存出来る。後は歩く速度だな」
【黒猫】が選んだのは【キュア】。怪我の治療ではなく、体力の回復。
俺はポーションと傷薬も両方持っているので、コング兄弟ではなく、依頼者だとしても対応は可能だ。




