スキル制限
「……うん。気を引き締め直します。コア破壊までになったら……」
「流石に知ってるわね。コアキーパー……それを守るBOSSがいるわ。しかも、進化している以上、前回とは違ってるはずよ」
ネスティスが両頬を叩き、気合を入れ直した。
異界のコア破壊。異界の最奥にあるだけでなく、それを守るコアキーパーがいる。素直に破壊するのを許すわけがない。
コング兄弟達の救助だけであれば、放置して一度戻る事も可能だったが……
前回、【殺戮】一人で攻略したとはいえ、その時は【廃坑】のレベルは3。彼女の圧倒的な火力、攻撃力があれば問題なかっただろう。
今回はレベル3以上で、攻撃力が足りるかどうか。
「進化がレベル4止まりなのを期待しておこう。広さだけで十分だから」
異界のレベルも様々な理由がある。異形の強さや種類の多さ。広さもそうだが、それに合わせた罠の数等も厄介だ。
一番楽な進化は異界の拡大のみだった場合。それだとレベルを一段階上げるだけで済む。
「……それはないわ。レベル5は確定よ」
【黒猫】は【廃坑】を見てないのに答える。
【廃坑】までの距離が縮まった事で、彼女の証が起動したようだ。
「というか!! 先に教えておきないよ。起動してたら、分かる事なんじゃないの?」
「何がだ?」
「何がって……スキル選択よ。【廃坑】の中はスキルを五つに制限されるようになってるから。異界探索においては重要な事でしょ」
「スキルが制限される時があるんですか!!」
「そうよ。それには魔法も含まれるわよ。救いなのはパッシブは含まれない事ね」
ネスティスの魔法を含めたスキルは【剣刃】【身のこなし】【アイスブレス】の三つ。【身のこなし】はパッシブになるから、彼女に関しては問題ない。
だが、【黒猫】の場合は違ってくる。彼女のスキルは多く、回復魔法は絶対に入れないと駄目。
【気配遮断】も俺達に使う場合は、制限に入れる必要がある。
【黒猫】は補助スキルだけで、五つのスキルが埋まってしまう。攻撃スキルが少ない状況になるわけだ。
「証が進化した事で、先に知らせてくれるようになるのよ。そして、選べるようになる。中に入る前じゃないと勝手に決められるから。一度出ればいいけど、途中で変更は無理だから」
ランクの高い異界に初挑戦する時、全員がこれに驚かされる。高ランクハンターになるためには通る道ではある。
とはいえ、俺には関係ない事なんだが。【閲覧】や【開眼】もそうだが、使い続けた事でパッシブ化してる。
「悪い悪い。なんせ、俺のスキルは五つしかなく、気にする必要はなかったから」
他にも理由はあるが、それは今のところは黙っておく。
「……アンタの職業を忘れてたわ。そんなので良く生き残れたわよ。【無法者】様々ね。……パッシブスキルに何かあるのか」
【黒猫】最後にボソッと口にした言葉は、【道化師】の能力を見定めようとしてる感じだ。




