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「地図……MAPが機能するのは異界内。証が映像を映す場所だけ。異界まで……境界線がある場所までは自身で記すか、記憶しないと駄目だから」


 異界内は銀の箱が記録するが、異界に行くまでの道筋は自身で覚えるしかない。


「規模が大きい場所とかは、異界になる前の地図で確認をする事は出来るぞ。発見しにくい場所にある時もあるからな」


 ハンターが地図を作成して、売ってる場合もあるが、それを使うハンターはランクが低いままだ。


「ここから入るのが近道よね」


「そうだな。見逃す事はしないよな」


【黒猫】は【廃坑】に数度行ってる事で近道を覚えているようだ。


 異界が進化して、ここまで範囲を拡大しているのなら、話は別だが、そこまでは達してない。


「あっ!! 草むらが倒れている。そこから誰かが入って行ったって事ですか?」


【廃坑】までは森の中を移動する必要がある。元鉱山ともあって、人が進む道は出来てはいるが、それが近道になるとは限らない。


 大勢で進む必要があり、物を運ぶ必要があるからだ。


 少人数で、物も少なければ、近道出来る場所がある。


 それをハンター達は見つけて、利用する。何度も使用する事で、近道が分かりやすくなっていく。


 今回、コング兄弟が使用した事で、草むらだけでなく、小枝も折られたりしていた。


 コング兄弟の大きさもあるが、依頼者のハンターを移動しやすくするためだろう。


「そういう事だ。ハンター以外は異界付近に近寄る事はしないからな。使うかどうかは、ハンター次第だ。今回は【黒猫】もいるからな」


「今回は私達がいるからで、ソロだと止めた方がいいわね。ハンターも色んな奴がいるから」


 ハンター全てが善良じゃない。こういう場所に罠を仕掛ける奴もいる。


 今回は【黒猫】の【危険察知】があり、前回移動したのがコング兄弟と依頼者であるなら、それはないと俺と【黒猫】は考えたわけだ。


「少し傾斜が強くなるから、気を付けて。嫌かもしれないけど、踏み外しても【道化師】をクッションにすればいいから」


「そこは大丈夫です。こんなのへっちゃらです。職人区に繋がる階段で走り込みをしてますから。足腰には自信があります」


「マジか……それは凄いな」


 俺は一回ダッシュしただけで、次の日には筋肉痛で悩まされたのに。この傾斜も久し振りだと、足に来る。休憩はやっぱり必要だぞ。


「貴方が勇者の足を引っ張るのはなしだからね。弱音を吐かないように」


【黒猫】が俺の心を読んだかのように、ツッコミを入れてくる。


「久し振りの異界探索なんだから、大目に見てくれ」


「まだ異界にも入ってないんだから、大目も何もないでしょ」


 それはそう!! 耐性付きがあろうと、速度上げる靴があっても、体力が増えるわけじゃないからな。


 三十分後……


【廃坑】まで半分過ぎた辺りか?


 足の負担がヤバい。舗装された場所じゃないから、高さや幅も広さ、地面の硬さも違ってる。大きな木の棒があったら、杖として使いたい気持ちになってる。


 しかも、少しずつだけど、ネスティス達と距離が出来てきてる。


【黒猫】のペースで移動してるから、俺に対する配慮はなし。ネスティスも普通について行けてるし。


【黒猫】も異界探索をしてなかったはずなのに、体力があり過ぎじゃないか?

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