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正論パンチ

「私が受けたのは協会本部からの依頼で、【廃坑】での人命救助だよ。私自身が選んだわけじゃないからね」


「ほ、本部から!? それも【廃坑】で人命救助!?」


 そこまでは盗み聞き出来てなかったらしい。いや……彼女の姿を見て、急いで着替えてきたのか?


 ラーンの驚き様だと後者の可能性が出てきたな。【廃坑】はレベル3でも難所とされている異界だ。ランク3になりそうだとしても、今の彼が挑むには厳しいはずだ。


「最初の異界がレベル3!! おかしいだろ。危険過ぎる……という事は、コイツのハンターランクは僕よりも上!? こんな奴が!?」


 ネスティスが異界探索が初なのは知っていてもおかしくはないか。初回が放送されるのは間違いないだろうし。


 レベル3の異界に行くとなると、自分よりもランクが上だと自覚したようだ。


 実際は彼よりも下なんだけど……それを言うとおかしな話になるから止めておく。


「問題はそこじゃないぞ。依頼内容を知らなくてもだ!! 依頼にも期限がある。それに異界に向かうハンターの時間を奪うだけじゃなく、体力を減らしてどうするつもりだ? 異界が危険なのは分かってるだろ」


「うっ……ううっ……」


 ラーンは何も言い返せない。正論でタコ殴りにしたからな。普通の戦闘では勝てないが、口喧嘩なら勝てるぞ。


「はぁ……分かったでしょ。ラーン君が行くのは無理なんだよ。勝負するのも結果は明らかなんだから」


 ネスティスは彼に忠告するも、それは悪手だろ。格好悪いところを見せてしまっただけじゃなく、呆れられたわけだ。


 多分、ラーンは彼女に好意を寄せてる気がする。でなければ、俺に喧嘩を売ってくる事はなかったはず。


 ネスティス本人はそれに気付いてないようだが、彼に興味がないんだろう。


「ここまで来たら引き下げれないぞ!!」


 ラーンは自身を奮い立たせるように大声を出す。後には引けない気持ちは分かる。


 けど、そのせいで周囲の視線が集まり始めているんだが。


 しかも、見るからに怪しい人物は俺になるんじゃないか? 下手したら協会に通報される事も。


 彼はそんな事まで頭が回ってない。一体どうすれば……


「僕もコイツと一緒にガっ……」


 ラーンは急に白目になり、最後まで言葉を言い切る事が出来なかった。


 死んだ……わけじゃなく、意識を失ったようだ。


「これ以上、面倒な事を増やさないで欲しいんだけど」


 彼が倒れた後ろには黒狐の面を着けた女性が立っていた。それに加えて、黒のサバイバルジャケットとパンツ。複数のナイフも装着している。


 彼女がラーンの背後に回り、首に手刀を打ち込んだ。その一撃で彼は昏倒したわけだ。


 俺達に向けた台詞からして、考えられるのは一つ。


 彼女は【黒猫】。【黒猫】が変装した姿だ。それは良いんだけど、マスク被りは止めて欲しい。【黒猫】も爺さんから受け取ったわけじゃないよな?

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