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バーンではなく……

「あの……誰ですか? この人は……」


 ネスティスが【道化師】と口に出しそうなのを阻止するため、シー!!と 指を黒狐面の口部分と押し当てた。


 彼女がそのジェスチャーに気付いてくれた事で、難を逃れる事が出来たわけだが……その姿をラーンに見られたかというと……


「なっ!?」


 彼は俺を見ず、ネスティスの方を向き、ショックを受けている。魔法使いが着る服装をしているわけだから、予想はつきそうなものだが……本当に知らない可能性もあるのか?


「彼の服装からして、魔法使いじゃないのか? 魔法ギルドで習った時にでも会ったとか」


 あまりに可哀想で、怪しい奴扱いされながらも、彼のフォローを入れてしまったぞ。


「……分かりました!! ギルドの制服を着てないし、雰囲気が全然違うから」


 ネスティスも彼の事を思い出したようだ。確かに異界探索時、ギルドにいる時では服装もそうだが、雰囲気も変わる。危険な場所に行くわけだから、当然か。


「私に勝負を挑んできた……バーン君だよね?」


「ラーンだ!! 一文字間違ってるからな」


 彼はすぐさまツッコミを入れた。名前を間違えられたら、そこを注意するのは当たり前だな。


「勝負? 魔法ギルドで模擬戦でもしたのか?」


 ギルド内で模擬戦をする事があるのは知っている。ハンター同士の戦闘は禁止されているが、ギルド内の模擬戦や、協会によるイベントのみOKされている。


「はい。魔法ギルドに参加して、すぐです。私はまだ魔法が使えない状態で、どこまで出来るのかを確認するためらしくて」


 他流試合みたいな感じになったわけか。その時にはネスティスも【剣刃】と【身のこなし】を習得している。他にもスピードは低ランクのハンターよりも断然上だ。


「勝負は私が勝ちました。魔法を使う前に叩けば問題ないかと思って」


 そうなるだろうな。ランク2だと魔法を放つための詠唱速度が全然足りない。基本、魔法使いは前衛がいて、後方からの攻撃がメイン。


 魔法使い単独で行動出来る【殺戮】がおかしいだけだ。


「確かに僕はネスティスに負けた。彼女は勇者なんだと素直に思った。そんな彼女が異界に行こうとしている。僕はパーティーとなって、見届けたい。魔法を覚えて、使えるのは分かったはず。足手まといにはならない。こんな見るからに弱そうで、怪しい奴なんかよりは、僕を選んだ方がいい」


 ラーンは最初はゆっくりと話していたが、ヒートアップしたかのように早口でネスティスにアピールしてくる。


 単に俺を貶してるだけかもしれないが……彼は間違った事を言ってるわけじゃない。


 俺は貧相だし、怪しい服装でもある。その上、武器の一つも持ってないからな。


 後、ついさっき存在を思い出した奴に異界に行く事を教えるだろうか。いや、教えないだろ。


 今のネスティスの姿を見れば判断出来るけど、盗み聞きしたのが濃厚か。


 それを彼女に伝えてもいいんだが……


「ど!! ……この人を馬鹿にしないで。勇者よりも凄い人なんだよ。ラーン君なんて足元にも及ばないんだから!!」


 ネスティスは【無法者】のファンだから、【道化師】が馬鹿にされた事を許さないよな。

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