表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/230

俺の勲章

「……ああっ!! なるほど……そういう事か。よく見ているな。確かにそれは俺だけかもしれない。勿論、外すつもりもないが」


 ネスティスが俺に手を見せた意味が分かった。


 爺さんが持ってきた装備を身に着けてはいるが、【道化師】が本来着けているのもある。


 それは指輪だ。手の指十本に指輪を嵌めている。貴族のように変装するためではなく、【道化師】として必要だからだ。


 指輪には耐性が付与されている。属性から状態異常までが全て揃っている。


 それがないとまともな装備が出来ない【道化師】が高ランクの異界に挑む事なんて以ての外だからな。


 爺さんもそれを新しく用意するのは無理らしい。耐性を付与するための魔力を【死天使】に頼んでいたのもある。だったら、そこだけは昔の装備を使うしかない……というわけだ。


 常に身に着けてるわけじゃなく、異界に行く時だけ。映像に映っても、じっくり手元まで見る奴なんているのか? と疑いたいけど、目の前にいたわけだ。


 確かに全部の指に指輪を嵌めるのは特徴的ではある。それが出来るのも【道化師】……俺だけだ。


 何の効果もない指輪なら可能だが、耐性付きの指輪。勿論、耐性を得るのだから、体に影響はある。属性は相反する物もあり、全属性耐性を付けるのは体の負担が膨大になる。それに加えて、状態異常もだ。


 それを俺は体が慣れるように一つ一つ耐えに耐えていった。そうでもしないと、まともな防御が出来ないからだ。


 だから、この指輪は俺の勲章でもある。


 まぁ……慣れたといえ、指輪なしで耐性があるのかといえば、全くないままなんだが……


「君が【無法者】のファンなのは認めるよ。そこまで好かれるようなパーティーじゃないんだが……以前に俺と直接会った事があるのか?」


 レイニーとしてじゃなく、【道化師】として、ストレートに聞いてみる事にした。本人を目の前にして、流石に言うんじゃないか?


 次に会う機会があるのか、分からないわけだし。実際は機会はいくらでもあるわけだが……


「それは」


「おい!! そこの見るからに怪しい奴。彼女から離れろ。お前みたいな奴がナンパするような相手じゃないぞ」


 ネスティスの言葉に被せるように、俺と彼女の間に誰かが割って入ってきた。それも俺からネスティスを守るように杖を突き出し、後ろに押しやってくる。


 その人物は先程ネスティスに無視されたラーン少年だ。無視された事による硬直が解けて、俺達に近寄ってきたわけだ。


 俺が無理に彼女の手を引いたところも見た可能性もある。


 それに俺の声が部分的に聞こえていたとしたら、以前に会った事があるとか、ナンパと勘違いしてしまったのか?


 見た目の怪しさに関しては、俺は何も言い返す事が出来ない。俺自身も少し思ってるぐらいだ。だとしても、所長が用意しようとした服よりかはましだからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ