表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/236

黒狐のマスク


「はぁ……ここまで足取りが重くなるもんだな。【疾風のブーツ】を履いたはずなんだけど」


 俺と爺さんは協会を出て、誰にも見られないよう、路地裏で装備を受け取った。


 協会の中、相談室で受け取ると怪しむ奴が一人いるからな。絶対に袋の中を覗こうとすると思う。


 それに長居すれば、所長の呼び出しがあるかもしれない。


 爺さんからの領収書の件だ。結構な値段で文句を言われ、給料から天引きされる可能性がある。


 だとすれば、依頼を無事に片付ける事で大目に見て貰うのが一番良いはずだ。


「久し振りの異界入りは嫌なのか。【道化師】として、ネスティスに会うのが嫌なのか」


 俺は自問自答する。両方なのは間違いないが、後者の方が強めだな。正体がバレる可能性もあれば、期待外れと思われてもおかしくはない。


「だが、【道化師】と会った反応も気になるんだよな」


 彼女が【道化師】と会った時、どういう出会いをしたのか話をしてくれるとありがたいが……反面、逆に尋ねられたから……と不安もある。


 普通に覚えてないと言えばいんだが、相談役として、【無法者】に対する熱量を知ってるわけだから、気まずくなってしまう。そこは俺が演技するしかないわけなんだが。


「まぁ……まずはこの姿で【道化師】だと分かってもらえるところからか」


 ネスティスの異界映像の中で【道化師】と【黒猫】は他のハンターに正体がバレないようにしなければならない。


 そのために変装は必須で、いつもとは違った服装をしているわけだ。


 トレードマークのマスクもなければ、【無法者】メンバーだと示すドクロの紋章もない。


 今回、爺さんが用意したのは【疾風のブーツ】。これは俺が愛用している装備で、速さを上昇させるだけの靴。


 これでメンバーの普通の移動に追いつけるぐらいになる。走られるとその時点で結構ヤバい。体力が削られてしまう。


 その時は【犠牲】が側で守ってくれるので安心ではあったから。


 次に貴族の着るような燕尾服で、黒で派手さを抑えめにされている。それとマント。ネスティスと同じ効果で、色違いではある。


 いつもはボロボロの協会の制服に似た服を着ているんだが、正体がバレないようにするため。


 身分さえも勘違いさせようとの徹底ぶり。


 勿論、マスクはする。普段は目と鼻の箇所に穴が開いただけの銀のマスクを付けているんだが、今回は黒狐のマスク。鼻と口部分が少し出ていて、耳も備え付けられている。


【黒猫】は職業が盗賊であり、【危険察知】も所持しているが、念には念を。


 スキルを使用しなくても、嗅覚と聴覚の感度を良くする効果があるらしい。


 ただし、強烈な臭いや音が襲ってきた場合、ダメージを受ける可能性があるのがデメリットになる。


 当然、本来のマスク同様、この黒狐面には俺だとバレないように変声機も付けられている。


 ネスティスがこの姿で【道化師】だと分かるわけがない。それは【黒猫】も同じ。


 互いにいつもと違う姿をしなけれはならない事で、警戒し合う可能性もある。


 そういえば……所長はネスティスに【道化師】と【黒猫】がいつもとは違う格好で来るとは伝えてないような……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ