ドクロ
「何故だ? 二つ名はまだ無理だろうが、証は作るのは問題ないと思うぞ。マント自体がいらないのか?」
「マントは欲しいです!! おじいちゃんが私のために用意してくれたから。ただ……私は自分の証とか、トレードマークは【無法者】メンバーになってからの方がいいです。マントに刻むのは【無法者】のマークが……」
ハンターにトレードマークがあるように、パーティーにも名前だけじゃなく、専用の紋章がある。当然、【無法者】にもあるんだが……そこまで良い物じゃない。むしろ、恥ずかしいと俺は思ってるぐらいだ。
その紋章はドクロ。ドクロに羽が二つ。中心に剣が突き刺さった形になっている。
この紋章になったのも、【無法者】のメンバーの二つ名が、死に近いのが多いから。
決めたのは【死天使】と【卑怯】の二人。そのせいで、ドクロに剣と羽が付けられているわけだが……
「そうか。物好きもいたもんだ……というのは、嬢ちゃんに失礼か。そこまで【無法者】にこだわる理由はなんだ? アイツ等はまともなパーティーじゃないぞ」
それは爺さんの言う通りではあるんだが……二人して、俺をチラ見しないでくれ。いや……俺が職員側の席にいるせいだな。
俺もネスティスが【無法者】に執着する理由を知らない。それを教えてもくれない。爺さんがOKだったら、それはそれで悲しいんだが……
「内緒です。師匠にも言ってませんから。【無法者】メンバーになれたら、おじいちゃんにも教えてあげます。……【道化師】様なら分かるかもしれないですね。勿論、直接本人に聞く事はしないです。今回の目的を優先しないと、【道化師】様もそう言うと思うから」
爺さんにも内緒にするのは良かったんだが……ネスティスの返答に思わず変顔を晒しそうになってしまった。
ネスティスは俺=【道化師】だと思ってなさそうだ。怪しんでる感じはあったけど、師匠には言ってないと言ってるからな。
となると、おかしな話が一つ出てくる。
【道化師】はネスティスの事を知ってるらしい……って!! 俺だよ!!
俺は彼女の事は知らない。相談室で会ったのが初めてのはず。
【無法者】メンバーの誰かと【道化師】の名前を間違っているのか。はたまた、【道化師】の偽者がいたのかだな。
可能性があるのは前者。偽者がいたとして、【無法者】と行動してないとバレる気がする。
偽者が出現したなんて、耳に入りそうなもんだ。嫌われ物の【道化師】になりすます理由もない。
そんな奴がいたら、下手すれば……確実に【卑怯】に全……半分殺されている。
「それは……【無法者】メンバーの誰かと【道化師】とで勘違いしているんじゃないか?」
ネスティスにバレる可能性もありながらも、恐る恐る聞いてみる。
「それはないですよ。全員の姿は覚えてるんだから。顔を隠してるのは【道化師】様と【犠牲】様だけで、体格も全然違いますよ」
……確かにそうだ。あの特徴的なメンバーの中で間違うはずがないんだよな。




