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支払いは協会で

「ジジさんから話は聞いた。お前が装備関連で頼むとしたら、彼しかいないからな。それも交渉を成功させるとは」


 所長は呆れた顔で俺を見た後、ホッとした顔に変わった。所長も爺さんの腕を知ってるからこそ、安心したんだろう。


「コイツじゃなく、俺が嬢ちゃんを気にいったからだ。嬢ちゃんは他の勇者達とは違って、力に溺れてない。ちゃんと礼儀もなってるからな」


「そうなのか? 他の勇者が……それは初耳だな。けど、納得はするかも」


 装備に関しては俺の頼んだ事もあるけど、爺さんがネスティスの事を気にいったのが一番大きいだろう。


 それは置いとくとして、他の勇者が爺さんを訪ねて来てた事が驚きだ。帝国にはネスティス以外に勇者は二人いる。


 爺さんの腕を知っているなら、仕事を頼んでいてもおかしくはない。


 だが、爺さんからすれば、勇者やそのパーティーの態度が気にいらなかったのだろうな。


 俺も他の勇者達の事はハンターオタクとして知っているが、俺もそこまで好きなタイプじゃない。


 勇者というだけで、我侭が過ぎるというか……パーティーメンバーが可哀想というか……


【無法者】も人の事は言えないかもしれないが……


「そもそも、お前が会いに来なかっただけだろうが。アイツ等の事よりも、嬢ちゃんの件だ」


 爺さんは所長の前にネスティスの装備が入った袋を前に出す。所長から彼女に渡せというわけじゃない。爺さんも直接渡したいはず。でなければ、協会に出向くはずもないからな。下手すれば、俺に取りに来いと言うはずだ。


「これは嬢ちゃんに用意した装備なんだが、支払いは協会がしてくれるんだろ? 勿論、今じゃなくても、後からでもいい。強制的にやらせる依頼なんだろ? これぐらいは用意してやらないとな」


 爺さんは領収書も出してきた。本部がネスティスに出した依頼に腹を立ててたからな。


 勇者特権でハンターとして優遇されていたとしても、最初に行かせる異界じゃない。しかも、女子なら尚更の場所だ。それなりの用意はしてやるべきだと。


「勿論だ。今回に関してはこちらが悪い。依頼もそうだが、準備期間が短い。こちらでやれる事は全てするさ」


 所長もそのつもりではいる。元トップハンターであり、現場の事も分かっている。イズン支部が……所長の金でどうにかするかもしれないが。


 本部からは何もないと、ネスティス自身が言ってからな。


「……お前に言うのもお門違いになるんだろうが。本部の奴等にも言えるぐらいになれよ」


 そこは爺さんも分かっていて、所長に対してではなく、ジェフ相手に言ってるようだ。


「分かってる。その領収書も受け取っておくよ」


 これも協会の開店前で良かった。他のハンターの耳に入ったら、勇者に対する偏見が出てくる。


 職員も余計な情報をハンターに流さないはず。


 今回、勇者が行く異界を知れば、余計にだ。受付嬢達なら尚更だと思うぞ。


「……ちょっと待った。この金額は流石に多すぎないか」


 爺さんが提示した金額に、所長の目が飛び出し、顎が外れそうな雰囲気になってる。


 それを俺が払わなくなくて、ホッとしている。


「【道化師】の装備も含まれているからか。それに関しては本人に言ってくれ」


 爺さんはニヤッと笑っているが、俺は所長の顔が見れなくなってる。


 俺に無理難題を押し付けたんだから、勇者だけじゃなく、俺にも変装用装備の金を出して貰ってもいいだろ。

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