効果抜群だ!!
「だ、大丈夫だ。【廃坑】のゴブリン相手には通じると思うぞ。しゅ、集団戦でもゆ、有効だろうな。も、勿論、え、詠唱をするためのきょ、きょ、協力はしてもらわないと……駄目だ!!」
「駄目なところがあったんですか!! 詠唱がゆっくりだったとか、魔力が最後まで溜まりきれてなかったとか……悪かったところを教えてください!!」
ネスティスに悪気はなく、純粋に駄目なところを教えて欲しいようだ。真っ直ぐこちらを見るのはいいが、こっちの状態を確認してくれ。
「嬢ちゃんの悪いところは一直線なところだな。長所でもあり、短所にもなる。魔法に悪いところはなかったさ」
爺さんは俺が着ている制服の襟を掴み、引き摺っていく。
「コイツは寒さにやられてるんだよ。話す前に温もりたい。俺が暖を用意すると言ったのは、そういう事だ」
俺はネスティスの【アイスブレス】にやられて、寒さで体がブルブルと震えて、まともに喋れなくなってきてる。
魔法が消えても、体が鈍くなるのは継続される。鈍くなるタイミングもそれぞれだ。
俺はネスティスを不安にさせまいと、首をコクコクと動かした。
「コイツも頷いているだろ。強化するまでもないって事だ。嬢ちゃんの装備は近接向けにするぞ。攻撃か防御にするかは、コイツの意見も取り入れる。勿論、優先しなければいけないのは、嬢ちゃんの言葉だが」
「そこは師匠とおじいちゃんを信じてます!! さっきの検査で格好悪いところを見せたのもあるけど、ちゃんと私の事を分かってる感じがしました」
彼女自身、自分の力を分かってない。最初はそんなものだ。それに異界の情報もない状態でもあるわけだしな。
「……次は嬢ちゃんの要望通りに作ってやるからな。異界で自分に合ったやり方を早く見つけろよ」
爺さんはそこのところは厳しいからな。それをネスティスに言うだけ、認められている証拠だから。
「分かりました!! 師匠と共に見つけます」
そこは『自分だけで見つけろ』と言いたいところだが、今だと噛み噛みになって、恥をかきそうだ。
「出発は明日の昼か……なら、朝に協会まで持って行ってやるよ。今日は工房で回復した後、家に帰るなりして、体を休めとけ。コイツを待つ必要はないからな。色々と聞く事がある」
俺も爺さんに頼みたい事があるから、ネスティスを先に帰らせるのは助かる。
彼女も爺さんに言われたら、引き下がるしかないだろ。装備を見つけるなり、作るなりする時間が必要なんだからな。
「あの!! ……お願いしたい事があって」
ネスティスは爺さんに装備を任せると言ったわけで……他に願い事なんかあるのか?
まさか……このタイミングで【道化師】の正体についてはなしにしてくれよ。
爺さんの口から俺に対して、『弱くなり過ぎだ』と出てきたからな。ハンターでもなければ、そんな台詞を言われないから。
「私が師匠を工房に運びたいんですけど……おじいちゃんでも師匠を引き摺って進むのは……」
爺さんは俺を引き摺りながら、足を進めていく。ズボンのお尻のところが破けないか心配ではあるんだが……
彼女に師匠と呼ばれてはいるけど、憐れに思われた感じがする。
「止めてくれ。爺さんに運ばれるので十分だから」
その言葉だけは何とか噛まずに言う事が出来た。




