スキル【開眼】
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「嬢ちゃん、準備はいいか? 実戦だと思って、本気で向かってこい」
「分かってます!! 時間内に倒すつもりでいきますから」
「良い気概だ。お前も頼むぞ。より実戦的なのを選んだのは」
「分かっているさ。ネスティスも色液弾だからといって、当たっても大丈夫だと思うなよ。異界では毒の可能性もあるんだからな」
俺達は爺さんの家の地下に移動した。
地下には爺さんの職人としての工房があるのだが、更にその下には広場が用意されている。
作成された武器や防具を試すのもあるが、ハンターの実力を知るための場所でもあるわけだ。
爺さんは自身の工房から装備を選んだ。赤の鎧、兜、自身と同じ大きさの大盾を選んだ重装備。
武器はなし。ネスティスの攻撃を全て受け止めるため、守りに特化している。とはいえ、攻撃が出来ないわけでもない事を俺は知っている。
それに対して、ネスティスは剣一本。
初期装備と同じ重さの剣。刃止めされていて、斬る事は出来ないようになっている。
盾もあったが、ネスティスはそれを取らなかった。防御よりも回避重視。身軽に動くためには、盾は邪魔になる。踊子のスキル【身のこなし】があるなら、尚更だ。
【身のこなし】 パッシブスキル
回避力、攻撃速度の上昇。装備の重さによって、反応が変化する。
これが【身のこなし】の効果。俺は職業スキルの一つとして、能力を文章として把握、見る事が出来る。
【閲覧】のプロフィールやパラメーターを見るのとは別。その進化系なのか、俺はそれを【開眼】と呼んでいる。
勿論、スキルを知るのは他の方法でも可能だ。使用する本人は分かっているし、各ギルドに行けば、本として記録もされていて、誰でも読む事は可能だ。
どうともないスキルと言われたら、そうなんだが。何時、何処で、誰に、と使い用によって変化する。特に誰というのが重要になってくる。
「はい!!」
「最後の確認だ。時間は三分。色液弾の数は五発。何時、何処から来るかも分からない。その中で全力で爺さんにぶつかれ」
「はい!!」
ネスティスは戦闘態勢に。爺さんも待ち構える状態に。
開始の合図は俺の掛け声だ。
「はじめ!!」
ネスティスは俺の声と同時に突撃……はせず、【剣刃】を放った。
彼女は戦闘態勢時にスキルの準備をして、いつでも発動出来るようにしていた。
三分という力試し。万全の状態での【剣刃】を俺に見せたかったのかもしれない。
【剣刃】 AP10
【五秒】の溜めが必要。そこから迅速な斬り払いの【一振り】を放つと、武器と力を合わせた威力の【八十%】の真空刃が【一つ】生み出され、【直進】する。
ターゲット ジジ
俺の【開眼】はネスティスが【剣刃】を放つ前に、文章化されている。それも彼女が誰を狙うのか。そして、【剣刃】によるAPがどれだけ減少するのか。
APとは。スキルを使用時に使う体力というべきか。魔法であるなら、MPとされている。
人によって、APやMPの量は違い、スキルを使う事で上昇していく。それだけではなく、同じスキルを使い続けると熟練度が上がるのか、使用APも減少していく。連続で使うだけでは、普通に消費するだけだが。
極めるとスキルとしてではなく、APを無消費、普通の攻撃として判定されるようにもなる。
これをしているのが【無法者】……俺達だ。
その使用回数は馬鹿げた数字過ぎて、誰も信じない。無消費になるのを知ってるのも、【無法者】だけだったりする。




