道化師参戦!?
「俺も【黒猫】が来てくれるのなら、ネスティスの助けになると思う。むしろ、動きを盗んだ方がいいと言っても過言じゃないぞ」
ランク7は伊達じゃない。【無法者】のメンバーに入れても良いぐらいだったと思うぐらいにだ。
盗賊ギルドで勉強するよりも、異界で【黒猫】と行動した方が、危険察知のスキルを習得率が高いまであるのかも。
「なるほど……【無法者】メンバーになるために必要なんですね。彼女の動きを盗みます!!」
「オホン!! 君の目的は遭難者の救助であって、【黒猫】の動きを盗む事じゃない。ゼロストも余計な事を言わないように」
助け舟を出したつもりだったが、ネスティスが予想以上に食い付いてしまった。
何故、俺の言葉が【無法者】に繋がると思うんだ? ソロで活躍するためには必要になるって事なんだが……
「もう一人……許可はまだだが、協力させる理由はあるからな」
「……ん?」
予想された異界とは別になり、ハンターに申請を出してないのは仕方ないとは思うんだが、『協力される理由』という言葉もそうだし、所長の言葉遣いが勇者に向けてじゃない気もする。
「コイツだ。コイツがメンバーなら、君も納得するはずだ」
所長がネスティスにもう一つのプロフィール表を見せた。当然、それは俺の目にも入る。
そこには【黒猫】同様、仮面を付けたハンターの写真が。ハンター名も俺が知ってる名前。
【道化師】。【黒猫】みたいに二つ名で名前が書かれていて、正体がバレないようになっている……俺だ!?
思わず、声が出そうになったし、目も飛び出しそうになったぞ。
下手に反応すれば、ネスティスに怪しまれる事になる。そこだけは何とか回避出来たが……
「いいんですか!! 私は【無法者】のメンバーになってないのに……動きを盗んでる状況じゃないかも」
彼女の視線が一瞬、こちらを向いた気がするだけど……気のせいか? 今はちゃんと所長の方に目を向けている。
ネスティスは知ってるのか? だが、ここで俺が否定するのもおかしな事になるし、話を進めていくしかない。
それにしても『協力させる理由』は、勇者の相談役だからか?
それは【道化師】ではなく、レイニー=ゼロストとしてだ。同一人物だが、正体を明かす事になるから駄目だろ。
「彼は【無法者】のリーダーだ。曲者揃いを操れるのは……彼等が言う事を聞くのは【道化師】だけだろう。君や【黒猫】も臨機応変に上手く動かしてくれるはずだ。だが、先程も言いましたが、本来の目的を忘れずに。でなければ、【道化師】と一緒に行動するのは」
「だ、大丈夫です!! 依頼が一番。人命救助一番です。それで【道化師】様に落胆されるわけにもいかないので」
またしても、ネスティスはこっちを見た。バレているのか!? いや……所長の言葉のせいで、変な顔になっていたのか?
思わず、顔に手が触れてしまっていたぞ。
というか、無茶振りが過ぎる!! 【黒猫】とパーティーを組むのもそうだが、『臨機応変に上手く動かしてくれる』というのは、勇者が目立つようにしろと、遠回しで言ってるようなものだ。
彼女の異界初探索は、本部が全国に流すに決まってる。
「勇者の了解も得た。出発は明日の昼。【黒猫】や【道化師】も準備が必要だ。君も何が必要なのか、ゼロストに聞いてくれ。集合場所は帝都の入口である門。ハンターの証が外に出る許可証にもなる。ゼロスト……後の話は任せる。それと」
「相談が終わったら、所長室に行くので」
「そうしてくれ。職員達にも伝えておく」
勇者が向かう異界が分かったのであれば、その映像の確認も必要だが、それよりも重要な事がある!!




