二日後
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異界【廃坑】探索から二日後……
今日はレイニーとしてではなく、【道化師】として、所長に呼ばれている。
【黒猫】だけじゃなく、俺からも【廃坑】での話を聞くため。二人の話が合ってるのかどうか。
それと謝罪のためだろう。なんせ、俺と【黒猫】の仕事としては、無意味に終わってしまったからだ。
「【道化師】!? 何で……」
「アレが……【道化師】。直接見るのは初めてだ」
「引退したとばかり思っていたぞ」
イズン支部の協会にいるハンター達も、俺の登場に驚いている。ネスティスとの行動時とは違い、いつもの姿。【道化師】としての正装だ。
協会の制服に似た軽装備はともかくとして、【道化師】のトレードマークのマスク。シンプルな銀マスクと、【無法者】としてのドクロが描かれたマント。
協会で働くようになってから、正装で来るのは初めてで、めちゃくちゃ恥ずかしいし、かなり目立っている。ハンター達がチラチラ見ているし、俺の話をしている。
「話をするのも、出張の報告としてでいいだろうに……理由は分かるんだが、そこは俺も謝る必要があるんだよな」
俺は周りに聞こえないぐらいの声で独り言をボヤくのも仕方ないだろ?
「本当に【道化師】様だ!! こっちです!! こっちにお並びください!! 他のハンター達は邪魔になるので、別の列に」
騒いでるのはハンターじゃなく、受付嬢も……受付嬢といっても、一人だけ。
「……アイツも【無法者】ファンだったのか?」
【道化師】を様呼びするのはフレア。俺を『レイさん』呼びにして、絡んでくる新人受付嬢だ。
ハンターを様呼びする受付嬢もいるが、あのテンションは明らかに他のハンターとの態度とは全然違う。【無法者】メンバーに対するネスティス寄りな気がする。
加えて、俺の出張や昼休みにもついて来ようとする変わり者でもある。
マスクで声を変えているとはいえ、正体がバレる可能性があるか。
「フレアさん!!」
「あいたっ!!」
「申し訳ありません。彼女は一度下げて、別の受付を置きます」
それを止めたのは信頼出来る先輩受付嬢。
フレアの頭を叩き、別の受付嬢を席に座らせて、後ろに連れて行く。多分、説教案件だ。
「うぅ……レイさんが三日も仕事にいないのが駄目なんです。私にお土産はありますかね?」
「そんな事知りません!! 【道化師】様はこちらの用事で来てもらってます。失礼がないよう、アカネが案内しますので、お待ちください」
先輩受付嬢がフレアを下がらせてくれた事で、正体がバレずに済んだわけだが……
フレアは俺がいない事に悲しんでいたようだ……と言いたいところだが、チラっと、【道化師】……俺を見た気がする。
【道化師】=俺とバレてないよな? お土産を催促された気がしないでもない。
【廃坑】への【探索】であるのは、同化体の一部は……単なる嫌がらせだろ?




