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故障原因

「微弱だけど、異様な魔力? 魔力らしき物を感じ取っただけよ。それに興味を持つのは当然でしょ。途中で消えたけど、そこで見つけたのが下に繋がる穴。私はそこへ降りただけ」


 異様な魔力を興味を示して、単独で調べようとするのは【殺戮】ぐらいだろうな。


 しかも、何処に繋がっているか分からない穴の中に入る無謀な行動も【無法者】メンバーらしい。


 興味があるものには貪欲だ。一番マシなのは俺だろう。


「……俺も気になる事があったからな。ミザリーの言う事は信じていいぞ。俺の銀の箱に追尾機能がある。それをドンドンに付けた結果、【廃坑】、異界から出ようとしたんだ。すぐに戻る結果になったわけだが……」


 追尾機能は【無法者】メンバーだけが知ってる事だが、【殺戮】が疑いを消すためには言っておくべきところだ。


 異形として、異界から出る事が出来なかった。外の空気が肌に合わなかった可能性は十分ある。


 異形が一度も外に出た事がないからだ。


 だが、今回はドンドンと同化している。そのお陰で外にも出れた可能性もあった。


 それが引き返す原因になったのは、その異様な魔力を異形が感じ取ったとも考えられないか。もしくは、異様な魔力で戻るように指示したとか。


「そうなの? 先に言いなさいよ。という事は、私達が【廃坑】にいる間に逃げた奴がいるわけね。けど、それがコング兄弟達に依頼したハンターなら、おかしな事になるはずよ」


「ハンターの証消失事件。イズン帝国の盗賊ギルド、協会も知らないのよね。本部はどうなのかしら」


「「えっ?」」


 俺と【黒猫】の声が重なる。


 銀の箱消失事件? そんな話は所長から何も聞かされてない。いや……所長も本部から何も聞かされてないのか? 流石に【黒猫】の正体が彼女なら、教えていてもおかしくない。


「確かに銀の箱……ハンターの証は故障したのか、協会には戻ってないのは聞いている」


 コング兄弟達の映像が途切れ、依頼の報告もない事から、本部からの救助依頼が届いたわけだ。


「故障? 私の魔法でも証は壊れないわよ。という事は不可能」


【殺戮】は自身の魔法に自信がある。確かに【殺戮】の魔法でも銀の箱は破壊されず、機能しているのを思い出した。


 だとしたら、救助者五人の銀の箱は何故機能を停止したのか。


 異形達や異界が原因ではない?


 銀の箱自体、謎だらけ。ハンターの中で俺の銀の箱が一番成長しているとは思っているが、理由も分かっていない。機能停止のやり方なんて知る由もない。


 本部も銀の箱の事を何処まで知っているのか。


 ハンターの証は異界から手に入れた物らしいが、入手出来る異界はハンターに公表されていない。素材ですらもだ。

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